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しっかりやれ、G2C [ブータン]

インターネット接続問題がG2Cサービスの足枷に
Internet problems impede G2C service delivery
Kuensel、2017年11月28日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/internet-problems-impede-g2c-service-delivery-2/

【ポイント】
上院特別委員会が行った調査で、市民向け電子政府サービス(G2C)を提供するコミュニティセンター(CC)は、3カ所に1カ所以上がインターネット接続環境の問題があって、利用できない状態にあることがわかった。97カ所のCCのオペレーターに行った個別インタビューでも、40%以上の回答者がインターネット接続が最大の問題だと答えている。また、回答者の20%は十分な人材配置や適切な研修機会がないこと、16%は関連政府機関の許認可申請承認が遅いこと、12%が頻繁な停電を問題点として挙げている。

G2Cは120項目ものオンラインサービスを提供しているが、うち最も利用頻度が高いのはたったの7項目(5.8%)。警察が発効する身分証明、誕生登録、家系図等の世帯情報、木材伐り出し許可、商取引免許の更新、燃料用木材伐り出し許可等。

1,201人の回答者のうち、過去1年以内にG2Cのサービスを利用したのは480人(49%)。28%の回答者はG2Cサービスの存在自体を知らなかった。その中には、女性や農民が大半を占めていた。また、G2Cサービスを知らないと答えた回答者は、公務員の2%、地方自治関係者の4%いた。

殆どの許認可申請承認は1日以内でなされるが、地方での木材伐り出し許可は、1週間から1カ月かかると答えたのが72%、1カ月以上と答えたのが13%いた。森林公園サービス局によると、手続き処理期間は1カ月と定めているので、申請者の13%は期間内に承認が受けられないことになる。

これらの調査結果をもとに、報告書は、啓発活動、インフラ強化、承認手続き日数の短縮、オペレーターの能力強化等について、6項目の提言を行っている。上院特別委員会は、これらを踏まえて、最終提言として政府に提出する予定。

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この記事の中にも、サンプル数の矛盾(1,240人か1,201人か)とかその中に占める公務員、地方自治体関係者の人数とか、理解に苦しむ記載があるが、ポイントは整理してご紹介できたかと思う。

トブゲイ首相の肝煎りで始まったG2Cサービスだが、今年2月にブータン・トランスペアレンシー・イニシアチブ(BTI)が発表した市民による行政サービス評価でもネット環境の悪さ、処理速度の遅さが指摘され、3県対象だったBTIの調査に上院が食いついて、今回の実態調査に至ったと聞く。さらに皮肉なことに、CCの運営主体は、ブータン郵政公社から森林局、さらにはブータン開発銀行(BDBL)へとコロコロ変更になっており、もし来年の総選挙で首相交代があり、新首相がトブゲイ氏ほどオンラインサービスに強い関心を持たない場合、このサービス自体の行く末も不明だと上院議員も漏らしているという。

これらのCCの全体数がわからないのだが、仮に記事にあるように97カ所は最低あるようだから、目標値としては各ゲオッグ(郡)の中心地に1カ所は設置されていると考えてもいいのではないかと思われる。どこかのゲオッグを訪ねる機会があれば、ついでにCCというのも見て来てみたい。中には国連開発計画(UNDP)が支援して、2015年にテレビ会議システムを入れたCCが47カ所あるらしいが、使われているのかどうか興味津々だ。ネット接続に問題があるというのなら、スカイプであっても難しそうだ。長期的な政策の方向性としては正しいのだろうが、実際のところはティンプーに人を集めるとか、中央から地方に政府高官が出向いて直接対話を行っているケースが目立つから、期待されたほどは使いきれていないのが現状なのではないかと想像する。

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