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自著のあらましを述べるとNG? [ブータン]

ダショー・ソナム・キンガのFBポストはソーシャルメディア規則に違反
Dasho Sonam Kinga’s post violates social media rules: Media arbitrator
Kuensel、2018年9月8日、Sonam Pelden記者
https://www.kuenselonline.com/dasho-sonam-kingas-post-violates-social-media-rules-media-arbitrator/

最近、ブログで当地の新聞記事をご紹介してなかったのは、ひと言で言えば面白い記事がなかったからだ。15日に迫った国民会議(下院)議員選挙予備選投票日に向けた、各党の選挙運動を公平に報じ、かつ不在者投票の様子などを報じ、かつそれが全国に散らばった記者からのレポートとしてかなり平等に報じられるので、あまり面白くなかったのである。大衆を巻き込むイベントは自粛だし(でも、9月12日から16日まで開催されている「ブータン・インド貿易投資促進エキスポ2018」は開かれているけど)、個別の学校で開かれた美術の展覧会等も、せいぜい写真が掲載されるぐらいの扱いになる。

ここ2週間ぐらいで、選挙報道以外で大々的に報じられていたのは、ジグミ・ドルジ・ワンチュク国立レファラル病院(JDWNRH)の新生児ICUの院内感染問題と、ソナム・キンガ前国民評議会(上院)議長のFacebookへの書き込み問題ぐらいである。今日はその後者を取り上げる。

ソナム・キンガ前議長(以下、ダショー)は、8月31日、自身のFacebook上で、自身の執筆中の著書が年内に出版されることを明らかにした。テーマは、過去2回の総選挙に基づき選ばれた政権の政策運営について述べた回顧録のようである。ダショーは2008年に評議会議員に選出され、すぐに副議長に選出。2013年の再選後は評議会議長を務められている。当然、2つの下院議員選挙で選ばれた政権与党の政権運営を、上院の立場で見てきた人なので、今年5月の引退後に回顧録のようなものを著されるのは、そりゃそうだろうと思える。

でも、このFacebook投稿に、2008年から2013年まで政権与党の座にあったDPTが、トブゲイ党首の前政権(PDP)を利するとして問題視し、冒頭で挙げた記事の他にも、ブータン選挙管理委員会(ECB)が記事削除を求めるなどの動きがあり、最初のうちは反論されていたダショーも、結局8日には記事を削除された。

前回4月の国民評議会選挙と違い、今回の国民会議議員選挙は、政権の行方を占うものだけに、僕たち外国人としても言動に気を付けなければいけないと思っている。「え?こんなこともNG?」ということも身近で起きている。選挙戦の真っ最中で、日本だったら大丈夫なことも、この国では結構NGらしい。ソーシャルメディア上で自著の内容を紹介するのもNGなのだ。

だから予備選の結果が取りあえず明らかになった今だから言うが、実は僕も先週、出版社に原稿を持ち込んで、出版してもらうことに内諾は取り付けた。選挙コードに引っかかるかもしれないから内容は紹介しません。でも、ほとんどは既に各所で発表済みのもので、でも書き下ろし章が4つ含まれている。1章を除けばすべてブータンのお話です。ISBNは取得するけど、自費出版なので全部買取りにします。なので、ダショー・ソナム・キンガの著書ほどのインパクトはないと思います。ただ、一部のブータンの人には引用してもらえること請け合いだと思います[黒ハート][黒ハート][黒ハート]

編集の方からは、「あとは序章が必要」と言われているので、未だ僕自身の作業が終わったわけではないが、取りあえずは出版社に原稿持ち込むところまでは行けたのですごく開放感に浸っている。予備選の開票速報を横目に、こんな記事を書いているところである。

さて、僕はソナム・キンガ前議長が評議会議員をされていた5年間のうち、最後の2年ぐらいしか知らないのだけれど、BBIN(四カ国車両相互乗入協定)批准反対の上院決議とか、上院は時の政権に対しては適切なチェック機能を果たしていたように思う。ダショーはどこの政党にも属さないし、今回の総選挙でも支持政党は明言されていない。少なくともBBIN批准に関しては僕は上院と当時の野党(DPT)は主張が一致していたと思うので、なぜDPTが今回こんなに厳しい反応を見せたのかはよくわからない。こんなことがあると、年内出版と言われているダショーの著書、読んでみたくなりますね~。そういうことも込々での広報戦略だったらそれはそれでスゴイ。

なので悪乗りで申し添えますが、12月にもう1冊、僕が1章書いている本がこちらで出ます。これも、内容には触れませんが、一部のブータンの人には参照してもらえること請け合いの章です[黒ハート][黒ハート][黒ハート]

今年の年初に、「これはやりたい」と公言していたことの1つは、これである程度かたが付いた。次はいよいよ日本で出したい本の執筆に取りかかりたい。


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