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『なぜデザインが必要なのか』 [読書日記]

なぜデザインが必要なのか――世界を変えるイノベーションの最前線

なぜデザインが必要なのか――世界を変えるイノベーションの最前線

  • 作者: エレン ラプトン
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2012/01/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
コミュニティを生み出す劇場、泥をエネルギー源とするランプ、落ち葉と水だけで作られる食器、赤ちゃんの命を守るモニター、携帯電話を使った遠隔医療、空気をきれいにする建築資材…世界をより良いものにするための「デザイン」の数々。2010年ニューヨークで開催された大好評デザイン展 “Why Design Now?” のすべてを収録。

この本は図鑑である。Cooper Hewitt National Design Museumで3年に1回開催されている"National Design Triennial"というイベントで、本書に収録されているのは2010年に開催された第4回の出展作品である。第4回のデザイン展のタイトルが、『なぜ今、デザインなのか?"WHY DESIGN NOW?"』だったらしい。

「エネルギー」「モビリティ」「コミュニティ」「素材」「豊かさ」「健康」「コミュニケーション」「シンプリシティ」の8つのテーマで、203項目が紹介されている。21世紀も15年が経過し、これから2050年に向けては、単に経済的な発展だけではなく、同時に社会や環境の持続性にも目を向けていくことが求められるようになりつつある。貧困や格差、気候変動や環境破壊など、社会問題、環境問題に対して、肩ひじ張って真面目に取り組むのは勿論大事だが、そこにデザインという要素を加えることで、さりげなく自然体で問題解決に取り組んでいるように見せることができるようになるかもしれない。問題だ、問題だなどと大上段に訴えかけられたらドン引きする人であっても、少々の遊び心があって楽しく取り組めるようなら、参加するのに心理的なハードルはさほど高くはないだろう。

そういうさりげなく問題解決に取り組んでいる姿を見せるのがデザイナーのセンスだと思う。僕たち人類と地球の生態系の間に生じている不調和を軽減させようと、世界中のデザイナーたちが試行錯誤を重ねた末に生んだ作品の数々である。作品の多くは画期的で、まだまだ試作品のものも多い。

ここのところ自分の制御できないところで仕事がどんどん降ってきて柄にもなくパニック状態になっていた。実は体調もあまり芳しくなく、疲れを引きずりながら翌朝を迎えることが多かった。週末もまともに休めたことが少なく、休日出勤するか、そうでなければ自宅にいても、家族の寝ている早朝に起き出してひと仕事終えるとか、夜夕食の後片付けが終わったところで再び外出して喫茶店で仕事の資料の読み込みをしたりもしていた。そうやって仕事に投入できるだけの時間を投入したものの、それでも自己制御できる仕事量ではなかった。

そんな中でこの本は、毎朝出勤前にコツコツ読んだ。写真を眺めているだけでも元気が出てくるので、こういう本に目を通して、少しでも気合いを入れて毎日出勤した。そんな3月前半であった。

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