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ダガナ、チランの観光開発 [ブータン]

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《ダンプーのロッジからの朝の眺望。見晴らし最高!》

ダガナ、チランの観光開発に50万ニュルタム
Nu 500,000 for tourism development in Dagana, Tsirang
Kuensel、2016年8月25日、MB Subba記者
http://www.kuenselonline.com/nu-500000-for-tourism-development-in-dagana-tsirang/

【ポイント】
政府はダガナ、チラン両県の観光開発に今年度50万ニュルタムを配分する。県に観光予算が配分されるのはこの2県のみで、地域間でバランスの取れた観光開発を進めたいとする政府の姿勢を強く反映したもの。

元々ダガナ、チランには通行客が古くから利用してきた歩道が存在しており、トレッキングルートとして魅力的。また、文化遺産も多いことから、観光開発のポテンシャルは大きいと期待されている。

これらに加えて、両県は、ブータン観光評議会(TCB)との協働で、自転車道路整備やラフティング、自然観察、村落滞在等の新たな観光資源開発の可能性も探る。

観光セクターに対して、政府は今年度1億1,339万ニュルタムを配分、観光インフラの整備や公共サービスの改善を通じて、ブータンを年間を通じて観光客が訪れやすい国にしていきたい意向。

課題としては、第1に観光業の持続可能性を保証する標準の設定、第2には道路沿線の観光客向けアメニティの整備やトレッキングルート、キャンプ場、橋梁等の整備、第3には国際市場での観光プロモーションが挙げられる。

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先月中旬、チラン県に行く機会があった。ウォンデュポダンから国道5号線を南下し、急峻な山岳道路をプナサンチュ川沿いに下って行く。途中幾つかの橋は日本の援助で架け替えられたもので、その中でも最も大きいのが、ウォンデュポダン県のチラン県の県境にかかる橋である。そこから今度は山を一気に駆け上がる。途中ダガナ県へ向かう分岐点があるが、国道に沿って山を登っていくと、頂上には町が開けている。チラン県の県庁所在地、ダンプーの町だ。

ブータン南部に属するこの地域は、僕らが住んでいるティンプーやパロのあたりの集落とは形成のされ方が全然違う。急峻な山の中腹や川沿いに民家が点在する中山間地とは違い、チランでは明らかにそれとわかる集落が山の頂上付近に形成されている。これに似た集落形成はブータンと国境を接するインドのダージリン、カリンポン地方で観察することができる。家屋も、中山間地ではブータンの伝統建築というのはこれだという典型的な家屋が多いが、チランには二階の屋外に廊下が設けられ、屋根はトタンが多い。住んでいる人々にはネパール系が目立って増え、話されている言葉もクリアなネパール語だ。

―――ネパール語が多少わかる僕にとっては、天国のようなところだ。

ダンプーの海抜は1300メートル。ティンプーよりも1000メートルは低いため、夏は少し蒸し暑いが、冬の寒さは厳しくはないだろう。ブータン観光では冬場はオフシーズンで、見どころがかなり限られると言われているが、もしこの地域が開拓されたら、確かに年間を通じた観光客誘致は可能だろう。

夏場にダンプーの町で1泊して驚いたのは、灯りをめがけて飛び込んでくる虫の多さ。ブータンのカブトムシやクワガタムシは日本と比べても小ぶりだが、その数たるやとんでもない。朝は鳥のさえずりを聴きながら目が覚めるが、外に出て野鳥観察をしてみると、これがとても綺麗だ。バードウォッチャーでなくとも、思わず観察したくなる。そんな自然資源がいっぱいのエリアだ。

ついでに言うと、ダンプーの町では年に2回もマラソン大会が開かれているらしい。今の県知事は全国唯一の女性知事で、エクササイズを欠かせないという人だ。マラソン大会にはご自身も出走されている。

チランといえば、ブータン一辛いと言われる唐辛子の名産地。養鶏も盛んで、ティンプーで食べられる鶏卵の多くはチラン産である。その他にはバナナ。なんか、加工されてない農産品ばかりだが(笑)。

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要するに、いいところなんです。同じウォンデュポダン起点であっても、国道1号線は今は道路がガタガタで目的地到達に相当な時間ロスが生じるが、5号線の道路は舗装がかなり行き届いていて、ひょっとしたら自分が軽乗用車を運転してティンプーからでも行けちゃうかもしれない。(このルートの難所は、むしろティンプー~ウォンデュ間の未舗装区間である。)但し、ブータンの人々は「国道」とか「ハイウェイ」とか言ってるけれど、途中の道路ではとてもそうは思えない、むしろ「農道」「林道」と言った方がふさわしいような区間もあるが。

だから、このエリアの観光資源が開発されることは嬉しい。ダガナ県の話は、実際にダガナに行く機会があればまたご紹介したいと思う。チランよりも奥地に当たり、7月下旬の集中豪雨の際には幹線道路が大規模な土砂崩れで寸断されたエリアなので、ここの観光ポテンシャルは、僕にもまだよくわからない。少なくとも、観光プロモーションを考えたら、国道5号線から分岐してダガナに至る道路の舗装は必須だろうと思う。

ダンプーまでは順調ならティンプーから5時間少々で行ける。遠い遠いと言われて外国人から敬遠される。1日250ドルも支払わされるブータン滞在で、ダガナ、チランに足を伸ばしていては、元が取れなくなることが懸念される。予めこのエリアに行くことを計画に盛り込むような外国人観光客には、250ドルを50ドル以下にディスカウントするような特別措置も必要なのではないかと思う。

タグ:観光
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