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『ささらさや』 [読書日記]

ささらさや (幻冬舎文庫)

ささらさや (幻冬舎文庫)

  • 作者: 加納 朋子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2004/04
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された!ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。

4月に海外出張した際、機内で映画版を見て以来、気になっていた作品。ストーリーも良かったし、映像も良かった。周囲のお節介なおばさん連中とか、郵便局員とか駅員とか、突然の死で夫に先立たれて取り残されたさやとユウスケを取り巻く人々の温かさも心地よくて、いい街を描いていると思ったものだった。挿入曲となったコブクロの『トワイライト』も、そういう雰囲気にすごく合っていたと思う。

こと映画版に関しては、行きと帰りのフライトで合計二度見てしまった。

機会があれば原作も読んでみようとは思っていたが、優先的に読むべき書籍が幾つか残っていたこともあって、すぐにはそのチャンスに恵まれなかった。出張から戻って2ヶ月が過ぎ、ようやく今回読むことができたわけだが、映画と原作が共通しているのは大雑把なストーリーの部分だけで、死別した主人公は原作では落語家ではなかったし、原作では登場していた一軒奥の住人は映画では出てきた記憶がない。

《映画のプロモーション映像です》

それと、原作はなんだか読みづらかった。電子書籍だったからかもしれないけど、お節介なおばさん3人組が会うたびに展開する掛け合いは文章にするとうざいぐらいで、いつまで続くんだろうかと飛ばして読んでしまったところがある。映画の方では気にならなかったけど。そういう、細かい部分では、どうも著者の作風が自分とは合っていないような気もした。

自分が思うに、映画化された作品は、読んでから映画を観るか、映画を観てから原作を読むかによって、原作の印象が大きく左右されるような気がした。1月にご紹介した『アゲイン~28年目の甲子園』のように原作をそのまま描いた作品なら、どちらか一方だけ経験すればいい。映画と原作がかなり違うものだったとしたら、本来なら原作を読んだ上で映画館に足を運んだ方がよかったのかもしれない。映画を観てから原作を読むというシークエンスは、原作の印象度が弱くなってしまう可能性があり、避けた方がいいかもしれない。

ところで、佐々良の街は設定では埼玉県内の田舎町ということになっているけれど、そのモデルになった街ってどこなんだろうか。小川町あたり?ちょっとふらっと行ってみたい気がする。


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