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ここでもコミュニティの活力が低下 [ブータン]

コミュニティ活力と精神的充足に関するGNH指標は悪化
GNH indicators for community vitality and psychological wellbeing deteriorating
Kuensel、2018年11月17日、Sonam Pelden記者(マレーシア)
http://www.kuenselonline.com/gnh-indicators-for-community-vitality-and-psychological-wellbeing-deteriorating/

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【ポイント】
幸福の原因は主観的で多様であるが、幸福の経験は客観的である。ブータン研究所(CBS)のダショー・カルマ・ウラによると、この経験の指標の1つは、心の落ち着き、思いやり、他人を許せる寛容さ、満足感、寛大さなどのポジティブな感情であると述べた。マレーシアで開催されたコミュニティ活力に関する第8回GNH国際会議の場でのことだ。

CBSが2015年に行ったGNH全国調査によると、2010年から2015年にかけて、ブータンでは、精神的充足の領域に属するポジティブな感情を抱いた経験は減少しており、GNHを構成する9つの領域33指標のうち、精神的充足およびコミュニティ活力の2つの領域で指標がこの5年間で悪化していることがわかった。

精神的充足に属する指標は、生活の満足度、ポジティブな感情、ネガティブな感情、スピリチュアリティであり、コミュニティの活力に属する指標としては、寄付(時間とお金)、安全、地域社会との関係、家族との関係が含まれる。

ダショーは、社会が発展するにつれて、コミュニティの活力と精神的充足が注目されなくなる傾向があると述べた。 「これは普遍的な教訓だと思う。私たちが開発を進めていくうちに、私たちはそれに焦点を当てなくなる。これらにもっと注意を払うことができれば、GNHはもっとうまくいくだろう。」

コミュニティの活力について、ダショーは、人々を取り巻くコアとなる仕組みは家族だと述べた。しかし、一方で家族は、他の家族とつながってコミュニティを形成しなければならない社会的発明でしかない。そして、このネットワークは、主に金銭では計測ができない交換を通じて形成される。

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2015年の全国調査結果は、精神的充足の各指標における達成度が大幅に低下したことを、驚きをもって指摘している。 2010年には、ブータン人の59%が週に数回ポジティブな感情を抱いたことがあると答えていた。しかし、これは 2015年までに、怒り、恐れ、心配、利己主義、嫉妬などのネガティブな感情を抱く頻度が高まったことで、51%に低下した。

2010年には、35%の人々がネガティブな感情を強いられていると答えた。その後の5年間で、この葛藤は45%に上昇した。 「これは、ブータン人10人のうち1人は、2010年にはなかったネガティブな感情に苦しんでいるということを意味する。特に、学校の生徒や失業者の間では、ネガティブの感情が増えているので、それは当然といえるだろう。そして自分のことを非常にスピリチュアルな人であると思っている人は減ってきている。」

調査結果によると、9つの領域のうち、健康(13.10%)、生態系(12.41%)、コミュニティ活力(11.56%)が2015年のGNH指数に最も貢献していた。最も貢献度が低いのは教育(9.78%)、良いガバナンス(10.18%)、精神的充足(10.48%)だった。

CBSのドルジ・ペンジョル主任研究員は、登壇したパネルディスカッションの中で、まだ研究が行われていないが、この2つのGNH領域における指標の悪化は、コミュニティを分断させるきっかけになった政党政治にって引き起こされた可能性もあると示唆した。

しかし、家族や隣人との社会的結束やボランティア活動などのコミュニティの活力が失われた場合、失われた価値観を修復するには膨大な資源と時間が必要になる。信頼と親の世話などのコミュニティの活力の価値はブータンを長年支えてきたものである。耕作コミュニティがまだフォーマルな制度に主流化されていないブータンの農業社会にとって、伝統的な家族や地域保険が維持される必要性がある。ペンジョル主任研究員は言う。「両親の世話をするという価値観を失うと、現代的な年金制度と保険制度が必要になるだろう。」

2015年GNH全国調査の暫定的な知見によれば、近隣住民への十分な信頼と地域社会への帰属意識が11%低下し、GNHへのコミュニティの活力の寄与が著しく減少したという。家族関係と犯罪や暴力による安全に対する認識も低下したが、変化の程度ははるかに小さかった。「これらの発見は印象的。ブータンで進行中の途方もない社会的変化を定量的な形で引き出すものだ」とペンジョル研究員。「しかし同時に、文化、コミュニティ、精神的充足などにネガティブなストレスを受けているブータンの生活や文化の側面にも注意を向けている。」。

同じくパネル登壇したヴィクター・カルナン客員教授は、昨年のGNH国際会議に提出された10編の論文のうち、8編は集合的な幸福ではなく個人の幸福を扱っていると指摘した。 「国家は多様な人々で構成されているが、コミュニティの活力の文脈でGNHは達成可能なのか?」と問いかけた。グローバルな北とグローバルな南、近代と伝統との間にも緊張があるが、 「近代的なものは伝統的なものよりも優れていると勝手に思いがちだが、GNHではこれは反対で、伝統的ではあるが近代的な制度を評価し、これらがコミュニティの活力についての課題だと述べた。

ダショー・カルマ・ウラによれば、GNHの9領域は階層的ではないという。「貧困に陥らないようにするためには、これらすべての条件が必要であり、開発戦略を策定する担当者はこれらすべてに同時に働きかけなければならない。 実用的なツールとしてのGNHは、誰が不幸なのか、どこにいるのか、理由は何かを見つけるのに役立つ」―――ダショーはこう述べた。

◇◇◇◇

もうここまでがクソ長いので僕のコメントは短めで済ませたいと思う。

これは日本が歩んできた道だから、ブータンがそうなっていくのは仕方ないところもあるのだけれど、なんかね。わざわざ日本と同じ経路を辿らなくても、どこかでブータンならではという最適解を見つけて欲しいと思うのです。残念ながら2年8カ月もいて、僕には最適解らしきものがどこなのかというのがいまだによくわからない。少なくとも今やっていることは、近代化したいのならちゃんとした近代化をしようよっていう立場で取り組んでいるものだから。

今年のGNH国際会議はマレーシア開催だった。「コミュニティの活力」が全体テーマだったら、出てみたい気持ちもあったのだが、とてもそういう余裕はなかった。去年発表させてもらったのはいい思い出になった。いろいろCBSとは悶着もあったものの、分厚い論文集の中に自分の提出論文を見かけた時は嬉しかった。

国連系のジャーナルに2016年末に論文が採用されたおかげで、今年はそれを読んだ方から、「意見が聞きたい」「うちのジャーナルにも投稿しないか」「今度やる会議で発表しないか」と声をかけていただくことが多かった。CBSの論文集がそこまで読まれているのかはわからないし、少なくともこの1年は全く問い合わせなど受けたこともないが、僕の論文を知らない財務省の職員と話していて、「そういうのだったら僕が書いた論文読んでみて下さいよ」と言ったら、本当に読んで下さった。書き残しておくってのはこういう時にも便利だなと思う。

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