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眞子様の余韻に浸る時もなく [ブータン]

6月1日からの1週間は、秋篠宮眞子様のブータン御訪問で沸いた当地であった。ニューデリーの日本大使館の方々や、東京の宮内庁、外務省などから大勢の関係者の方々が当地を訪れ、直前に出たご婚約の報道等もあって、日本から大勢のメディア関係者の方々も大挙して押し寄せた。その間、眞子様のご日程については日本でもさんざん報じられてきたので、ここで改めてご紹介する必要もないだろう。

眞子様は7日早朝のフライトでブータンを発たれた。既に4日午後にはティンプーからパロにご移動されていたので、ティンプーに住んでいる僕らは4日午後からちょっと気が抜けた状態だった。でも、翌5日からは普通に仕事。日本の皇室関係者の御訪問もあって、ブータン側でも後回しにしていた行事が幾つかあったのだろう、今週はいろいろな行事があった。

日本のマスコミは眞子様を追いかけてブータンから既に姿を消してしまったので、これからのこのブログでは、眞子様のブータン御訪問と、ニューデリーの日本大使館が2日から5日までという日程で主催した「日本週間(Japan Week)」の喧騒が終わった後のブータン、というところに注目して、幾つかの報道をご紹介していこうと思っている。


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タイ・ブータン関係深化に向けたプログラム
Programmes being planned for Thailand-Bhutan relations
Kuensel、2017年6月6日、Dechen Tshomo記者
http://www.kuenselonline.com/programmes-being-planned-for-thailand-bhutan-relations/

【報道内容】
2つの王国の友好・親善関係を祝うため、6月9日から11日まで、初めての「ブータン・タイ・フェスティバル」がティンプーの青年育成基金(YDF)多目的ホールで開催される。タイ観光庁(TAT)のユタサック・スパッソーン総裁が7日から11日まで、このフェスティバル出席のためブータンを訪問予定。

フェスティバルでは、二国間の開発協力分野の展示や、文化パフォーマンス、タイ料理紹介、両国のシルク製品や農業加工品の紹介、さらにはタイ式ボクシングのパフォーマンス等も予定されている。イベントは9日午後から一般公開される。

TAT総裁の滞在中、ブータン観光評議会(TCB)との覚書の調印も行われる。「2つの王国、1つの目的地」と銘打った両国間の交流促進に関するものである。TCBのスポークスマン、ダムチョ・リンズィン氏によれば、この覚書に基づき、多くの活動が行われる予定だという。合同でのビジネス機会の追求や、両国の観光地を巡るツアープランの開発、コミュニティ主体の観光促進等が進められるという。

ブータンを訪れたタイ人旅行客は2014年が最大で、年間12,105人が訪れた。この年は両国の国交樹立25周年にあたる。しかし、翌2015年には3,778人に激減、69%もの落ち込みであった。2012年の旅行客数は3,617人、2013年は3,527人で、2016年版のブータン観光モニターによると、南アジア地域内の旅行客を除く世界各国からの旅行客の中で、タイは2015年には第3位を占めていたが、2016年には4位に後退した。

2016年にブータンを訪れたタイ人旅行客の52.7%は女性で、年齢層的には36歳から45歳までが全体の24.4%を占めていた。これに、46歳から55歳までの年齢層が20.9%で続いている。ブータンを初めて訪れたというタイ人旅行客は全体の95%以上を占めた。

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この記事では触れていないけれど、タイのタナサック・パティマプラゴーン副首相他、関係省庁の副大臣クラスがブータン入りし、8日にはトブゲイ首相と対談している。ブータンは眞子様御訪問直前にモンスーン入りが発表されており、時計塔広場のようなオープンスペースでのイベント開催は夕立に祟られるリスクがそれなりに付きまとう。YDFの多目的ホールを使用するというのはなかなかの慧眼である。しかも、ここはステージの他に様々なストールが出展できる。さながら東京ビッグサイトのミニチュア版といったところだ。セキュリティ上の配慮もしやすい。

実は、4日から11日まで開催されている花博、メーン会場がティンプーのメモリアル・チョルテン周辺だとは聞いていたが、同時にYDFの近隣に昨年6月にオープンしたばかりのエコ・ガーデンも会場となるんだと農業省関係者は言っていた。その割に眞子様御一行がエコ・ガーデンをご訪問されたという報道は全然なくて、どうなっているんだろうかと思っていた。おそらくブータン政府は、花博会場をメモリアル・チョルテンとYDF・エコ・ガーデン周辺とで分け、9日から11日までのタイ・フェスティバルに合わせて、後者の周辺の整備を急ピッチで進めたに違いない。

