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起業の本再読2冊 [読書日記]

1万円起業 文庫版

1万円起業 文庫版

  • 作者: クリス・ギレボー
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 文庫

今月上旬に読了してブログでも記事としてご紹介した、Chris Guillebeau著『The $100 Startups』の邦訳である。原書を読み始めた時、既に邦訳が出ている本だとは知らず、必死でペーパーバックを読み込んだ。その記憶がまだ残っているうちに、復習の意味でさらっと読んでしまおうと考えた。

ただ漠然と読むだけでなく、備忘録的に残しておきたい引用も幾つかある。以下は、ブータンで常々感じていた、①ブータンに起業文化を根付かせるためのハードル、②ブータンで当たり前に論じられている「金融アクセスを改善しさえすれば起業は盛んに行われるようになる」という議論へのアンチテーゼということで取り上げさえてもらう。

◇◇◇◇

思いついてから起業するまで、現在でも100ドル(1万円)未満の資金と、1カ月足らずの期間があればいい

もっとも簡単な方法は、人が何を望んでいるのかを先に突き止め、それを提供する手段を見つけることだ。

前に進めないのは怖気づいているせいだ。

彼らから学ぶべきいちばんのポイントは、永遠に考え続けたり、将来の計画でバインダーをいっぱいにしたりぜずに、とにかく行動したことだ。

起業時の借金、あるいは多額の投資は、必ずしも必要ではない。(中略)借金は、リスクを抑える手段があり、自分がやっていることをよくわかっている場合だけ許される、望ましくない選択肢だと肝に銘じておこう。

マイクロビジネスを始めるのはきわめて簡単だ。だから、ビジネスのやり方を心得るまで、あるいは心得ない限り、マイクロビジネス以外に手を出すのはやめたほうがいい。スモール・イズ・ビューティフル。たとえ大規模なビジネスをするだけの資金があるとしても、小さいほうがメリットのある場合が多い。

起業資金を借りるより、まずはお金が入るようにすることのほうがはるかに大切だ。

自分が学んだ最高の教訓は、たとえ善意ある友人からのものであってもアドバイスを無視すること

競争など外部の要員以上に手ごわい敵は、心の中にある恐れや無気力だ。幸い、これらの敵は自分の力でねじ伏せることができる。

◇◇◇◇

Business fuer Punks: Brich alle Regeln!

Business fuer Punks: Brich alle Regeln!

  • 作者: James Watt
  • 出版社/メーカー: Redline
  • 発売日: 2016/09/12
  • メディア: ハードカバー

次にご紹介するのは、昨年末に読んだジェームズ・ワット著『ビジネス・フォー・パンクス』の原書。先週末、ハで民泊してきたが、そこまでの3時間30分の一人ドライブの過程で、暇だったのでキンドルの読上げ機能を利用して、聞き流しをする対象として、この原書を取り上げた。ハまでの往復だけでは読了はできなかったが、その後残りの20%を集中的に読み、一応読了というアリバイは作った。

実はこの本も「人のアドバイスは聴くな」というアドバイスをしている。自分のアドバイスを聴いて欲しいのか、それともパンク精神の慫慂の方が大事なのかはよくわからないが、人にアドバイスをもらうぐらいなら、自分自身で物事を考え、行動するのがパンク的な生き方なのだと著者はいいたいのかもしれない。

この原書を流し読みしていて気づいた点が2つある。

1つは、ブログの積極活用を論じておられる点。ブリュードッグ社のスタッフによるブログ更新は、相当な頻度で行われており、同社の精神がスタッフひとりひとりに行き渡っていることがその内容から世界中のビール愛好家に伝わると自負している。実はブログの効用は『一万円起業』にも書かれていたことで、起業するのに固定読者を持っているブロガーはそれだけのアドバンテージがあると書かれていた。僕のブログの活用の仕方に少しばかりの示唆をいただいた気がする。

もう1つは、クラウドファンディングについての記述。ブリュードッグ社もクラウドで資金調達はやられていて、2009年以降4回のファンディングを募ったが、出資者(バッカー)の数はのべ3万人超で、約20億円を調達できたとの著者の経験が書かれている。面白かったのは、このクラウドファンディングのことを、著者は「パンク株」と読んでおり、要するにバッカーに対するリワードを株式で渡すようにしているという。これはKickstarterなどでは禁止事項に挙げられているもので、つい先日Kickstarterの参加手順を独学で勉強した際に、この禁止項目についても知った。本書ではクラウド資金調達の実務経験については詳述されているわけではないが、小口株式を発行して出資者に同社のオーナーになってもらおうという試みだったようだ。クリエイターとバッカーの関係もいろいろあるので、こういうやり方もあるのだなと参考になった。そしてこの場合も、ブログが同社と小口出資者とをつなげる役割を果たした。

邦訳もかなりパンクっぽい乱暴な表現が使われていたが、原書の英文も結構乱暴な表現が多かった。英語の勉強にはかならずしもならない本だったが、お陰で週末の道中は良い英語のリスニングの訓練ができた。

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