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再読『七帝柔道記』 [読書日記]

この前の記事で宣言した通り、ブログに充てていた時間を論文執筆に充てたので、2週間以上まったく更新せず、大変失礼しました。再開の狼煙はブータンの記事解説にしたかったのですが、正直言うとこの2週間、あまり新聞もちゃんと読んでなくて、それなのに開き直って言いますが、面白そうな記事もなかった。ハイランドフェスティバルの話は昨年も取り上げたし、もう少し過去記事のザッピングをして、面白そうなのがあればまた紹介したいと思います。

七帝柔道記 (角川文庫)

七帝柔道記 (角川文庫)

  • 作者: 増田 俊也
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/02/25
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大の七校で年に一度戦われる七帝戦。北海道大学に二浪の末入った増田俊也は、柔道部に入部して七帝戦での優勝を目指す。一般学生が大学生活を満喫するなか『練習量がすべてを決定する』と信じ、仲間と地獄のような極限の練習に耐える日々。本当の「強さ」とは何か。若者たちは北の大地に汗と血を沁みこませ、悩み、苦しみ、泣きながら成長していく。圧巻の自伝的青春小説。

今月末締切だった英語の論文を書き上げ、爽快感とともに気晴らしの1冊が必要だと思い、読んだ本がこれだった。論文を書いている間も、時々息抜きでトイレにこもったりする時、キンドルを持ち込んで便器に座り、読んでいたのが『ビッグコミックオリジナル増刊』のバックナンバーだった。隔月刊の同誌の中で、僕がお気に入りでこれがずっと購読し続ける動機となっているのが、女性漫画家一丸さんの描かれている『七帝柔道記』である。

増田俊也の原作は2013年3月の発刊から半年ぐらいして、同じ年の12月に読んでいる。当時の感想はブログでも書いたので、それを参考にしてもらうとして、これを読んだ後、2015年7月から職場でお仕事ご一緒した方が北大柔道部ご出身だというので、この本の話題で非常に盛り上がったことがあるのを懐かしく思い出す。著者の時代よりも10年ぐらい前の先輩だそうで、でも本書に登場する多くの部員をご存知だと仰っていた。

一丸さんの漫画版を読みながら、はて原作ってこんなイメージだったっけ?と思うことが時々あった。そのたびに、もう一度原作読み直してみたいと思っていたのだが、締切を2日以上前倒しにして、論文をほぼ書き上げたこともあり、それじゃあというので文庫版をダウンロードしてキンドルで読んでみることにした。驚いたことに、相当原作に忠実な漫画となっていたのがわかった。

[まとめ買い] 七帝柔道記 (コミック版)

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  • 出版社/メーカー:
  • メディア: Kindle版

改めて原作を読み直してみて、この本の主人公って、増田や竜澤といった1986年入学組なのではなく、彼らが入学し年の「3年目」(三回生)にいた和泉唯信なのではないかという気がした。原作は著者の代がひと冬の激しい稽古に耐え、2年目を迎えた6月の七帝戦で終わっている。結果をご存知の方は多いと思うが、この年も北大の七帝戦最下位脱出はならず、東北大に惜敗して話が終わっている。北大が念願の最下位脱出を果たすのは竜澤主将、増田副主将で臨んだ1989年の七帝戦で、さらに北大が久々の七帝戦優勝を果たすのは、そのさらに3年後、その後プロシューター(格闘家)に転身した中井祐樹が四年目で副主将を務めた代まで待たねばならない。

とすると、著者が2年目の七帝戦敗退で話を区切ったのは、ここまでは和泉主将の下での猛稽古が中心的に描かれているからだとしか思えない。増田が北大入学して最初に会った柔道部員がそもそも和泉だったのだから、この原作のテーマは「和泉唯信と過ごした柔道部での1年余」ということになる。言葉足らずで終わっている和泉の課す猛稽古の真意は、『VTJ前夜の中井祐樹』収録の増田と和泉の対談録の中で語られている。

一丸さんの漫画版を読んでいて、もう1人気になった人物がいる。増田を上回る三浪をして北大に入ってきた同期の沢田征次のことである。結局同期とも先輩とも馴染むことなく、孤高の求道者として佇む沢田の描かれ方はすごく印象に残るのだが、結局彼がどうなったのかは漫画版ではあまり想像もできず、それで原作を読んでみたけどやっぱりよくわからなかった。おそらく柔道部はこの後辞めていくのだろうなと思ったが、大学も辞めていったとは知らなかった。しかも、殆どの登場人物が実名なのに比して、沢田だけは仮名である。(あ、女子マネージャーの久保田玲子も仮名らしいが。)

まあ、そんなこんなの発見があった再読でした。


ところで――――。
冒頭書いた通り、取りあえずは10月末締切だった論文は書き切って、まさに31日に提出したのだが、一難去ってまた一難、元々11月16日締切でA4で3ページ以内と大したことないと思っていた次の原稿執筆が、それはそれでありかもしれないが、本来やるべきなのは11月30日締切で英文最低5000ワードだと今日知った。先月末に出し終わった論文と同じ分量の論文を、再びあと1カ月の猶予のうちに書かねばならない。しかも英語だ。やるしかないだろうなぁ。

ここで和泉唯信主将が語ったこの言葉が心に響く―――。
「何かを発表するにも三つ四つ、常に準備しておかなきゃダメだ」と。急に「今度、発表をしないか」って言われることがある。ところが、ほとんどの人は準備しておらんし、準備しとっても一個か二個じゃ。まさか自分が出るとは思わんかった、そういう気持ちの人間はきっちり負けるんじゃ。
そういうことです。だから、実は準備してたネタがある。本来は11月末締切で自分の所属している大学の研究紀要に書こうと思っていたネタを、英文で先に書き上げるだけのことだと割り切り、挑戦してみたいと思っている。

本書を読んで、いい気合をもらったと思う。

タグ:増田俊也
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