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『物を作って生きるには』 [仕事の小ネタ]

物を作って生きるには ―23人のMaker Proが語る仕事と生活 (Make:Japan Books)

物を作って生きるには ―23人のMaker Proが語る仕事と生活 (Make:Japan Books)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2015/12/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
本書は、物を作ることによって生計を立てているメイカーによるエッセイおよびインタビュー集です。登場するメイカーが作る物は、エレクトロニクスキット、家具、玩具、さらにハッカーのための共有スペースまで幅広く、その目的や規模もさまざまです。しかし、共通しているのは、自分に一番適したやり方を自分の頭で考え抜き、そのアイデアを実際に手を動かして実現していること。いくつかのエッセイでは製造や販売などに関する実践的なノウハウも紹介されています。日本語版では、ヒゲキタ、乙幡啓子、山田斉(工房Emerge+)、テクノ手芸部、石渡昌太(機楽)、湯前裕介(ホットプロシード)の各氏によるエッセイとインタビューを追加しました。

今週末、僕はある決断をした。27年ぶりの大きな決断である。帰国してちょうど半年が経過したところだが、今の自分の状態は自分としては受け入れがたいので、思い切って環境を変えようかと思っている。具体的な行動は連休明けから移す。すでに家族には伝えてある。

先週は、身の回りでその決断に関して背中を押してもらえる出来事がいくつかあった。ひと言では説明もできないので詳述しないが、いったん心が決まったら、周りの風景がちょっと新鮮に見えるようになった。自分にとって何が重要なのかがよくわかった。

そんな時に手に取ったのが本書であった。翻訳がひどいという評価もあるようだが、僕は翻訳の問題というよりも、英語で書かれた文章そのものがそんなスタイルで描かれていたのではないかと想像している。確かに読みにくい。でも、そこは最後に載っている日本人メイカーのエッセイやインタビューがそれなりの日本語になっているので許せる。

日本人的にはそちらの方が参考になるところが多い。米国のメイカーの話は、自分は元々物を作って生計を立てていくつもりじゃなく、いろいろな偶然が重なって今に至っているとほぼ全員が強調されている。でも、登場するどの人も、小さい頃はものをいじっていたとかいう意味でものづくりの素養があり、しかも社会に出てエンジニアだとかデザイナーだとかをやっていた前歴がある。この点はほぼ例外がない。従って、モノづくりの経験が中学時代の技術家庭科の実習で止まっている50代半ばの文系オジサンが、物を作って暮らしていくなんてものには、基本参考にならないのである。

むろんそんなことができないことは百も承知である。でも、文系人間だってものは作りたい。壊れたものは直したいし、朽ちかけた実家のリフォームだって、できることなら自分でやりたいのである。ハードルはそんなに高くないといくら言われたって、やっぱりハードルは高い。

などと逡巡しているだけじゃだめで、少なくとも「こんなものがあったらいいな」と思うものがあるのなら、自分で作ってみることを考えてみたい自分がいる。それには時間をもっと割きたい。でも、外からいろいろな依頼が来て、いつまでにこの仕事を片付けろとか、いつまでにこの原稿を書けとか、予算もうちょっと付けてくれとか、いろいろ言われる。そういうのに煩わされて週末すら楽しく過ごせず、モノづくりへの取組みを延び延びにして放置している自分が許せない。(間を空けると余計にキャッチアップしづらくなる悪循環…)

まあ、別に僕はハードウェア・スタートアップを狙っているわけじゃなく、老後に収入が激減した時に、家の中の調度品や家屋の修繕が自分でできれば、少しは支出抑制効果があるんじゃないかなとは考えているのだけれど、それだけで大きな決断をしたわけではない。

文系オヤジは文系オヤジなりにあがいてみたいと思う。

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