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『事典 絹と木綿の江戸時代』 [シルク・コットン]

事典 絹と木綿の江戸時代

事典 絹と木綿の江戸時代

  • 作者: 山脇 悌二郎
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
江戸時代、中国船やオランダ船により絹や木綿がもたらされ、多くの種類が流通した。縮緬、さらさなどの舶来の絹・木綿の語源、国産の絹・木綿の原系や染色などを解説する近世における織物の全容を解明した労作。

以前、『苧麻・絹・木綿の社会史』をご紹介する中でも触れた、山梨県立博物館の企画展「天の虫のおきみやげ~山梨の養蚕信仰」、展示は明日までということで、行けるとしたらこの日しかないと考え、早くから有給休暇の申請を出していた25日(木)だったが、前夜から次男が熱を出し、妻がその日に次男を病院に連れて行くことになり、休暇なのに山梨まで出かけるとはなにごとかと苦言を呈せられたこともあって、断念せざるを得なくなってしまった。それだったら、代わりに近場で少しぐらいはシルクのことを考える時間を作ろうと思い、市立図書館に2時間ほど立ち寄って、館内閲覧限定だった書籍を流し読みするのに充てた。

この本、既に絶版になっていて、売りに出ている中古本はなんと5500円もする。それだけ払っても購入する価値のある本かどうかはわからないので、先ずは近場で所蔵している図書館を探し、ざっと目を通してみて買うかどうするかを判断しようと思っていた。そう思ってから2年以上放置状態だったのだが、先月から継続中の、読書メーターで「読みたい本」リストに挙げていた本の圧縮作業の一環として、4月までに片づけてしまおうと思っていたことの1つであった。

まあ、事典ですので。さらっと流し読みして、おおまかにどんなことが書かれているかをチェックして取りあえずは良しということにさせて下さい。率直に言って、まえがきもなくいきなり本文に入ってしまうのに度肝を抜かれ、読んでてもああこれは事典なんだというのを再認識させられた。江戸時代に出回っていた糸と織物の種類を、輸入もの、国産とに分類し、その織り方、染め方等がざっと列挙されてる感じである。時おりエピソードが入っていたりもしないこともないが、はっきり言ってしまえばやっぱり事典だ。

ただ、絹と木綿の両方に言及があるのはありがたいことである。強いて1つだけ印象に残ったことを触れておくとすると、既に江戸時代にはインドから更紗(綿織物の1種)が輸入されていたとか、新たな発見だった。

必要があればその都度また図書館で閲覧して、記載内容を確認できればいいだろう。5500円も払う価値のある本だとは正直あまり思えなかった。同じ江戸時代の絹・木綿を扱っているという点では、前述の『苧麻・絹・木綿の社会史』の方がはるかに面白いし、その本は既に入手済みだ。

さて、こうして本書の内容確認をやってお茶を濁した25日であったが、肝心の次男の容態はというと、その日の朝には既に熱がある程度まで下がり、午後には起きて自宅でプラプラしていた。「こんなことなら山梨行ったら良かったのにね」とほざいた妻の首を絞めたくなった(苦笑)。

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降龍十八章

昨日グリーンチャンネルのサイエンスアワー見たら、蚕の遺伝子組み換えやってました。発光クラゲのゲノムを組み入れた、色つきの絹ができていました。
by 降龍十八章 (2016-03-02 06:16) 

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