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エコツーリズムでの起業??? [ブータン]

54時間でアイデアが56個
56 business ideas pitched in 54 hours
Kuensel、2017年11月28日、Rinchen Zangmo記者
http://www.kuenselonline.com/56-business-ideas-pitched-in-54-hours/
(現時点でこのリンクは閲覧ができません。ほとぼりが冷めた頃に閲覧再挑戦してみて下さい。)

2017-11-28 Kuensel.jpg

【ポイント】
11月24日午後4時から11月26日までの54時間の間にビジネスのアイデアをブラッシュアップする、「第5回スタートアップ・ウィークエンド」が開催された。国連開発計画(UNDP)とティンプー・テックパークが開催。初日にピッチされたアイデアは56案件にのぼり、参加者の互選により13案件が選ばれ、残る2日間で参加者は13グループに分かれ、各案件のビジネスアイデアの具体化を話し合う。その上で、最終日のプレゼンで、上位入賞者が発表された。今回の共通テーマは「エコ・ツーリズム」。

最優秀ビジネスアイデアに選ばれたのは、ソナム・タシ君の率いる5人組が練り上げた「ミニチュア・ブータン」。1ミリの鉛筆の先に乗る高さわずか4ミリの小さなブッダの座像のプロトタイプを製作。ブータンのお土産のほとんどが中国やタイからの輸入であることから、内国産のお土産を開発したいと考えた。第2位は、アロマセラピーによるストレス軽減を狙ったサロンの創設を謳った「レドレンス(Redolence)」、第3位には、紙のリサイクルを進めようとする「ハッピー・ペーパー」が選ばれた。

上位入賞者には、テックパーク内に設置されたブータン・イノベーション・テクノロジーセンター(BITC)での6カ月間の起業準備スペースとインキュベーションサービスが提供され、ラグジュアリーホテルに籠ってビジネスアイデアを練り上げる権利も与えられる。またUNDPからは、上位入賞したアイデアを最初にピッチした起案者に対し、外国で開催される青年フォーラムに参加する外国旅行の権利も授与された。

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この企画については、あとから何を書いても負け惜しみに聞こえるので、最初に謝っておきます。本当は出てピッチしたかったアイデアが僕自身にもあったのだが、募集段階ではそんな縛りはなかったと思うのだが、「若者」しかピッチする資格がなかったようだし(僕はオジサンであり)、よしんば出られて上位入賞を果たしてしまったとしても、自分が今の仕事を投げ出して新事業に手を染めることは立場上できないし、ましてや金曜日の夕方から週末まるまるいっぱいをこのイベントへの参加で費やすわけにもいかない事情があった。(おかげで期日までに論文を書き上げることができたわけで。)

僕がピッチしたかったアイデアが何であるかはここでは書きません。昔、ブログに私案を載せてたらそのアイデアをまんざら知らないわけでもない某大学の先生にパクられたことがあり、ご本人も確信犯だったのでその後疎遠になったという出来事がインドでありました。お陰で僕は当時の自分の論文指導教官から大目玉を喰らいました。このため、自分で取り組みたい、人に真似して欲しくないアイデアはブログでは開陳しないことにしております。(逆に自分ではできないけど誰かやってくれないかなというアイデアはブログにも載せますから。)

要するに、スタートアップ・ウィークエンドというのは一種のハッカソンなので、ここでピッチされたアイデアが既に具体化してビジネス展開されているものではないというわけ。ちょっと前にプンツォリンの科学技術カレッジ(CST)でも同じ主催者でイベントが開催され、このブログでも紹介したことがあるが、あれの上位入賞者のアイデアも、これから具体的な形になって行くのだろう。

それにしても、僕たちが「エコツーリズム」と聞かされて、そこで上位入賞したアイデアを見渡してみると、一見してどこが「エコ」でどこが「ツーリズム」なのか、わからないアイデアがピッチされていた可能性を感じてしまった。(負け惜しみだけど。)「エコツーリズム」の定義を相当広く捉えて開催されたみたいですね。それに、発想が商品開発中心になってしまっているようだけれど、もう少し全体のシステムの構築にも光が当たるようなアイデアがあると良かったのかなという気もする。また、UNDPが「エコツーリズム」の概念を今後売り込みたいために、間口を広めにとったのかもしれないが、「持続可能なツーリズム(Sustainable Tourism)」の概念を置き去りにしないで欲しいものである。

自ら実行したいわけではないが、1つ「ツーリズム」に関して「こんなのができたらなぁ」と思っているのは、旅行客に伝統工芸品をちょっとだけ製作体験してもらって、あとは受入側で完成させて旅行客の指定配送先まで送り届けるというサービス。例えば、織物なんて、織機は触らせてくれるけど全部織り上げるのには時間もかかるから、短期間の旅行者には自分が多少でも織ったものを持ち帰るということは難しく、単なる体験のみで終わってしまっている。エゼだって、辛い食べ物が苦手な人へのお土産にはしづらいから、辛さのレベルを落とすようなカスタマイズのサービスがあれば、もうちょっとお土産にはしやすくなると思う。そういう、利用者の利便性にも配慮して、システム全体を構築するようなアイデアがあるといいのではないだろうか。

それと、起業がそんなに簡単なものではないという覚悟も必要。勇気を出してアイデアをピッチした56人の参加者には敬意を表しつつも、起業にはさまざまな試行錯誤が付きものだから、初期にうまくいかなかったからといって簡単に投げ出さないようにお願いします。僕なら皆さんにジェームズ・ワット著『ビジネス・フォー・パンクス』の原書をプレゼントします。他人の受け売りですが。

Business for Punks: Break All the Rules – the BrewDog Way

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