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あちらもカレッジ、こちらもカレッジ [ブータン]

首相、ゲルポシンで情報通信技術カレッジの落成を祝う
PM inaugurates the College of Information Technology in Gyalpoizhing
Kuensel、2017年10月9日、Tashi Phuntsho記者(モンガル)
http://www.kuenselonline.com/pm-inaugurates-the-college-of-information-technology-in-gyalpoizhing/

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首相、ヨンフラでカレッジと空港の落成を祝う
PM inaugurates Yonphula Centenary College and airport
Kuensel、2017年10月9日、Younten Tshedup記者(タシガン)
http://www.kuenselonline.com/pm-inaugurates-yonphula-centenary-college-and-airport/

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9月は国連総会出席で大忙しだったトブゲイ首相が、今週は地方にお出かけになられている。上の記事で紹介された新カレッジでは、いずれも既に7月開講して8月から新学期がスタートしているので、落成式を祝うだけの話ではあるが、噂に訊いていたゲルポシンの情報通信カレッジとヨンフラの外語カレッジが、これで本格的に稼働ということになる。ゲルポシンについては、プンツォリンの科学技術カレッジの情報通信学部の教員が移ってきて授業を開始している。ヨンフラは近隣のシュワブツェ・カレッジとの兼務ということで、主には現職教員の英語の訓練を実施すると聞いている。

確か、今年1月の全国教育会議で、学校教員の英語力が問題視されて、全員に英語の現職研修受講を義務付けるということが決議されていたと記憶している。その一翼を担うのがヨンフラ・センテナリ―カレッジということなのだろう。僕の印象として学校の教員がそんなに英語がダメとは思わない。むしろ僕なんかよりもよっぽど話せると思うのだが、すごく威勢のいい発言をするブータン人が、こと確報になると途端に筆が進まなくなるというのは良く見かける。あれだけしゃべれるのだから書けるだろうと思うとそうでもないらしい。書いて文章を残さないと、きちんと評価されないと思うのですけどね。

傍目に見ても相当な勢いでカレッジの数だけ増やしているようだが、教員数はそんなに簡単に増やせないでしょうという気もする。昔同様に一時期にカレッジの数を急激に増やしたことがあり、その時も学部生で成績が良さそうな者を卒業後すぐに教員に採用するという対応が取られた。ただでも仕事の現場との接点が乏しい大学で、中で純正栽培された学生がそのまま教員になるのだから、ますます仕事との現場との接点が遠ざかっていく。そういう学部の卒業生の中から、優秀な者が公務員になっていく。そこで即戦力として期待されるというのだから、新卒採用者もたまらないだろう。

最近、僕はいろいろなところで、現職研修だけではその国の問題解決能力の向上にはつながらないのではないかと口にするようになってきた。就業前研修でもっと能力を高める、規律や躾をもっと早くから身に付けさせないと、社会人になってから行動や意識を変革しようとしても遅いと思う。本当に変えたいと思うなら、若いうちからすり込まないといけない。そのためには、現有の教員数では足りない部分を、外部講師を招いて特別講座の開講で補うような工夫も必要だと思う。現場を知らない教員も、現場を知る外部講師との切磋琢磨でレベルが上がり、大学教育は良くなっていくだろう。

僕は通信制ながら日本の某大学の大学院で非常勤講師を務めている。以前王立ブータン大学(RUB)の年次報告書を読んだことがあるが、RUB傘下の国内のカレッジの教員のうち、修士を持っているのは約半数、残りは学士までで、博士号を有しているのはもっと少ないという実態を知ることができた。それなら、修士を持っている僕は十分こちらの大学で教える資格があるように思うのですが(笑)。以前、ロベサの自然資源カレッジの「持続可能な開発」プログラムのアカデミックアドバイザーにそんな話をしたが、全然声がかからない…。

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人類学博士課程、2019年よりスタート
PhD programme in Anthropology planned for 2019
Kuensel、2017年10月12日、Yangchen C Rinzin記者
http://www.kuenselonline.com/phd-programme-in-anthropology-planned-for-2019/

ついでにもう1つ。タクツェ(トンサ)にある言語文化カレッジにて、人類学の博士課程を開設予定との報道もあったので付記しておく。人類学を学ぶなら確かにここだという気もするが、そもそもここって人類学の修士課程を持っていたのだろうか? いや、それ以前にここの大学に人類学の学部自体が存在していたのかどうかが疑問だが。

今の仕事をしながら、次の自分のキャリアを考えた時に、博士号を持っていないのが制約だなと感じることが度々ある。一度は目指したものの、子供の教育にもカネがかかるようになり、自分へのこれ以上の投資は諦めたという経緯がある。外国人がここの博士課程に在籍するにはどれくらいの費用がかかるのかはわかりませんが、再挑戦の足がかりとして、ちょっと調べてみますかね~。

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