2016年のGOOD-BAD-UGLY [ご挨拶]
毎年大みそかに書いているこのテーマですが、今年は思うところがあって、ブログではあまり詳らかにしないことにしました。ブータンにまいりましてから、自分の英語の勉強と時事ネタへのキャッチアップを兼ねて地元紙の記事の紹介をこのブログの中心に据えましたが、固定読者がつくにつれて匿名性が多少危うくなってきた気がします。ブータン人同様、ブータン好きの日本人のコミュニティはそれなりに狭いですので。
ですので、ブータンでの出来事についてはここではあまり触れません。今年1年を振り返ってみると、大きな出来事はブータン絡みのもの以外にもいくつかあるので、それを中心にご紹介したいと思います。
1.剣道五段合格
前回四段合格から4年が経過し、五段受験の権利が発生した今年4月、ブータン赴任の1週間前の昇段審査で一発合格を果たせたのは、自分にとっては今年最大の嬉しい出来事でした。ブータンに来てから剣道の稽古の相手がおりませんので、自宅での素振り程度しかできていません。もし四段のままで赴任してきていたら、たとえ一時帰国のタイミングとかで受験したとしても、決して容易には合格できなかっただろうと思います。また、そうした目的のために一時帰国をしなくても良くなったので、自分の行動選択の自由度が多少増したと思います。1年前の今頃は、先生方からも「かなり危ない」と言われ、自分自身でも自分の剣道がよくわからなくなっていた時期でした。そこから3カ月ちょっとで立て直して合格できたのは、やはり先生方や稽古仲間の皆さまのお陰だったと思います。本当にありがとうございました。
2.英語論文の採用
これはブログでは一度もご紹介してなかったのですが、今年2月の英語で論文を書き、二度にわたり査読コメントにもとづく書き直しを強いられました。そのたびに何度もくじけそうになりました。特に、二度目の査読コメントは、「アカデミックな付加価値がない」との厳しいものでした。さんざん悩んだ挙句、10月のティンプー・ツェチュ(大祭)の期間中に4日間部屋にこもり、なんとか書き直しを済ませて再提出しました。この時はもうこれでダメと言われたら諦めようとすら思ったのですが、12月中旬になって「採用」との通知をいただきました。元々僕の専門でもないのに、「他にやれる人がいない」という理由でやらされた会議での発表内容に基づくもので、よくここまで来れたものだと思います。一方で、査読付きのジャーナルに2本論文を掲載するという大学院博士課程の縛りが相当に厳しいものであるというのを改めて痛感させられました。
3.日本語論文の採用
もう1つの嬉しい出来事は、こちらに来る前に所属していた部署で、25回にわたって続けてきた社員研修の講義の内容を、最後に文章化して、アカデミックな裏付けを付けて、日本語の論文に仕上げたことです。これは前の部署の仕事からようやく解放された4月になって、過労から2日ほど寝込んだ時に書き上げたもので、その後予期せぬ査読コメントへの対応もあったりして、最終的に採用されたのは8月1日のことでした。さらに嬉しかったのは、この論文を読んだ方から非常にポジティブなコメントをいただくことが二度あったことです。履歴書の論文目録に書ける実績を、今年だけで2つあげたというのは大きなことだと思います。
4.学会発表断念
逆に悲しかった出来事は、年明けから構想し、3月にプロポーザル提出した某学会の全国大会の場での発表が、ブータンで9月に行われた行事のために辞退を強いられたことです。6月に採用通知をいただき、8月末には発表要旨を提出し、帰国フライトや学会開催地までのパックツアーも予約し、パワポ資料もほぼ完成に近いところまで漕ぎつけていたのですが、一時帰国3日前になって断念。既にプログラムにも僕の名前が載っていたため、辞退したことで学会事務局と同じセッションでの発表者の方には、多大なご迷惑をおかけしました。それ以上に痛かったのは、フライトキャンセルや国内ツアーのキャンセルが直前だったために、ほとんど全額持ち出しになってしまったことです。それでいて、そうせざるを得なくなった直接的な原因を作った方々からは、詫びの一つもなく、非常に後味の悪い9月になってしまいました。
5.大人のオモチャ・3Dプリンター購入
理由は述べませんが、年末、自分へのご褒美として、3Dプリンターを購入してしまいました。800ドル弱。最初はアマゾンで注文しようと試みたのですが、アマゾンの機械送付はブータンをカバーしていないことが判明。しばらく諦めていたのが、知人から教えてもらい、アリババならブータン送付が可能ではないかということで、それで注文しました。なんと注文から1週間でデリバリーされました。今は組立を終えて、いよいよ操作方法の勉強を開始しようかという段階にまでは来ています。ブータン初の3Dプリンターであります。いろいろな人に見せびらかしたいと思います(笑)。
6.欠かさずつけた日記
僕が社員研修の場で常に申し上げていたのは、海外に行ったら日記を付けておいて欲しいということでした。人にやれと言っていたことを自分が海外に出てやらないわけにはいかないので、本当にこまめに日記は付けました。毎日1時間程度はこの作業に充てていたと思います。こちらに来る前から、僕の日課はたいてい22時就寝、早朝起床というパターンでしたが、こちらに来てからも4時起床を維持し、朝起きて最初に行ったのは目覚まし代わりの前日の日記でした。やってみて驚くのは、まだ前日のことだというのに、ある時間帯に自分が何をやっていたのか、思い出せないこともあるという現実です。人の記憶はあてにならないので、記録を残しておくことは常に重要だと思います。家族がこちらに短期滞在した期間と、僕自身が短期間の一時帰国をした期間を除いて、毎日欠かさずつけました。これが後々自分の財産となっていくことを信じています。
