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ゴラクプールの怪奇熱病2 [インド]

1週間ぶりにブログをアップしようと思ってここ10日間ほどの新聞記事をザッピングしてみたけれど、ブータン絡みではあまりピンと来るものがなかったので、ちょっと別の報道を取り上げてみたいと思う。

インド 入院中の子ども30人が突然死 州政府が調査
NHK News Web、8月12日 6時23分
インド北部の病院に日本脳炎の治療のために入院していた子ども30人が突然死亡し、州政府が原因の調査に乗り出しました。
インド北部ウッタルプラデシュ州の政府によりますと、ゴラクプールにある公立病院で、10日から11日にかけて、入院中の5歳から12歳ほどの子ども30人が相次いで死亡しました。
この子どもたちは、蚊によって媒介される日本脳炎の治療のために入院していましたが、突然、死亡したということで、州政府が原因の調査に乗り出しました。
州政府によりますと、患者の酸素吸入器に使われる液化酸素の供給が、業者への支払いが遅れたため止められていたという関係者の証言がある一方、それを否定する医師もいるということです。
州政府から病院に派遣された調査チームは、関係者から話を聞くなどして当時の状況を詳しく調べるとともに、病院の対応に問題がなかったかについても調査しています。

NHKですら報じている話であるが(他の日本のメディアは報じていないけど)、この11日時点での報道よりも事態は悪化していて、13日のインドの報道では、犠牲者の数は79人にも達している。インドの報道は「大量殺戮(Massacre)」という言葉すら飛び出している。

これだけ読んだらババ・ラーガヴ・ダス医科大学(BRDMC)による医療事故のように見えてしまうのだが、考えてみると、なんでこんなに多くの子どもが日本脳炎の治療のために入院しているのかというそもそものところの疑問にも行きつく。

実は、「ゴラクプール」と聞いた瞬間、2011年に書いた「ゴラクプールの怪奇熱病」という記事のことを思い出した。この地域では毎年起きている風土病のようなものらしく、日本脳炎なのかエンテロウィルスによる症状なのかが判別しにくいことも治療を難しくしているようで、今回の事態を聞いて、6年前と比べてもあまり状況が変わっていないのだなというのにはちょっとガッカリさせられる。

確かに直接の原因は液化酸素の供給が止まっていたことにあるのかもしれない。毎年モンスーン期には発生している状況なのに、酸素供給に支障をきたすような状況を作ってしまったのは病院の落ち度かもしれない。でも、なぜ毎年この地域に熱病が発生するのか、予防措置は打てなかったのか、というところも冷静に見て欲しい。こういう状況が毎年起きていては、北インドの出生率は下げられないだろう。

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