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『迫り来る日本経済の崩壊』 [仕事の小ネタ]

迫り来る日本経済の崩壊

迫り来る日本経済の崩壊

  • 作者: 藤巻 健史
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/06/26
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
日銀による国債購入の約束は今年の12月まで。買いをやめれば国債と円は暴落し、一気にハイパーインフレに!ドル資産を保有する者だけが生き延びる。

最近僕の会社も確定拠出型年金制度を導入するというので社員向け金融セミナーが数回行われるようになった。僕は昔駐在していたインドで、政府が導入していた確定拠出型年金制度について調べてたびたびブログでもご紹介したことがあるが、加入者が自分の年金掛金について運用方法を指定するような制度は、貧困者には難しいだろうなと思った。他人事のように思っていた確定拠出型年金が自分の実生活にも影響を及ぼすようになってくると、やはり運用方法を加入者が考えるというのは難しいなと痛感させられる。

運用先に結構日本国債が組み込まれるパターンが多いのだが、気分的には今の日本の財政赤字は不安だ。そういうこともあって、たまにこういう日本の財政赤字に対して警鐘を鳴らす本を読んでみるべきだと思い、図書館で見つけたフジマキさんの著書を読んでみることにした。

日本経済の行方に関して、そんなに沢山の本を読んでいるわけではないが、僕の限られた読書実績の中では、フジマキさんといえは最も悲観的な予測をされる方だ。アマゾンの書評欄とかを見ると、フジマキさんの評判は極めて悪いが、普通に考えても膨れ上がった日本の財政赤字に対して「大丈夫」と言っている人の方がむしろ信じられない。本当はそうなるのではないかという不安を感じながらも、それを口にしてしまったら叶ってしまうのが恐ろしい。だから多くの評論家も政治家もマスコミも、風評被害の発信源になることを恐れて、本音とは違うことをあえて言っているのではないかと感じる。


その点、フジマキさんは正直だと思う。昔伝説のディーラーと言われていた頃はフジマキさんの予想が相場を動かしていたぐらい市場に影響力のあった人だが、当時の市場関係者はもう引退している人が多く、フジマキさんの影響力も低下しているかもしれない。だから歯に衣着せぬ悲観論を展開しても市場関係者の反応は鈍く、著書で書かれる予想は外れることが多い。「〇〇年〇月までに〇〇が起きる」というタイプの予想を外すから著書の評判も良くないのかもしれない。しかし、発生時期は外れていても、方向を外しているわけではない。

また、フジマキさんは昔から「緩やかな円安」論者であった。そのスピード感はともかくとして、今は円安が進んでいるし、しかもそれによって日本企業は価格競争力を付けており、海外のインフラ整備事業で日本企業が欧米企業に競り勝って受注するケースも最近出てきた。

本書で要っていることはこれまでのフジマキさんの主張の繰り返しでしかないし、その論点は第1章を読むだけでもある程度つかめてしまうけれど、この本の付加価値は、その論点を最新の政治経済情報をもって補強しようとしている点にある。しかし、その付加価値は時間とともに減衰するものでもある。本書が書かれたのは昨年の6月。それから半年以上が経過し、しかもその間に新しい著書まで出されているので、本書に関しては賞味期限がそろそろ切れかけているのではないかと思う。時事を扱う本の難しさだ。

そんなわけで、フジマキさんはこの本で、《国債暴落⇒長期金利上昇⇒財政破綻⇒日本経済の再生》が、2020年の東京五輪よりも前に起こり、東京五輪は日本経済の再生の起点だと位置付けている。またしてもタイミングについて明言しているわけだが、元々は他の論者であっても「2012年危機」説すら言われていたこともあったわけだし、今のような財政赤字のやり繰り、日銀による国債買取りが今後ずっと続けられるわけがないので、早晩財政危機はやってくると思う。

この本を読んだら、日本国債を組み入れて後で来る事態の恐ろしさには背筋が凍る思いがする。安倍総理の国会での答弁を聴いていて、余計に危機感が増幅される。こんな財政の大盤振る舞いが長く続けられるわけがない。うちの会社の導入した確定拠出型年金制度でも、日本国債での運用比率は極力避けるようにしたいと改めて思った。また、せっかく持っている外貨建資産は大事にしておかねばならないとも思う。

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