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『この部屋で君と』 [朝井リョウ]

この部屋で君と (新潮文庫)

この部屋で君と (新潮文庫)

  • 作者: 朝井リョウ他
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/08/28
  • メディア: 文庫
内容紹介
誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕…気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。

先週は水曜日から日曜日にかけて3泊5日の出張をしていた。積読状態を解消するいいチャンスということで、タンスの肥やしにしていた本を何冊か携行した。米国に出張すると時差が14時間もあるため、昼と夜が完全に逆転し、何時に就寝しても朝2時台で目が覚めてしまう。年齢とともに時差ボケがなかなか解消しにくくなってきたため、現地に滞在していた間はずっと睡眠不足に悩まされた。でも、そのおかげもあって、早く起き過ぎて夜明けが訪れるまでの4時間、仕事の準備の合間に相当量の読書を進められたし、日中も訪問先でのアポの待ち時間を使うことができた。

8人の新進作家によるアンソロジー。まあ面白かったことは面白かったが、どれも帯に短し襷に長しという感じ。強いて挙げるなら、ワシントンのダウンタウンのPotbellyでサンドイッチを食べながら読んだ越谷オサムの『ジャンピングニー』だろうか。漫画家志望の女性のアパートに上がり込んできたプロレスラーの彼氏という設定が奇抜かと。でも、全体を通しては、むしろ、どの作品をどういう状況で読んでいたかの方が記憶に残っている。

僕がアンソロジーを手にする際のポイントは、応援している朝井リョウくんの作品が収録されているからだが、実はこの本を3ヵ月積読状態にしてしまった最大の理由は、トップバッターで掲載されていた朝井クンの作品が僕的にはちょっとピンと来なかったからだ。彼独特の表現は健在で、僕らが普段何気なく見ているものをこういう風に表現できるんだという意外感は作品の随所に見られるんだけれど、どうも学生さんの同居者探しといった内容の話は、アラフィフのオジサンには合わないようだ。むしろ、同居者のどちらか一方でも40代に片足を突っ込んでいるような話なら、ちょっとは親近感が湧くが、現実的にはそういうシチュエーションは少ないのではないかと言う想像もしてしまう。

こういう本が合わない年齢になったのかなと思うと、ちょっと寂しさも感じる。

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