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財政の分権化に関する報告書 [ブータン]

財政の分権化は12次五カ年計画とSDGsの目標達成の鍵
Fiscal decentralization key to achieving the 12th Five Year Plan and the Sustainable Development Goals
2017年11月7日、UNDPブータン事務所ホームページより
http://www.undp.org/content/bhutan/en/home/presscenter/pressreleases/2017/11/07/fiscal-decentralization-key-to-achieving-the-12th-five-year-plan-and-the-sustainable-development-goals.html

2017-11-7 UNDP.jpg

【ポイント】
11月6日、国連開発計画(UNDP)及び国連環境計画の支援を受け、地方行政局(DLG)は、現在の財政分権化の枠組み改善の方向性を示す新たな報告書を発表した。第12次五カ年計画では、地方自治体は計画期間中の予算配分の50%を受け取ることになっており、この報告書はそれを裏打ちする適切な時期に公表されたといえる。

報告書は、国の歳入の一部を準国家借入れに配分して行われる中央から地方への適切な資金支援のあり方を規定した憲法18条に言及し、資源配分公式、政府業績管理システムとの連携、自治体レベルでの独自財源、中央・地方での歳入シェアメカニズム、財政分権化を計画・実施する地方行政の能力強化等に関して9つの提言に纏められている。

GNH委員会は、ブータンの新しい地方分権化政策にこれらの評価結果と提言内容を反映させるよう、DLGに求めている。

報告書は、UNDPと国連環境貧困 - 環境イニシアチブ(PEI)の支援を得て作成された。このプログラムは、ブータン政府が開発の優先事項と環境の持続可能性との間でいかにバランスをとるかという課題への取組み能力の強化を支援するため、2007年からブータンで活動してきた。GNH委員会、DLG、財務省と連携、政策決定、計画、プログラムに、ジェンダー、環境、気候変動、災害リスク削減、貧困削減等の取組みを反映・統合させていくことを目的としてきた。

◇◇◇◇

P_20180115_160446.jpgLham Dorji
Fiscal Decentralization in Bhutan
Department of Local Governance, MOHCA
2017年11月

昨日のブログエントリーで、「13冊」と書いた充電期間中の読書記録であるが、目標よりも2日早く読了できたこともあり、最後の悪あがきでもう1冊読んだ。本当にこれが最後の1冊となる。

情報共有としてはやや旧聞に属するが、昨年11月初旬、国連が内務文化省地方行政局とともに、標題の報告書をリリースした。本当は報告書全文が掲載されたURLもご紹介しておきたかったのだが、このタイトルでグーグル検索をかけてもヒットせず、概要をまとめたパワーポイントだけがヒットした。このスライド自体も実質5枚程度のシンプルなもので、ご紹介するのも馬鹿々々しいので、代わりにUNDPブータン事務所のHPにあった記事からポイントのみまとめてご紹介してみた。

この報告書、たまたま僕はハードコピーを1冊入手できたので、71頁ある全文を読ませていただいた。国連(UNDP、UNEP、UNCDF等)が地方分権化支援の一環として実施してきたプログラムを特出しして書いていて、JICAやEUが行っている地方分権化支援の取組みには一切言及もなく、内容的に公共財政管理の話なのに世界銀行へのコンサルテーションも行っていないという点で、ちょっと他の開発協力実施機関に対する配慮とバランスを欠いているきらいがあるが、僕ごときが今のブータンの地方分権化の方向性と実施に向けた課題を俯瞰するにはちょうど良い、コンパクトな報告書になっていると思う。

ブータンでは、現行の第11次五カ年計画が今年6月で終了し、7月からは第12次五カ年計画の計画期間に入る。次の五カ年計画では「分権化の強化」が全体目標の中にも明記されていて、実際に中央と地方の予算配分を7対3から5対5にするそうである。でも、実際に予算は地方で必要なのだから地方に手厚く付けるという方向性は正しいものの、元々事業計画策定や予算執行の能力がさほど高くない地方政府がそれを充分履行できる保証はない。どうやってその課題を克服していくのか、方向性や如何にというのが僕の疑問としてはあって、それがこの報告書でどう描かれているのかに注目していた。

結果を言うと、そもそもこれまでの7対3という体制というのが現実とマッチしていなかったというトーンで、5対5にする措置自体がそれを是正するものだというポジティブな捉え方がされており、そういう見方もあるのかとちょっと驚いた。それである程度地方政府の能力の問題への取組みにはなっているものの、それでも能力強化は依然として課題だとの認識はあるようで、現行職員のレベルアップの他に、王立人事院(RCSC)に地方への職員配置の拡充措置も提言している。

DLGがRCSCにモノ申すことができるのか、そもそもRCSCとの間でこの報告書自体が共有されているのか、といった疑問も正直言ってある。この報告書はDLGの職員が中心になってまとめているが、誰が誰に対して提出したものなのかが定かでないし、そもそも報告書全文をウェブでダウンロードできないのはどうかと思う。(DLGはそもそも独自のウェブサイトを持っていない。)

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