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インドの技術協力 [ブータン]

ブータンに住んでいる日本人なら、この時期は2006年から始まった「日本週間(Japan Week in Bhutan)」を取り上げたいところなのだけれど、日本週間の開催期間(9月24日~10月1日)とは少し外れたタイミングであっても日本人が多少なりとも絡んでいて「日本週間」関連だとこじつけようと思えばできたイベントは幾つかあったし、開催期間中にも、「日本週間」関連イベントと銘打っていなくても日本と関連があるイベントが行われたりもした。

同様に、この時期に「日本」以外の国がメディアを賑わせることもあった。その1つは、インド大使館が主催した「ITECの日」というイベントである。ITECというのはインドの技術協力実施機関で、言ってみれば日本のJICAが技術協力と称してやっていることのインド版だ。主力はインド国内での外国人研修員受入れで、加えてインド人技術協力専門家の派遣も行われている。

ITECについては、過去にブログで言及したことが二度あるのでご参照下さい。 
-インドの「南南協力」(太陽光発電編) 
 http://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02-1
-インド-アフリカ・フォーラム・サミット
 http://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2008-04-10

さて、この「ITECの日」というイベントだが、どうも9月のこの時期、ブータンだけじゃなく、世界各地で祝賀イベントが開催されているらしい。インド大使館が開いたイベントもその一環ということになる。以下、大使館のプレスリリースをそのまま転載する。

2016年ITECの日、9月21日にインディアハウスで開催

ITEC帰国研修員の1人であるノルブ・ワンチュク教育大臣を主賓にお迎えし、今年のITECの日は開催された。帰国研修員、主要政府要人、各省関係者を含む300人以上が式典に出席した。うち数名はインドでの自身の経験を紹介し、自身が参加した研修コースがいかに役だったのかを報告した。ジグミ・ナムゲル初等中等学校の生徒と教員がその踊りのパフォーマンスで文化プログラムに花を添え、会場を賑わせた。

インド政府が進めるこの旗艦スキームでは、ブータンを含む160以上のパートナー国に対して研修機会が提供されている。インド国内47の機関が、280の研修コースを実施している。その研修科目は、IT、公共行政から選挙管理、中小企業振興、起業家育成、農村開発、国会運営、再生可能エネルギーに至るまで、多岐にわたる。これらは全てインドの一流の研修実施機関での受入となる。今年、ブータンには、100人のITEC研修枠が追加され、計300人の研修枠が配分されることになった。加えて、コロンボプランに基づく技術協力スキームで60人の研修枠も配分されている。過去4年間、政府や、準政府機関、民間セクターから選ばれた1000人以上のブータン人研修生がこれらの研修コースで学んできた。

今年度のITEC研修コースへの参加希望者は、ITECのウェブサイトwww.itec.mea.gov.inでチェックするか、ITEC窓口(itec.thimphu@mea.gov.in)にメール照会をされたい。
http://www.indianembassythimphu.bt/event.php?id=150

少しだけ当地メディアの報道で補足すると、ITEC自体の歴史は古く、1964年の発足だそうだ。ブータンからの研修生受入がいつ頃から始まったのかはわからないが、ノルブ・ワンチュク教育大臣は、「ジャワハルラル・ネルー首相とジグミ・ドルジ・ワンチュク三代国王」のビジョンを評価されているので、ITEC発足から割と早い時期には既にブータン人研修生の受入れが始まっていたのではないかと推察される。

こういうイベントの話を聞くと、JICAの帰国研修員同窓会とか、文部科学省の国費留学生の同窓会とか、外務省の対日理解促進交流プログラム(JENESYS)の同窓会とか、日本が持っている様々な招聘制度の受益者を対象に、年中行事化して1年の決まった時期に式典をやれたら面白いのになと思ってしまう。レキ・ドルジ経済大臣はJICAの帰国研修員だし。その年度の研修生が全て帰国している3月下旬とか、あるいは4月とかに、式典を開催したらどうかなと思う。あるいは、青年海外協力隊の方々のように地方で活動されている在留邦人がティンプーにわりと集結している時期とかに合わせて開催を考えるとか…。そしたら結構盛大に開けそうな気がする。

勿論、インドと違って、日本政府が大使館を置いていない国でのことなので、企画実施にあたって多少の制約があることはしょうがない。インド大使館のように、敷地内に独自のオーディトリアムを持っているわけでもないので、市内で会場借り上げなどを行っていたら追加で費用がかかることも覚悟しておかなければならない。

この、「ITECの日」がどんなイベントだったのか、できれば会場で直に見てみたかった。新聞で報じられて初めて知ったというのでは、僕のアンテナの張り方もまだまだ十分じゃないなと反省させられた。毎年9月のこの時期に開催されているということであれば、ちゃんとマークしておきたいと思う。さっそくながらインド大使館のFacebookページのフォロワー登録を行った。
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