卵は輸出産品 [ブータン]
ブータン、インドに鶏卵輸出
Bhutan exports eggs to India
Kuensel、2016年12月7日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/bhutan-exports-eggs-to-india/
輸出鶏卵、インドで高値で売れる
Exported eggs fetch good prices in India
Kuensel、2016年12月10日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/exported-eggs-fetch-good-prices-in-india/
【ポイント】
政府は、初めて鶏卵の対印輸出を試行的に実施した。第一陣は12月第1週に行われ、105カルトン800トレイ分の卵、約17万ニュルタム相当分がコルカタに出荷された。
政府農業省が鶏卵の対印輸出に踏み切った理由として、国内市場で鶏卵供給がだぶつき気味であることが挙げられる。国際市場での鶏卵取引価格は現在、大型トレイ(30個入り)で220ニュルタム、小型トレイ(12個入り)で150ニュルタム。一時は大型トレイで400ニュルタムの値がついていたが、そこから比べると大きく下落したことになる。
鶏卵生産は、2012年には既に自給を達成しており、1日25万1,678個が生産されている。全国の雌鶏は42万2,648羽。2015年に年間6900万個の鶏卵が生産されたが、生産が最も盛んなのは南部サルパン県で1日7万3,333個、続いてチラン県で1日4万9,654個と続く。最も鶏卵生産が少ないのはガサ県で、1日700個の生産にとどまる。
政府の養鶏開発政策は1961年の第1次五カ年計画よりスタートし、農村住民の栄養改善と貧困削減を目指して現在までに都合5回の戦略改訂が行われてきた。現在は農業省により1世帯当たり雌鶏3羽、雄鶏1羽を無償提供する政策が取られており、また使用済み新聞紙等を再利用した容器を生産者から買い取り、養鶏農家に無償提供する政策も実施中である。
こうしてコルカタに出荷された鶏卵は、1個8ニュルタムで売れた。これはコルカタ市場での鶏卵取引最高価格からわずかに2ニュルタム安いだけであり、まずまずの値がついたといえる。農業省はこれに好感して、今後も鶏卵輸出を行う予定。但し、コルカタ市場の鶏卵価格は終日固定だが、毎日改訂されており、その価格変動はリスクといえる。
ブータン国内の鶏卵消費量は、1人あたり年間92個。これはアジアでも高い部類に入る。世界的に見て最も多いのはスイスの200個。
ブータンの卵はなかなかおいしくて、僕は大変お世話になっている。自炊生活者としてはなかなか市内のお肉屋さんに行って肉を買って料理で使ったりする機会は少ないが、卵は近所のGeneral Store(雑貨屋さん)でも購入できるので、かなり料理によく使っている。多分、ブータン人の平均的消費量よりも多くの卵を食べているのではないかと思う。
そんな僕がよく利用しているサブジ・バザール(野菜市場)で、卵を買うお店はだいたい決まっている。12個入りの小型トレイで購入する。このお店のオバチャンに聞いたところでは、このお店の卵は南部のチラン県から運んできているらしい。ここのお店の卵がいいと思うのは、1個1個の大きさが結構半端ないからである。
その卵、小型トレイ12個分のお値段はずっと120ニュルタムと言われてきた。こちらの買い物はたいてい定価販売なので、「120」と言われて何ら値切らずにそれを払ってきた。それが、11月下旬に一時帰国後の最初の買出しでサブジ・バザールに行ってみたところ、いつものお店のオバチャンに、「100」と言われた。当然120ニュルタムだと思って準備をしていたから、一瞬耳を疑った。でも、間違いではなかったようだ。
どうも、本当に卵はだぶついているらしい。
片や唐辛子は国内供給不足のために価格高騰し、インドから緊急輸入せねばならない状況だというのに、逆に卵は国内供給過剰につき価格下落し、インドに緊急輸出せねばならいのだというから皮肉だ。それだけ養鶏振興策が上手くいったという証しなのだが、政府も農家も、もうちょっとうまくできないものかなと思わずにはおれない。
ちなみにチランは、卵の生産でも唐辛子の生産でも有名な県である。
Bhutan exports eggs to India
