グローバル企業家週間2017 [ブータン]
ブータン企業家表彰受賞者が発表される
Winners of Bhutan Enterprise Awards announced
BBS、2017年11月19日、Sonam Choden記者
http://www.bbs.bt/news/?p=84773
【ポイント】
11月13日から1週間にわたって行われたグローバル企業家週間の最終日となった17日、小規模零細企業の社会経済開発への貢献を認め、ブータン企業家大賞の表彰が行われた。受賞者は、従業員数と雇用の男女比率等に基づいて選定された。
トランセンド・アーティザン（Transcend Artisan）のオーナーであるナムカル・デゲル・ゲルセンさんは、零細企業家部門で大賞を受賞、ゴンプーコーラ水処理施設を立ち上げたイシ・ジャツォさんは最優秀農村企業家に選ばれ、女性企業家部門では、衣類ブランドCDKの創始者であるチャンドリカ・タマンさんが選ばれた。そして最優秀小規模企業家賞は、グリーンロード（Green Road）の創始者であるリケシュ・グルンさんに授与された。各受賞者は、現金を授与された。経済省は2013年にブータン企業家賞を制定した。
このイベントでは、ローデン財団も4つの賞と証明書を授与した。ペマ・シンゲさんは最優秀学生企業家に選ばれた。最優秀国内メンター、国際メンター賞は、それぞれペマ・ワンチュク氏とウィリアム・タコン氏に贈られた。最優秀ローデン企業家賞は、キンレイ・デマ氏に授与された。表彰者には賞金も授与された。
ローデン財団はまた、事業を開始するために低利無担保の無償融資を受ける12人の優秀企業家も発表した。こうした取組みは、自営業に対する意識を高め、社会における企業家精神の役割への認識を深めることを目的としている。
グローバル企業家週間（GEW）の話は、昨年もブログでご紹介した。１点訂正したいのは、昨年はこのイベント、「グローバル」という名前が付いているので世界中で祝っていて、ブータンでこのイベントが行われたのはその一環だと書いたが、どうやら「グローバル」という名前を付けていても、やってるのはブータン国内だけでのイベントだったらしい。
http://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
去年はそもそもこの時期に一時帰国をしていたので、僕は当地の雰囲気を直接体験していない。でも、昨年の場合はクエンセルが相当重点的にカバーしていて、ちょうど今年がGNH国際会議から連日記事を持ってくるようなことが、去年のGEWでは行われていた。それと比べると今年のメディアカバレッジは控えめで、今日に至るまで、クエンセルはGEWについて一切報じていない。どうなってるんだろうか？
今年は開会式から閉会式まで追っかけのようなことをやったので、昨年のメディアカバレッジ以上にイベントの全体像をつかむことはできた。企業家の卵に対する一連の研修プログラムに、毎晩パネル討論会のようなものが付加され、最後はローデン財団と経済省小規模零細企業局（DCSI）が、その年の秀逸だった企業家を表彰するという建付けになっている。多くの参加者は自分で起業したことのない若者で、1週間これに参加して、終了証をもらうのが目的だと考えられる。
もう１つ興味深いのは、前週のGNH国際会議の議論がGEWではほとんど引き継がれていないことだ。どちらのイベントにもローデン財団は関わっていたようだが、前週と今週との違いはいったいどういうことなのだろうか。また、「グローバル」と銘打っている割に、時計塔広場に出店していた企業は食品加工や木材加工、織物・染物、手工芸品といった、いかにもブータンっぽいものばかりで、これを「グローバル」と名の付くイベントで出店するという感覚がよく理解できない。
前回のGNH国際会議の記事でも述べたが、この国で若者の就業機会を地方で作ろうとした場合、そのヒントは日本のコミュニティ・ビジネスにあると思っている。でも、このコンセプト自体ブータンでは未だ理解されておらず、当然そういう視点から実施されたプログラムはGEWの中でもなかった。「グローバル」と銘打って志を高くしすぎるよりも「ローカル」と銘打って地に足のついたイベントに仕立てるべきなんじゃないのかなと思う。
まあ、それはともかくとして、DCSIから最優秀小規模企業家賞を授与されたリケシュ・グルンさんは僕の知り合いなので、受賞したことについては素直におめでとうと言いたい。廃棄プラスチックを道路舗装用アスファルトに混入させて再利用するとか、斬新なアイデアで事業に取り組んでいる。彼が受賞したこと１つをとってみても、選考自体はちゃんとなされているようには思える。
Winners of Bhutan Enterprise Awards announced
