『孤独の価値』 [読書日記]
内容紹介
人は、なぜ孤独を怖れるのか。多くは孤独が寂しいからだと言う。だが、寂しさはどんな嫌なことを貴方にもたらすだろう。それはマスコミがつくったステレオタイプの虚構の寂しさを、悪だと思わされているだけではないのか。現代人は〈絆〉を売り物にする商売にのせられ過剰に他者とつながりたがって〈絆の肥満〉状態だ。孤独とは、他者からの無視でも社会の拒絶でもない。社会と共生しながら、自分の思い描いた「自由」を生きることである。人間を苛む得体の知れない孤独感を、少しでも和らげるための画期的な人生論。
幻冬舎って、売れる本を企画して売れる著者に執筆依頼するタイプの本を得意としている出版社だと思っていた。本書も、著者によると出版社からの依頼に基づき書かれたようだが、だとするととんでもなく目算を誤ったんじゃないだろうか。
この本は正直言って面白くない。読み進めるのが苦痛で、半分も行かないうちにギブアップしてしまった。
わりと単純な主張を、ああでもないこうでもないと、こねくり回して論じている。著者もそれをわかっているからか所々で「私が言いたいのは~」的な結論要約を付けてはいるが、これだけ自分の思考の過程を自分勝手に書かれると、読み手の側がついていけない。新書はサクサク読みたい僕のような読者には何が何だかわからなくなる。単純なことを1冊の本にするのに、ページ数確保のためにいろいろ書いたという印象が拭えない。
この論点なら10年前に斎藤孝さんが『孤独のチカラ』で書かれている。しかも、斎藤さんの本の方が読みやすい。同じ論点なら齋藤さんの本をお薦めする。
コメント 0