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『都市・地域の新潮流』 [仕事の小ネタ]

都市・地域の新潮流―人口減少時代の地域づくりとビジネスチャンス

都市・地域の新潮流―人口減少時代の地域づくりとビジネスチャンス

  • 作者: 三菱総合研究所地域経営研究センター
  • 出版社/メーカー: 日刊建設工業新聞社
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 単行本
内容(「MARC」データベースより)
日本の担っているそれぞれの都市・地域の中で、時代の転換期において生じている変化や視点、ビジネスの萌芽及びそれらを踏まえた将来に向けての戦略についてまとめる。『日刊建設工業新聞』連載に加筆・修正し単行本化。

どこの部署に異動しても、いったん得た本づくりの経験は生かせということのようだ。

今、僕は、会社で日刊新聞に月イチの特集記事の枠をもらって、その執筆の手配の仕事をしている。今の部署の前部長が新聞社から枠を取ってきたもので、既にその部長は役員に昇格され、僕は前任者からの引継ぎでこの仕事をやっているが、正直なところ今の僕の本業との関連性がなかなか見出せず、時々なんで僕がこの仕事をやらなければならないのかわからなくなることもある。僕に部下がいないわけでもないのだが、本来業務ではないのでこの仕事自体を部下に振ることもままならない。もっぱら僕が自分で執筆分担の差配をやっている状況だ。

人間、組織の中である程度経験を積み上げていけば、所属する組織の中で与えられた仕事とは異なる、「課外活動」が徐々に増えてくるものなのだろう。

この月イチ寄稿は、既に二巡目に入っている。24ヵ月も連載できれば、せっかく書いたものは1冊の本に纏めておきたくなるのが心情で、この連載枠を取って来られて今でも初稿の校閲に積極的に関与されている役員からは、二巡目が終わったところでそろそろ本の出版を考えろと言われている。

ただ、1回2,000字の寄稿を24回分まとめても48,000字にしかならない。僕が本を書いた時でも目安は80,000字と言われていたので、実は未だコンテンツとしては全然足りない。総説や囲みコラムで相当な穴埋めをしないと、まだまだ本には纏められないのではないかと思う。そんなわけで、参考になりそうなものということで本書を読んでみた。本書も、基本的には月イチ寄稿を2年続けたものがベースとなっている。本にするのに未だ不足する文字数の補い方として、先に述べた囲みコラムや総説に加え、対談というのもあるのかというのがわかった。

発刊年からすると、扱っているネタがちょっと古いところは気になった。今だったら、スマートシティ、環境未来都市、LRT(次世代路面電車システム)、高齢社会への取組み等をもっと含めた方がいいのだろう。単に本の構成のされ方だけでなく、中身にも多少は興味があり、コンパクトシティや官民連携、鉄道会社が顧客志向の総合地域サービス業に転身を図っている話等は面白かったが…。

6月にソウルに出張させてもらった際、宿泊先の近くに清渓川という川があって、その周辺がきれいに整備されて、飲食街が形成されていたが(下写真)、本書によると、このエリアは少し前までは高架の道路で覆われていたらしい。その道路を取り壊し、川を昔の清流のままに復元するというプロジェクトが、当時の李明博市長、その後の韓国大統領のリーダーシップによって行われたのだそうだ。ジョギングやってるだけでは全然わからなかった話だが、本書を読んでようやく理解できた。

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結局、本書は新聞コラムの寄せ集めなので、総花的であることは致し方ない。深掘りしたければ別の専門書で各項目についてさらに調べていくことが必要なのだろう。ないものねだりなのはわかっているけれど、こういう取組みのうち、何が世界的に誇れる日本の知見なのか、何が日本独自のユニークな取組みなのか、示してもらえるともっと良かったように思う。例えば僕が鉄道会社の取組みに興味を持ったのは、公共交通機関に基盤を置き、自動車に依存しない社会を目指した「公共交通指向型都市開発」を進めるための土地収用について、他国よりもうまく進めた事例が日本にあるからなのだが、これについては僕の知人が間もなく本を出そうとされており、そのうちブログでご紹介できる時も来るだろう。

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