BBS、2017年11月19日、Sonam Choden記者
http://www.bbs.bt/news/?p=84773
【ポイント】
11月13日から1週間にわたって行われたグローバル企業家週間の最終日となった17日、小規模零細企業の社会経済開発への貢献を認め、ブータン企業家大賞の表彰が行われた。受賞者は、従業員数と雇用の男女比率等に基づいて選定された。
トランセンド・アーティザン（Transcend Artisan）のオーナーであるナムカル・デゲル・ゲルセンさんは、零細企業家部門で大賞を受賞、ゴンプーコーラ水処理施設を立ち上げたイシ・ジャツォさんは最優秀農村企業家に選ばれ、女性企業家部門では、衣類ブランドCDKの創始者であるチャンドリカ・タマンさんが選ばれた。そして最優秀小規模企業家賞は、グリーンロード（Green Road）の創始者であるリケシュ・グルンさんに授与された。各受賞者は、現金を授与された。経済省は2013年にブータン企業家賞を制定した。
このイベントでは、ローデン財団も4つの賞と証明書を授与した。ペマ・シンゲさんは最優秀学生企業家に選ばれた。最優秀国内メンター、国際メンター賞は、それぞれペマ・ワンチュク氏とウィリアム・タコン氏に贈られた。最優秀ローデン企業家賞は、キンレイ・デマ氏に授与された。表彰者には賞金も授与された。
ローデン財団はまた、事業を開始するために低利無担保の無償融資を受ける12人の優秀企業家も発表した。こうした取組みは、自営業に対する意識を高め、社会における企業家精神の役割への認識を深めることを目的としている。
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グローバル企業家週間（GEW）の話は、昨年もブログでご紹介した。１点訂正したいのは、昨年はこのイベント、「グローバル」という名前が付いているので世界中で祝っていて、ブータンでこのイベントが行われたのはその一環だと書いたが、どうやら「グローバル」という名前を付けていても、やってるのはブータン国内だけでのイベントだったらしい。
http://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
去年はそもそもこの時期に一時帰国をしていたので、僕は当地の雰囲気を直接体験していない。でも、昨年の場合はクエンセルが相当重点的にカバーしていて、ちょうど今年がGNH国際会議から連日記事を持ってくるようなことが、去年のGEWでは行われていた。それと比べると今年のメディアカバレッジは控えめで、今日に至るまで、クエンセルはGEWについて一切報じていない。どうなってるんだろうか？
今年は開会式から閉会式まで追っかけのようなことをやったので、昨年のメディアカバレッジ以上にイベントの全体像をつかむことはできた。企業家の卵に対する一連の研修プログラムに、毎晩パネル討論会のようなものが付加され、最後はローデン財団と経済省小規模零細企業局（DCSI）が、その年の秀逸だった企業家を表彰するという建付けになっている。多くの参加者は自分で起業したことのない若者で、1週間これに参加して、終了証をもらうのが目的だと考えられる。
もう１つ興味深いのは、前週のGNH国際会議の議論がGEWではほとんど引き継がれていないことだ。どちらのイベントにもローデン財団は関わっていたようだが、前週と今週との違いはいったいどういうことなのだろうか。また、「グローバル」と銘打っている割に、時計塔広場に出店していた企業は食品加工や木材加工、織物・染物、手工芸品といった、いかにもブータンっぽいものばかりで、これを「グローバル」と名の付くイベントで出店するという感覚がよく理解できない。
前回のGNH国際会議の記事でも述べたが、この国で若者の就業機会を地方で作ろうとした場合、そのヒントは日本のコミュニティ・ビジネスにあると思っている。でも、このコンセプト自体ブータンでは未だ理解されておらず、当然そういう視点から実施されたプログラムはGEWの中でもなかった。「グローバル」と銘打って志を高くしすぎるよりも「ローカル」と銘打って地に足のついたイベントに仕立てるべきなんじゃないのかなと思う。
まあ、それはともかくとして、DCSIから最優秀小規模企業家賞を授与されたリケシュ・グルンさんは僕の知り合いなので、受賞したことについては素直におめでとうと言いたい。廃棄プラスチックを道路舗装用アスファルトに混入させて再利用するとか、斬新なアイデアで事業に取り組んでいる。彼が受賞したこと１つをとってみても、選考自体はちゃんとなされているようには思える。
タグ：企業家
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