今年も1年大変にお世話になりました。
読者の皆様の新年のご多幸をお祈り申し上げます。
ですので、ブータンでの出来事についてはここではあまり触れません。今年1年を振り返ってみると、大きな出来事はブータン絡みのもの以外にもいくつかあるので、それを中心にご紹介したいと思います。
1.剣道五段合格
前回四段合格から4年が経過し、五段受験の権利が発生した今年4月、ブータン赴任の1週間前の昇段審査で一発合格を果たせたのは、自分にとっては今年最大の嬉しい出来事でした。ブータンに来てから剣道の稽古の相手がおりませんので、自宅での素振り程度しかできていません。もし四段のままで赴任してきていたら、たとえ一時帰国のタイミングとかで受験したとしても、決して容易には合格できなかっただろうと思います。また、そうした目的のために一時帰国をしなくても良くなったので、自分の行動選択の自由度が多少増したと思います。1年前の今頃は、先生方からも「かなり危ない」と言われ、自分自身でも自分の剣道がよくわからなくなっていた時期でした。そこから3カ月ちょっとで立て直して合格できたのは、やはり先生方や稽古仲間の皆さまのお陰だったと思います。本当にありがとうございました。
《審査会場の様子。よく受かったものだと改めて思う。》
2.英語論文の採用
これはブログでは一度もご紹介してなかったのですが、今年2月の英語で論文を書き、二度にわたり査読コメントにもとづく書き直しを強いられました。そのたびに何度もくじけそうになりました。特に、二度目の査読コメントは、「アカデミックな付加価値がない」との厳しいものでした。さんざん悩んだ挙句、10月のティンプー・ツェチュ(大祭)の期間中に4日間部屋にこもり、なんとか書き直しを済ませて再提出しました。この時はもうこれでダメと言われたら諦めようとすら思ったのですが、12月中旬になって「採用」との通知をいただきました。元々僕の専門でもないのに、「他にやれる人がいない」という理由でやらされた会議での発表内容に基づくもので、よくここまで来れたものだと思います。一方で、査読付きのジャーナルに2本論文を掲載するという大学院博士課程の縛りが相当に厳しいものであるというのを改めて痛感させられました。
3.日本語論文の採用
もう1つの嬉しい出来事は、こちらに来る前に所属していた部署で、25回にわたって続けてきた社員研修の講義の内容を、最後に文章化して、アカデミックな裏付けを付けて、日本語の論文に仕上げたことです。これは前の部署の仕事からようやく解放された4月になって、過労から2日ほど寝込んだ時に書き上げたもので、その後予期せぬ査読コメントへの対応もあったりして、最終的に採用されたのは8月1日のことでした。さらに嬉しかったのは、この論文を読んだ方から非常にポジティブなコメントをいただくことが二度あったことです。履歴書の論文目録に書ける実績を、今年だけで2つあげたというのは大きなことだと思います。
4.学会発表断念
逆に悲しかった出来事は、年明けから構想し、3月にプロポーザル提出した某学会の全国大会の場での発表が、ブータンで9月に行われた行事のために辞退を強いられたことです。6月に採用通知をいただき、8月末には発表要旨を提出し、帰国フライトや学会開催地までのパックツアーも予約し、パワポ資料もほぼ完成に近いところまで漕ぎつけていたのですが、一時帰国3日前になって断念。既にプログラムにも僕の名前が載っていたため、辞退したことで学会事務局と同じセッションでの発表者の方には、多大なご迷惑をおかけしました。それ以上に痛かったのは、フライトキャンセルや国内ツアーのキャンセルが直前だったために、ほとんど全額持ち出しになってしまったことです。それでいて、そうせざるを得なくなった直接的な原因を作った方々からは、詫びの一つもなく、非常に後味の悪い9月になってしまいました。
5.大人のオモチャ・3Dプリンター購入
理由は述べませんが、年末、自分へのご褒美として、3Dプリンターを購入してしまいました。800ドル弱。最初はアマゾンで注文しようと試みたのですが、アマゾンの機械送付はブータンをカバーしていないことが判明。しばらく諦めていたのが、知人から教えてもらい、アリババならブータン送付が可能ではないかということで、それで注文しました。なんと注文から1週間でデリバリーされました。今は組立を終えて、いよいよ操作方法の勉強を開始しようかという段階にまでは来ています。ブータン初の3Dプリンターであります。いろいろな人に見せびらかしたいと思います(笑)。
《ブータン初号機は我が部屋にあり!》
6.欠かさずつけた日記
僕が社員研修の場で常に申し上げていたのは、海外に行ったら日記を付けておいて欲しいということでした。人にやれと言っていたことを自分が海外に出てやらないわけにはいかないので、本当にこまめに日記は付けました。毎日1時間程度はこの作業に充てていたと思います。こちらに来る前から、僕の日課はたいてい22時就寝、早朝起床というパターンでしたが、こちらに来てからも4時起床を維持し、朝起きて最初に行ったのは目覚まし代わりの前日の日記でした。やってみて驚くのは、まだ前日のことだというのに、ある時間帯に自分が何をやっていたのか、思い出せないこともあるという現実です。人の記憶はあてにならないので、記録を残しておくことは常に重要だと思います。家族がこちらに短期滞在した期間と、僕自身が短期間の一時帰国をした期間を除いて、毎日欠かさずつけました。これが後々自分の財産となっていくことを信じています。
今年も1年大変にお世話になりました。
読者の皆様の新年のご多幸をお祈り申し上げます。
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