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スマホで道路状況チェック [ブータン]

リアルタイム道路情報がオンラインで
Realtime road conditions info now online
Kuensel、2016年8月30日、Tempa Wangdi記者
http://www.kuenselonline.com/realtime-road-conditions-info-now-online/

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【ポイント】
通行客が道路封鎖に遭って長い車の行列の中で立ち往生するような事態を回避できるよう、道路局は8月29日(月)、道路情報システムをリリースした。公共事業省ウェブサイトおよびスマホのアプリを通じてシステムは利用可能。

アプリから、ユーザーは現在地と目的地を入力すると、その区間で行われている道路封鎖の情報を得ることができる。但し、現在はAndroid端末でのみ利用可能で、iOSシステム端末での利用にはあと1カ月かかる見通し。

一方のウェブベースの道路情報システムでは、ブータンの道路ネットワークの地図が表示され、がけ崩れの可能性のある危険箇所や道路封鎖地点、道路拡張工事実施箇所等の情報が地図上に表示され、その地点をクリックするとより詳細な情報が得られる。全国の道路局事務所の連絡先も一覧できる。

もしユーザーが国内移動を始める前に道路封鎖の情報が必要な場合、いつその封鎖が始まったか、封鎖解除までの所要時間、道路局担当事務所の携帯番号等の詳細情報を得ることができる。

ウェブベースのシステムはJICAの協力で開発された。スマホアプリの方は、首相直轄のG2C事業により開発されたもの。なお、この日は同時に公共事業省が豪DFATやWHOの協力を得て開発された水衛生情報システム(WaSIS)もリリースされた。

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このシステム開発の話はかなり以前から聞いていて、僕は既に5月頃からスマホアプリ"Bhutan Road Safety"をダウンロードして、開発の進捗状況を時々チェックしていた。5月から8月にかけて内容はかなり進化してきており、ユーザーの使い勝手はかなり改善されてきていると思う。

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現時点で、スマホアプリでは、テスト版で古い道路拡張工事情報がアップされているが、その他にも、クエンセル記事にあるような全国各地にある地方道路局事務所の電話番号一覧表、路線バスの運行スケジュールの検索機能、車両登録証と排気ガス試験の結果入力欄等、今でも使えそうな項目がそこそこある。できればその地点が地図上で表示されるような機能も付けられるといいのだけど、ブータンの情報通信速度を考えるとちょっと重いかもしれない。だが、せめて道路局地方事務所の電話番号は、その番号をクリックしたら自動的に電話がかけられるような仕組みにしてほしいところだ。

こうしたリアルタイム道路情報が、国内旅行前に得られたら、それはそれはありがたいお話だ。この記事がクエンセルに載ってから、僕が日本人ということもあって、「JICAっていい仕事してるな」と現地の人に言われたケースが2、3回あった。これこそ、かゆいところに手が届く――今本当に必要とされている人々のニーズに応える協力なのだと思う。

ブータンにいると、ティンプーやパロのあたりならまだしも、地方の道路で何が起こっているのかは行ってみないとわからないということが多い。僕も8月の国内移動で、道路封鎖は4回経験している。道路封鎖の理由は、がけ崩れや土砂崩れといった道路災害によるものもあれば、道路舗装作業や地方送配電網の整備作業によるものもある。後者の場合はさほど封鎖時間も長くなく、たいていは30分から1時間程度で解除されるので、このシステムでのアップは行われない。でも、前者の場合は解除までの所要時間が2時間以上かかることも多く、その場合にはシステムに情報掲載されるらしい。

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《道路舗装作業に伴う道路封鎖。国道5号線にて》

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《土砂崩れ現在進行中による道路封鎖。国道1号線にて》

クエンセル紙は9月1日付社説でもこの道路情報システムを取り上げ、このシステム開発の動きを非常に歓迎している。リアルタイムで情報提供が行われるというこのシステムには希望が持てるという。

一方で、社説ではこうも述べている。これまでに行われたICTイニシアティブには、華々しくスタートを切ったものの、資金や人材不足、その他様々な理由でその後尻すぼみになってしまったものもある。開発されたシステムの持続可能性を担保するには、ユーザーも参加できる仕組みが必要。例えば、7月後半の集中豪雨の際には、一般のスマホユーザーがソーシャルメディア上で次々と情報発信し、道路封鎖その他の道路交通情報を流していた。もしユーザーが情報提供できる仕組みが付加されたら、今回のシステムももっと良くなるだろう。そうしたユーザー参加にも道を開いたという点で、このシステムのリリースは大いに歓迎される、そう述べている。

これは到達点ではなく、これからが本番なのである。

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