エコ・ガーデンに隣接して、「OGOP(One Gewog One Product)ショップ」というのがある。要すれば「一村一品ショップ」だが、元々一村一品運動は日本の大分県が発祥の地だというのに、OGOPショップについてはタイが技術協力をしている。日本の一村一品運動に倣って、タイでもOTOP運動というのが行われた。その経験を以ってタイがブータンに協力しているのである。なんでこれに日本が関わっていないのかというと、これが両国王室の友好関係の中から生まれた協力であり、当地では一般的に「クイーンズ・プロジェクト」と呼ばれる王妃様のオフィスが仕切っていて、日本が入り込む余地がないからだと想像する。

従って、エコ・ガーデンとOGOPショップが近いYDF多目的ホールを合わせてタイ・フェスティバル会場とするのは、なかなか理に適っているのである。しかも、9日の開会式典には、ジェツン・ペマ王妃が主賓としてご出席されるという。

このあたりは必ず続報があると思うので、またご紹介してみたいと思う。僕も実際に行ってフェスティバルの様子を見て来たい。

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実はこの間、もう1つの外交行事が展開されている。去年は日本とブータンが国交を樹立して30周年という節目の年だったのだが、今年は韓国が国交30周年を迎える。正式には覚書調印した9月24日が30周年の節目の日らしいが、既に30周年記念行事は始まっている。

6月1日から8月末まで、昨年の日本の例に倣って韓国人旅行者に対する滞在費ディスカウントが適用される。眞子様御訪問の報道でかき消されてしまっているが、6月1日にはその第一陣がパロ空港に到着して、経済大臣からカダ(白いショール)を一人ひとり首にかけてもらっていたし、2日の時計塔広場でのJapan Week開会式典にも、明らかに韓国人観光客とおぼしき人々がいた。

7日から11日まで、ブータン大使を兼ねるバングラデシュ・ダッカのアン・ソンドゥ韓国大使がブータンを訪問中で、これまた昨日はトブゲイ首相と対談している。アン大使の今回の訪問目的は、韓国映画・韓国料理フェスティバルのホストだそうだが、タイのように事前にクエンセルの記事としてリリースしているのと違い、韓国の方は今のところどこでどのように開催されるのかがわからない。

と思っていたら、今日午後ティンプー市内北部のスーパー「マイマート」に買い物に行ったら、外に「韓国フィルムフェスティバル」のドデカイ看板が出ていた。9日から11日までの3日間で、なんと12本の韓国映画を上映するらしい。しかも、マイマートと同じビルに入っている「シティ・シネマ」だけじゃなく、街の中心部にある「ルガール・シアター」とか、その他2カ所ぐらい別の場所が会場になっている。

2017-6-9 Korea.jpg
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《あまり事前広報してないとはいえ、プログラムはダウンロードできた》

折角だからこの週末に最低1本ぐらいは見てから、改めて日韓の比較をしてみたいと思うが、こうした自国映画の上映会は韓国も日本もやっているけれど、韓国の方が本数揃えて持ってきているのが印象的だ。ただ、事前広報にあまり力を入れていないのは日韓共通で、客がどれくらい入るのかはわからない。

韓国の30周年記念行事もなかなか派手で、17日にはチャンリミタンスタジアムを使い、K-POPスター数組を呼んでコンサートを開くらしい。これも、できればご紹介してみたいが、あまりK-POPに興味がない身としては、スタジアムにまで足を運ぶかどうかは決めかねている。

また、30周年を機に、韓国は同国の国際協力実施機関であるKOICAのブータン事務所の開設と、初の韓国人ボランティアの年内派遣も計画中だと仄聞する。テコンドーあたりから始まるのかなという気がするが。

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今年のJapan Weekも終わったところで、来年もまた9月下旬といういつもの時期に戻るのではないかと思うが、タイや韓国のやり方を見ていると、日本も学ぶべきところは多いと思う。いずれの国も、当地に大使館がない状態であってもそこは工夫して準備から実施に向けて取り組まれているので、日本も負けないようにしないとねという気はする。

タグ:タイ 韓国
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