Kuensel、2016年12月7日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/bhutan-exports-eggs-to-india/
輸出鶏卵、インドで高値で売れる
Exported eggs fetch good prices in India
Kuensel、2016年12月10日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/exported-eggs-fetch-good-prices-in-india/
【ポイント】
政府は、初めて鶏卵の対印輸出を試行的に実施した。第一陣は12月第1週に行われ、105カルトン800トレイ分の卵、約17万ニュルタム相当分がコルカタに出荷された。
政府農業省が鶏卵の対印輸出に踏み切った理由として、国内市場で鶏卵供給がだぶつき気味であることが挙げられる。国際市場での鶏卵取引価格は現在、大型トレイ(30個入り)で220ニュルタム、小型トレイ(12個入り)で150ニュルタム。一時は大型トレイで400ニュルタムの値がついていたが、そこから比べると大きく下落したことになる。
鶏卵生産は、2012年には既に自給を達成しており、1日25万1,678個が生産されている。全国の雌鶏は42万2,648羽。2015年に年間6900万個の鶏卵が生産されたが、生産が最も盛んなのは南部サルパン県で1日7万3,333個、続いてチラン県で1日4万9,654個と続く。最も鶏卵生産が少ないのはガサ県で、1日700個の生産にとどまる。
政府の養鶏開発政策は1961年の第1次五カ年計画よりスタートし、農村住民の栄養改善と貧困削減を目指して現在までに都合5回の戦略改訂が行われてきた。現在は農業省により1世帯当たり雌鶏3羽、雄鶏1羽を無償提供する政策が取られており、また使用済み新聞紙等を再利用した容器を生産者から買い取り、養鶏農家に無償提供する政策も実施中である。
こうしてコルカタに出荷された鶏卵は、1個8ニュルタムで売れた。これはコルカタ市場での鶏卵取引最高価格からわずかに2ニュルタム安いだけであり、まずまずの値がついたといえる。農業省はこれに好感して、今後も鶏卵輸出を行う予定。但し、コルカタ市場の鶏卵価格は終日固定だが、毎日改訂されており、その価格変動はリスクといえる。
ブータン国内の鶏卵消費量は、1人あたり年間92個。これはアジアでも高い部類に入る。世界的に見て最も多いのはスイスの200個。
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ブータンの卵はなかなかおいしくて、僕は大変お世話になっている。自炊生活者としてはなかなか市内のお肉屋さんに行って肉を買って料理で使ったりする機会は少ないが、卵は近所のGeneral Store(雑貨屋さん)でも購入できるので、かなり料理によく使っている。多分、ブータン人の平均的消費量よりも多くの卵を食べているのではないかと思う。
そんな僕がよく利用しているサブジ・バザール(野菜市場)で、卵を買うお店はだいたい決まっている。12個入りの小型トレイで購入する。このお店のオバチャンに聞いたところでは、このお店の卵は南部のチラン県から運んできているらしい。ここのお店の卵がいいと思うのは、1個1個の大きさが結構半端ないからである。
その卵、小型トレイ12個分のお値段はずっと120ニュルタムと言われてきた。こちらの買い物はたいてい定価販売なので、「120」と言われて何ら値切らずにそれを払ってきた。それが、11月下旬に一時帰国後の最初の買出しでサブジ・バザールに行ってみたところ、いつものお店のオバチャンに、「100」と言われた。当然120ニュルタムだと思って準備をしていたから、一瞬耳を疑った。でも、間違いではなかったようだ。
どうも、本当に卵はだぶついているらしい。
片や唐辛子は国内供給不足のために価格高騰し、インドから緊急輸入せねばならない状況だというのに、逆に卵は国内供給過剰につき価格下落し、インドに緊急輸出せねばならいのだというから皮肉だ。それだけ養鶏振興策が上手くいったという証しなのだが、政府も農家も、もうちょっとうまくできないものかなと思わずにはおれない。
ちなみにチランは、卵の生産でも唐辛子の生産でも有名な県である。
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