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『休む技術』(その1) [健康]

休む技術

休む技術

  • 作者: 西多 昌規
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2013/05/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
休憩か?仕事か?と迷ったら?やることがありすぎて「今、何をすればいいんだっけ」と混乱したら?大失敗のダメージにくじけそうになったら?休んでも休んだ気がしなくなったら?そんなときこそ、上手に休んで切り替えよう。こころもからだも人間関係も「やらなきゃダメ」も…かしこいオフで効率アップ。
職場での僕の仕事ぶりはというと、ここ3ヵ月ほどは他の組織やうちの役員から持ち込まれた解のなかなか見いだせないタスクのお陰で、1日3時間睡眠の日が1週間続くというケースが断続的に起きてきた。未だに正解が見いだせたわけでもなく、先はまだ長いが、少なくとも3月末頃に感じていた「お先真っ暗」感はだいぶ薄れてきた。正解ではないけれど、正解に近いところまでは来ている手ごたえはあるし、ものすごい力仕事が必要だった時期は取りあえず切り抜けたということなのだろう。

どんな仕事かひと言で言い表すのは難しいが、要するにあるテーマに関する我が社の考え方を、A4用紙で10ページ少々の英文で作るという作業である。そこには当然社長の意向も反映させなければならないし、複数の役員も絡む。関係する部署も幾つかあるし、さらには社内ではないがこのペーパーを外で使いたがっている大株主の意向も無視できない。それぞれの思惑に微妙にズレがあるので、どこかを立てると他のどこかが立たないというジレンマが生じる。しかも、僕は数年前に自分の40年かけて培ってきた自分の英作文能力に関する自信を前社長にズタズタにされた精神的なトラウマがあり、会社の公式文書を英文で書くという作業自体に対する恐怖感が半端なかった。

人が書く英文には必ず癖がある。それに元々トラウマを抱えた人間が携わっているんだから、少なくとも複数の人間がその英文にいろいろ手を加えていかないと、この作業はなかなか前に進まないし、良い文章になっていかない。僕が本当に苦しいと思ったのは、この最初の英文ドラフトを僕1人で書かされ、それが現社長のところまでそのまま上げられるという作業の進め方だった。8割まで自分が仕上げれば、残りの2割は他の役職員が埋めてくれるという安心感さえあれば僕自身も頑張れないことはないが、いきなり100%にまで僕1人で押し上げろと期待されても精神的に持たない。元々自分の意志で始めた作業でもないし、それで出来上がった英文ドラフトに社長や役員、大株主から、「論理的でない」「意味不明」「こんな書き方では書いた人の無知がわかる」等のありがたいお言葉を頂戴してしまうと、もう浮かばれない。それじゃどうすればいいのと途方に暮れてしまう。この作業には自分は力量が足りないのだから、気に入らないならとっとと誰かと入れ替えて下さいよと開き直るしかない。

しかも、その作業に集中できる環境が僕の職場には用意されていない。4月に席替えが行なわれ、僕の座席は打合せ用のテーブルから至近距離に配置された。ここで打合せが始まるとうるさくて全然集中できない。また4月から来られた新しい上司は独り言が多い人で、しかも朝型のワークスタイルなので、僕が8時前に出勤して作業を始めても、僕の席から近いところで独り言を聞かされるとこれまた気になって仕事に集中できない。我が社の本社は大部屋にチーム毎に「島」を形成するような職場のレイアウトになっており、周囲がうるさいからといって別の場所に一時避難してそこで集中して仕事するというわけにもいかない。逃げ場がないのである。そこで考えた苦肉の策は、ノイズキャンセリング機能付きの大型ヘッドフォンを着用し、YouTubeから作業に集中できるBGMを選曲してそれを聴きながら仕事するというものだ。

こんな苦闘の経験から言えることは、第1に、人の労働時間、特に、「今晩中に資料を送っておいてくれれば、明日の朝イチで読んでおくから」という上からの声で、深夜までの残業が規定されてしまうことが多いということ。第2に、今の世の中人件費はギリギリまで切り詰めて人の張り付けは行なわれているので、チームで100%を目指すような仕事のやり方ではなく、1人で100%のレベルに到達させることが期待されていることが多い。第3に、人がその作業に集中できるかどうかは、その人の座席の置かれた位置にも相当左右されるということ。

睡眠不足では、日中の作業効率が極めて低下するというのは僕自身何度も経験していて、よくわかっていることだ。しかし、集中しようと思ったら日中の低能率は多少犠牲にしても、残業して周囲に人が少なくなってからの方がやりやすいということもある。週末に持ち帰り残業などしたくはないが、どうしてもそうせざるを得ないといった事態は意外と多いのである。

本日ご紹介するような本を読むと、僕らがやっていることが間違っているという前提で著者は正論をおっしゃっていることが多い。でも、僕らの仕事は各々の職場の文脈で規定されているところがかなり多いので、著者の正論がいつも正論であるという保証はない。

*ちょっと長くなりそうなので、いったんこの記事は終了します。続きは次回!
タグ:西多昌規
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コメント 1

Nicky

お疲れ様です。
私は4月から今の仕事をやり始め、いわゆる自由業なのですが、時間のフレキシビリティーは前の職場に比べると格段にありますが、仕事をしているのか遊んでいるのかわからないことも多いですし、絶えずどうすればうまく説明して理解してもらえるのか前よりもずっと考えています。

オンオフ何で区別のつかせようがないポジションもあると思います。

by Nicky (2014-07-10 22:00) 

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