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『現代ブータンを知るための60章【第2版】』 [ブータン]

現代ブータンを知るための60章【第2版】 (エリア・スタディーズ47)

現代ブータンを知るための60章【第2版】 (エリア・スタディーズ47)

  • 作者: 平山 修一
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
時代の流れと共に古き習慣は廃れ、また2008年には憲法が制定された。現在ブータンでは西洋的な価値観が横行しつつあり、ひと昔前とは大きく変貌している。伝統的な生活と近代化の波にもまれる、今のブータンを活写する一冊。

この本は、著者の改定作業に協力させていただいたので、あとがきにチラッと僕の名前も出てくる。当然、改定段階で新たに加えられた章の初稿は読ませていただいていたが、初版刊行時からあったオリジナルの章の改定内容については、僕は確認していなかった。

著者からいただいていた改訂版書籍は、離任の時に後任に引き継いで置いて来てしまったので、読めないでしばらくいた。しかし、以前からこのブログでも公言してきた通り、今僕も自分が書いた原稿を商業出版にしてくれる出版社を探しているところで、「リライトの過程でもっと数字を入れろ」との注文がつく可能性があるし、さらに今別の本の出版企画に誘っていただいて、ブータンのあるテーマについて、1章書かせてもらうことにもなった。先週半ばまでいただいていた夏休みの期間中から参考文献の読み込みを始め、本書についても週末2日かけて一気に読了した。

明石書店といえば、僕にとっては、数年前に企画書を持ち込もうと試みたところ、「原稿書いて持ってきたら読んでやってもいい。筆力を証明できるものがない一見さんはお断り」と、編集者の方に門前払いを喰らわされた出版社である。お陰で、僕は自分が本にしたいと思った今回、まずは原稿を書くことから始めることにした。逆に言えば、明石書店から出た単著があるということは、既にその筆力にはお墨付きが得られているということなのかと思う。

しかも、この企画は各章がテーマが違うので、言ってみれば起承転結のある文章を60編も書き連ねて、ようやく出来上がるというものである。そして、それを改定するための苦労も、初版60章に匹敵、あるいはそれ以上の作業が求められる。初版が出てから13年に間に、新国王が戴冠されたし、民主化も進んで国政選挙も3回実施されている。五カ年計画にしたら、初版刊行当時は第9次だったものが、今や第12次である。各章にそれぞれ書き足さねばならない情報がある筈で、その一方で分量は決まっているから逆に削らなければならない部分も相当あった筈だ。

僕は、著者の平山修一さんが初版60章の執筆に充てられた期間がどの程度あったのかは聞いたことがないが、改定作業に充てられた時間に関しては、1年程度しかなかったと承知している。しかも、改定作業に着手された当初、平山さんはJICAの専門家としてインドネシアのジャカルタにおられた。専門家業務に専念しなければならない中で、空いた時間でこの改定作業は進められていた筈で、しかも改定のためのデータ収集も、外国にいてはアクセスが難しいものも多かった筈だ。

そういう、不利な状況をはねのけ、見事に改訂版発刊を実現させた著者の馬力に感銘を受けながら、今回改訂版を通読した。

初版との比較をしながらの読み込みではなかったので細かいことは言えないが、改訂版はまるでこれが改訂版であることを想像できないくらい、この13年間の出来事が見事にカバーされていて、正直言って驚いた。確かに僕も追加情報を著者に提供したし、実のところこのブログで扱ったブータン時事ネタも、平山さんはフォローしておられたと聞く。この13年間、平山さんは他国でのお仕事もあってブータンを訪問して定点観測する機会はほとんどなかった筈だ。そのブランクをあまり感じさせない書きぶりに、どの章もなっていた。しかも、改めて思ったのはどの章も分析的で、個人的経験と客観的データ、文献情報などが見事に組み合わさり、きわめて説得力のある書きっぷりになっている。

非常に勉強させてもらいました。

惜しむらくは、誤植が多い。多分僕に対してけんもほろろだった編集者とは別の方が編集に当たられたのだろうと思うが、校閲はもうちょっとしっかりやった方が良かったのは間違いない。

新たに原稿を書くのに、他にも読み込んだ参考文献が数点あるが、再読もあるし、事情があってあまりこのブログでは取り上げづらいのもあるし、本ではなく簡易製本されたレポートのようなものもあるので、それらまでこのブログでつまびらかにするのはやめておく。僕も1章書かせていただく本は、順調なら来年4月頃には某M社から出る予定。
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