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日本の見られ方 [ブータン]

超長寿化は人生の3ステージを変える
Increasing longevity means 3-stage life plan will change
Kuensel、2017年9月14日、The Japan News/ANN
http://the-japan-news.com/news/article/0003938195

【ポイント】
安倍政権の看板政策「人づくり革命」を検討する「人生100年時代構想会議」の有識者議員、英ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授が本邦メディアのインタビューに応じ、今後は伝統的な「教育」「仕事」「引退」という人生の3ステージが、年齢に関係なく自由に選ぶ複線型の生き方になっていくと指摘した。1つの職場に長く務めて引退を迎えるのではなく、常に技能のブラッシュアップに努めて長く働き続けられるようにすること、家庭内での役割分担を見直し、単一収入源に依存しない生計策を構築することが必要で、そのためには、新しい技能や知識を習得する「学び直し」の機会を創出すること、海外より遅れている女性の社会進出を促すことなどが必要だと述べた。

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地域活性化で農村・都市人口移動を食い止める
Countering rural urban migration through regional revitalisation
Kuensel、2017年9月19日、Krishna Subba(JICAブータン事務所)
http://www.kuenselonline.com/countering-rural-urban-migration-through-regional-revitalisation/

【ポイント】
離島隠岐の島の海士町を訪ねてみて、日本の農村には、人口減少、公共交通機関、経済活動、雇用機会等の点で、ブータンの農村にも通じる幾つかの課題があることがわかった。2000年代初頭、市町村合併が進む中、海士町は合併の荒波に立ち向かうことを自ら選択し、島内の住民がそこに留まり、逆に島外の人々もそこに住みたくなる地域を作るため、様々な取組みに着手した。その取組みは、地域を守るだけでなく、地域のブランド化や学校の魅力度アップといった、「攻め」の取組みも含まれる。こうした努力が実を結び、人口流出から流入に逆転、この10年で10%以上の人口増加を得た。海士町の強さの鍵はコミュニティにある。地域の人々はこれに依り、自主的な取組みに打って出ることができる。このような取組みは海士町だけに限らず日本国内そこら中にある。翻ってブータンはどうだろうか。

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最初に誤っておかないといけないのは、この記事を書く際、誤って直前の記事「踊らないなら訴えてやる」(9月14日付)に上書きをしてしまいました。この記事の舞台となっていたルンツィ県に思い入れのあるブログ読者の方もいらっしゃったと聞いたので、消してしまったことについては深くお詫び申し上げたいと思います。

その上で本日の記事。

よほどネタがないのか、クエンセルはアジア・ニュース・ネットワーク(ANN)という、アジア全体をカバーするオンラインニュースネットワークと契約して、そこから配信されるニュースを紙面で掲載するケースが多い。主にはインドやネパール、バングラデシュといった南アジア域内の国々のニュースが多いのだが、時としてシンガポールや日本の報道が紙面を躍らせることがある。仮にも全国紙なわけだから、多くの読者がこの新聞には目を通している。ここで仕事をしていると、そういう記事に目を通していた人々と会話をするわけで、日本のことに関心持ってくれている人々との話のネタとして、こういう記事を読んでおく必要性は感じる。

クエンセルのHPでは、こういう記事は掲載されていない。また、ANNは配信記事の選択にもそれなりの基準があるようなので、日本からの報道で何がアジアの読者に響くかを考え、記事を選んでいる。その意味で、日本がアジアからどう見られているのかを知る意味でANNの記事の選択は参考になるし、さらにあまたあるANNの配信記事の中から、わざわざクエンセルがこの記事を選んだという点には意味があるように思える。

もう1つの記事は、JICA事務所のブータン人スタッフの投稿である。クエンセルはよほどネタがないのか、投稿さえすれば意外とすんなり掲載してくれる。今年5月、内務文化省や公共事業省、経済省、国家環境委員会(NEC)等の次官級を含む10数名のブータン政府高官が参加した研修プログラムに同行し、島根県海士町を視察した際に感じたことをレポートにまとめたものだ。

「海士町」の話はブータンの政府関係者からは「あそこはスゴイ」と言ってよく聞かされる。どこがどうスゴイのか、口頭では語って下さるのだが、口頭だけだとなんだかご本人だけの記憶の中に留まってしまい、他の人からは、「そんなにスゴイんなら自分も行って見て来たい」というリクエストにつながりかねない。こんな研修がいつまでも続けられるわけがないので、誰かが「海士町の秘密」を文章にまとめ、「これを読め」と突き放せることも必要だと思う。でも、JICAも含め、この手の英文コンテンツを作ることは日本人は総じて苦手だ。

実は海士町の経験は、2014年に出た『実践ソーシャルイノベーション』という本の中で1章取り上げられている。既に日本語ではコンテンツがあるわけだから、それを英訳するだけでもいいんじゃないかと思うのだけれど、今日に至るまで、そうした取り組みは行われていない。

そうしたもろもろの意味からも、海士町のレポートがJICAの現地人スタッフの手によって英語で新聞に掲載されたことは大きいと思う。

確かに日本の地方の地域おこしの実践事例は、都市部で行われる技術研修なんかよりもブータンの地方の置かれた状況を考える上での示唆が相当にあるように思う。ブータンの読者に響くレポートになるに違いない。

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