『自分の休ませ方』 [読書日記]
内容紹介
仕事に、家事に、子育てに…いつも追われるように忙しく過ごしている人こそ、「自分を休ませる」ことが必要です。それは階段の踊り場のようなもので、いったん立ち止まり、自分を見つめなおすということ。心と体をリセットし、新しい発想、そして前にすすむ力がわいてくる、「禅的休養」のすすめ。
以前、本書をおススメと言っておられた書評ブログの記事を読んで、いずれ読んでみようと思っていたのだが、最近になってようやくキンドル版が登場したので、ダウンロードしてみた。
著者は禅宗の修行僧ということなので、宗派は違うけれど、日本にいれば必ず行っていた年末年始の里帰りの中で、元日朝に実家の近所の寺にお参りに出かけ、そこでご住職から毎回聞かされる説教と同じ匂いを感じた。強いて言うならご住職の場合は浄土真宗だというのもあるのだろうか、国際問題や社会問題等、大きなところから批判的に入り、その後自分たち一人一人はどうあるべきかというところで、信仰の話に入っていかれるケースが多かったように思う。一方で本書の著者の場合はもっと静けさを感じさせられる。自分の心の持ちようというところにフォーカスを絞っているからだと思える。
ちょっと前にマインドフルネスについてかじった時に、目を閉じて呼吸と取り込んだ酸素の体内末端への流れを意識すると、マルチタスクで疲れた脳を1つのタスクに集中させることで、疲れが取れて思考がクリアになるというようなことを悟った。ちょっと疲れたなと思ったらすぐに目を閉じて、視覚から入って来る雑念をシャットアウトするような工夫はしているけれど、これを仏教的に説明したら、この著者の解説のような形になるのだろう。
その意味では、何か新しいものを得られた本では必ずしもない。疲れを取って自分のパフォーマンスを落とさないようにするために自分がやってきたことを再確認できたという点で、ホッとさせられる読み物だった。
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