野良犬は危険か否か？

毎度更新が滞るたびにごめんなさいと言っている気がしますが、今月上旬は家族がこちらに来ていて、アテンドに忙しかったり、ネットがつながらないところに行ったりしてましたし、家族が帰ってからも、たまっていた仕事を片付けるのに追われ、さらにはアパートのWiFiが突然つながらなくなるハプニングがあったりして、なかなかブログの更新に取り組むことができませんでした。本当にごめんなさい。

これから心を入れ替えて―――というわけにもいかないと思いますけど、できるだけ更新していきたいと思います。

イヌ対策は政府に重くのしかかる
Dog problem costs Govt. dearly
Kuensel、2016年8月6日、Tenzin Namgyel記者
http://www.kuenselonline.com/dog-problem-costs-govt-dearly/

いつも通り、ポイントを要約する―――。

過去3年半の間に、政府は狂犬病予防接種（ARV）と破傷風・ジフテリア予防接種（TD）だけで300万ニュルタム（約450万円）近い支出をしてきた。この費用には、接種にかかった人件費は含まれていない。

ジグメ・ドルジ・ワンチュク国立レファラル病院（JDWNRH）の記録では、イヌに噛まれたり引っ掻かれたりして同病院でARVやTD接種を受けた外来患者は2013年には1,820人いた。ARV接種のみの記録では、2014年には1,687人、2015年には2,090人に増加。今年も、6月末までの累計で、既に1,000人以上がARVとTDの接種を受けている。

ARVは1回の接種0.2mlに約94.5ニュルタムがかかる。TDの場合は74.8ニュルタムである。しかも、ARVの場合、一度イヌの被害を受けると、合計4回の接種が必要で、この1回でも疎かにすると、もう一度最初から接種やり直しとなる。

JDWNRH関係者によると、ARV接種のために同病院を訪れる外来患者の数は増加傾向にあるという。今年4月は1カ月で156人が来院、5月にはこれが298人に増えた。

2015年5月に行われた全国イヌ実態調査によると、ブータン全国には73,124匹のイヌがいることがわかった。うち42,903匹が野犬で、残る30,221匹がペットである。病院関係者によると、外来患者のほとんどが野犬による被害である。しかし、ペット犬も飼い主の管理不行き届きで自由に走り回り、通行人にけがを負わせるケースは多い。

農業省は、イヌの頭数を抑制するために全国で様々なプログラムを実施している。例えば、全国イヌ頭数管理・狂犬病抑制プロジェクトは、2009年に始まり、その結果として街にいる子犬の頭数は減ってきていると強調する。現在に至るまで、このプロジェクトでは70,000匹の断種と狂犬病ワクチン接種を行ってきた。処置済みのイヌには、耳に切り目が付けられているという。

しかし、こうしたイヌの頭数抑制政策もまた政府に大きな負担を強いている。1匹のイヌのワクチン接種と去勢には650ニュルタムがかかる。これを70,000匹分行うと、その費用は4,500万ニュルタムにも達する。毎年750万ニュルタムが投入される計算である。

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この記事がクエンセル紙に掲載された3日後、読者投稿欄に、「耳に切り目が付けられたイヌなど都市部ではほとんど見かけない。イヌは人に噛みつくだけでなく、鳴き声もうるさい。被害を受けた人の接種費用に予算を割くぐらいなら、イヌの頭数抑制をもっとしっかりやったらどうだ」というような辛辣な意見も載せられた。

僕が政府関係者から伺ったところによれば、ティンプー市内のイヌの頭数は約6,000匹いるという。この方によれば、断種処置も併せて行っているので、あと4年もすると頭数はさらに減って効果が顕著に表れるだろうとのことであった。

ことの真偽は僕には判断のしようがないけれど、読者投稿欄の指摘もまあその通りかなとは思う。この国はありがたいことに医療費がただで、イヌに噛まれても近くの病院やBHU（基礎保健ユニット）に行けばワクチン接種はしてもらえる。だから安心だというつもりはなく、イヌに噛まれないにこしたことはない。

野良犬に吠えられたり、追いかけられたりするのは結構トラウマになる。ジョギングに出かけるのも単にウォーキングに行くのも、1回それをやられると次に出かけるのがかなり億劫になるのである。ましてや、夜寝ていても野犬の群れの縄張り争いによる猛烈な吠えで目が覚めることなど頻繁にある。

あと4年待てば効果は表れるから安心しろと言われてもですね～、僕はあと4年もいられるわけじゃありません。