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国内配備のヘリは2機 [ブータン]

頻繁なヘリ使用に批判集中
Cabinet under fire for frequent use of choppers
Kuensel、2016年11月30日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/cabinet-under-fire-for-frequent-use-of-choppers/

【ポイント】
11月29日に行われた国会質問で、現政権閣僚のヘリコプター使用が頻繁ではないかとの質問が飛び出し、閣僚が答弁に追われた。この指摘はパンバン(シェムガン県)選出のドルジ・ワンディ議員が行ったもの。同議員の指摘によれば、今年10月6日に首相が行ったヘリ使用は、政府に86万6000ニュルタムの費用負担を強いた。昨年パロで行われたナショナルデー記念式典への閣僚の移動には、150万ニュルタムがかかったという。2機のヘリには3名の操縦士が配置されているが、各々の月給は50万ニュルタムである。同議員はヘリ使用自体は否定しないものの、あまりに頻繁な使用には縛りを設けるべきではないかと指摘した。

同議員の発言は、野党のペマ・ギャムツォ党首が自身のFacebookで29日にこの問題を取り上げたことに端を発している。党首は、昨年12月2日から今年11月8日までの間に、首相のヘリサービスの利用に要した費用は575万ニュルタム、他の閣僚も計273万ニュルタムかかっていると指摘。

こうした指摘に対し、ダムチョ・ドルジ外相は、首相も他の閣僚も本当に必要な時に限りヘリを使用していると反論。我々は多くの来訪者に応対する多忙なスケジュールの中で動いているので、ヘリ使用は時間の節約になると指摘。また、この夏の長引くモンスーンで南部サルパンが洪水被害に遭い、ティンプー・プンツォリン国道が遮断された際にはヘリはフル稼働しており、本来ヘリとはそうした緊急時に使用するものだと回答した。また、ブータン・ヘリコプター・サービス社に支払われた利用料は税金として政府に還元されているという。同社の納税額は400万ニュルタムに達する。

DNドゥンゲル情報通信相は、現在ブータンの保有するヘリは2機で、1号機は2015年11月、2号機は今年6月に配備されたという。現在までに、保健省の依頼に基づく患者の緊急搬送は累計で120回行われている。ガサ県北部やティンプー県北部のいくつかの郡からの患者移送に要した累計時間は17時間13分だという。患者移送では1時間当たり18万1000ニュルタムが保健省に請求される。現在自動車道路がない7郡からの移動は通常の利用料金の50%割引が適用される。1時間当たり6万5500ニュルタムの請求額となる。

2016-11-30 Kuensel.jpg
《2015年に配備されたヘリ1号機》

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空飛ぶ物体が突然上空に現れた時、ヘリを見たこともなかったブータンの山あいの住民の人たちがどんな反応をしたのか、ちょっと興味が湧く。今や「ペリパッド」なんて言葉も当たり前のように飛び交うようになったが、ちょっと前まではそんなものすらなかったわけで、ヘリはブータンの変化の1つの象徴的事例だと思う。

下手ながらもちょっとばかりゴルフなんぞをティンプーで始めているが、コースに出ていると、結構早い時間からヘリのホバリングの音が聞こえてくる。だんだん音が大きくなってきたなと思ったら、東側の山の稜線の向こうから小さな物体が姿を見せ、それが徐々に高度を下げてティンプー谷にアプローチしてくるのである。聞くところではティンプーからパロまでは7分、プナカまでは15分の飛行時間だという。道路が舗装されて陸上移動がスムーズに行くようになったとはいえ、パロまでは1時間はかかるし、プナカでも2時間少々はかかる。時間の節約という観点では確かに有用だろう。

ただ、1件当たりの利用時間が短いということはあるにせよ、こうしたVIPのヘリ使用が、他のより緊急性が高い利用を妨げたりはしていないのかどうか、確かにその点は気になっていた。この記事、単に国会質問でのやり取りをそのまま記事にしたに過ぎないものだが、記事の中に幾つかの情報が含まれていたので、備忘録としてメモしておくことにした。

この国の地形条件を考えたら、国内でのヘリ移動はもっと奨励されてもいいように素人目には思うが、2台の運用だけでは間に合わないのかどうか、そのあたりの分析をやった上での意思決定になっていくのだろう。
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