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『…なんでそんな、ばかなこと聞くの?』 [読書日記]

Book002.jpg鈴木大輔著
『…なんでそんな、ばかなこと聞くの?』
角川文庫、2017年9月23日
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内容(「BOOK」データベースより)
郡上おどりで賑わう、生と死が入り交じる町・郡上八幡。高校生、藤沢大和はある日その町で――死んだ。なぜ死んだのかも忘れたまま存在し続ける大和。そして、とある秘密を抱えながらも大和を生き返らせようとする、幼馴染みの少女・青山凛虎。不器用なふたりのひと夏の運命がいま―始まる。恋愛小説の名手が紡ぐ、傑作青春ストーリー。

―――それにしても、直ったかと思ったらまたおかしくなったブログのAmazon商品紹介機能。

まあ、それはさておき、またまた岐阜県が舞台のライトノベルだということで、日本を発つ直前に書店で購入して機中のお供にした。といっても帰りのフライトの中ではほとんど寝ていたので全然読み進めることができず、この週末を利用してようやく読了したところ。

高校生の娘がいるようなオジサンが高校生が主人公のラノベを読んでそれに感想を述べるのは気恥ずかしいので、ストーリーについては云々しないことにする。いずれ多くの若い読者がこの作品を読んで、もし気に入ればアニメ化されて、そしてゆくゆくは『君の名は』みたいに聖地巡礼の目的地になっていけば嬉しいかも。小説の舞台は岐阜の夏の風物詩、郡上踊りだし、そこそこ風景描写も出てくる。郡上城は勿論だが、主人公の藤沢大和クンが親友・長瀬クンと食事している定食屋が少なくとも3軒、実名で出てくる。これで遠方のお客さんも地元にお金を落としていってくれるかもしれない。

作者は素性をあまり明かしていないので、岐阜県ご出身の方かどうかはわからない。さすがにこの作品を描くのに現地での取材はしているのだろうと思う。これまでの作品を見渡してみると、タイトルのつけ方はなんか自分にはピンと来ない。作者本意で今後もその作品を読み続けるのかどうかはわからない。むしろ、舞台が岐阜県内であれば、作者が誰であってもその作品は推すと思う。

こういう作品を読みながら思うのは、小説の舞台として地方を用いることで、「聖地巡礼」目的の外からの来訪者を呼び寄せることまで考えてしまう、日本の地域おこしのしたたかさ、根性、創造性の凄さである。これくらい頭をひねって、いろいろな人を巻き込んで、多くの人にその地域の良さを知ってもらう。著者がこの作品を描こうと思った経緯はわからないけれど、映画や小説が、うまく活用されれば多くの人がその地を訪れるきっかけを与えてくれる可能性があるということを、本作品を読みながら改めて思った。

日本の地域おこしって、それくらい考えられているのですよーーー。

先週末、彼岸の里帰りで岐阜・大垣まで出かけたが、『聲の形』で味をしめたか、大垣市の市政ポスターで大今良時のイラストが使われていた。僕がこの写真を撮ったのは大垣駅北口なんですけどね(苦笑)。『聲の形』の聖地はほとんどが大垣駅南口以南にあります。それはともかくとして、一発作品を当てれば、しばらくの間は巡礼者を呼び込める好例だと思う。

2017-9-24 OgakiStn.jpg

『君の名は』以来、岐阜はこういう聖地が増え、巡礼客が増えているようだ。本日ご紹介のこの作品も、同じ道を歩んでいってくれたら嬉しいかな。岐阜県出身者としてはつとにそれを願う。

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