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『あの街で二人は』 [読書日記]

あの街で二人は: ‐seven love stories‐ (新潮文庫)

あの街で二人は: ‐seven love stories‐ (新潮文庫)

  • 作者: 村山 由佳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/05/28
  • メディア: 文庫
内容紹介
私はきっと、探していたんだと思う。迷える恋の行きつく場所を。心が解き放たれる瞬間を――。隠してきた気持ちを打ち明ける決意、恋人未満の男友だちとの転機。そして、平凡な日常を鮮やかに一変させた大恋愛。すべて、あの風景に出会ったことがきっかけだった。全国の「恋人の聖地」を舞台に、七人の作家たちが彷徨う想いを丁寧に紡ぎだす。宝石のようにきらめく最高のアンソロジー。

またまた自分の読書の新刊ネタの仕入れ元の話の続きであるが、件数は少ないけど、ご贔屓にしている作家についての新刊情報は、僕が読書記録の管理をしている「読書メーター」でも確認することができる。先週、その「読メ」のアラートメッセージで、朝井リョウくんの作品を収録したアンソロジーがまた新潮文庫から出るというのを知った。ここ2ヶ月ずっとハマっていた仕事のケリがようやくついた感じで、この週末は月曜日にオマケの有休をくっつけて、三連休にした。持ち帰る仕事もほとんどないため、金曜日の帰宅途中、自宅の最寄り駅の書店に立ち寄った。軽めの小説でも何か読もうかと思ったからだ。当然ながら、お目当てだった『この部屋で君と』を探した。でも、残念なことに見つからなかった。

新潮文庫の棚でアンソロジーが何冊か置かれている場所はだいたいあたりがついていたが、そこにあったのは『この部屋で君と』ではなく、『あの街で二人は』という、別のアンソロジーだった。振り上げた拳の下ろしどころがない状態だったので、買わずに帰るというのは考えられなくなっており、予定でもなかったアンソロジーを購入してしまった。

三連休にしたわりには、土日とあまり体調が良くない。今日はこれから医者に診てもらいに行くことにしている。土曜日は朝起きた時点で風邪のひきはじめのような症状で、微熱に加えて下痢もあった。それでも娘の中学の文化祭には出かけたが、3時間も歩いていると途中でお腹が何度もきつくなった。日曜日が剣道の試合だったので、前夜の道場稽古は本当は行きたかったんだけど、大事をとってお休みし、早めに就寝した。翌日、調子は回復したような気もしたが、試合会場に行ってみるとやはり微熱と下痢のダブルパンチ。試合本番前にトイレに駆け込むなんて、ここ数年経験もしたことがない。試合の方は初戦敗退だったので、試合で疲れたということはないが、1日会場にいたら、脱水になったのか左首筋の痛みがひどくなり、結局この日も20時過ぎには就寝した。

就寝したからと言って、横になっていただけのことで、横になった姿勢で読書していた。病床で本を読むには、文庫本はなかなかハンディで良いということ。おかげで、『あの街で二人は』は二晩でほとんど読み切った。

アンソロジーは収録作品が全部アタリというのを期待していたわけじゃなく、1冊の中に印象に残る作品が1つか2つあればいい、あるいは気になる作家と出会えればラッキーぐらいの気持ちで読んでればいいと思う。今回収録作品を書かれている作家は、全員が過去にその人の作品を読んだことがないので、その点で楽しみな部分もあったのだが、結論から言うと、全作品がピンと来なかった。

断わっておくが、この収録作品を書いた作家は全員女性である(と思う、ちょっと自信がない)。その作品を、アラフィフティの僕が読んだって、ピンとくるものがないのは当たり前だ。だから、この記事を読んだ人全員に、このアンソロジーはお薦めしないと言うつもりはない。僕と同じ年代の男性読者には、あまりマッチする作品ではないということだ。ちょっとばかりぬるさの残る作品ばかりだったし、登場する男性もなんだかね。とにかくピンと来ないのである。それに、僕自身、恋愛の聖地にあやかって恋に落ちたなんて経験もしてないし、そんな聖地があることも知らない。そういう「聖地」にあやかって出会いとか関係が深まるとか、そういうのってあまりピンと来ないんだよね。

病床での読書だということで許したい気持ちもある一方で、こういう、病状回復後に何らか続いていかないような読書をしていて本当にいいのか、時間を無駄に過ごしてしまったという後悔の念がかなり残る。後味の悪い読書だった。

今困っているのは買ってしまったこの本の処理。女性読者が読むにはいいのかもしれないが、うちの場合は妻は読書しないし、比較的本を読んでくれる中3の娘に渡すにはちょっときわどい描写もある。僕の蔵書として胸を張れる作品でもないので、やっぱりBOOK-OFF行きかなと漠然と思っている。

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