寸評:今月読んだ本(2014年4月) [読書日記]
4月もあっという間に月末を迎えています。今月は、シリーズものの書籍を数冊まとめて1つの記事で紹介したりしたので、記事の件数としては少ないけれど、実は読んだ本の冊数は3月よりも多いのです。月末を迎えるにあたり、今月中に実は手をつけていたのに、ブログで紹介できていなかった本をまとめて取り上げます。
この本の場合、次男が持って帰ってきた後に最初に読み始めたのは妻であった。ふだん実用書以外の本にあまり手を出さない我が妻が、夕食後この本を読み始め、1時間ほど熱中して読んでいた。我が家は妻の実家から至近距離にあり、5年前までは祖母も健在であったが、その生前の祖母の姿と本書に出てくる認知症の老母を重ね合わせて読んでいたのだろう。読みながら号泣していた。
ローカル紙で連載していたものが単行本化したようだ。本にならなかったらこの認知症の親の介護の日々を淡々と描いた4コマ/8コマ・マンガと出会うことはなかったかもしれない。
そう思っていたのだが、なんと我が家で購読している東京新聞では、今年度より、毎週月曜日の連載でこの「ペコロス」の4コマ・マンガが2編掲載されているのに気付いた。意外と身近なところにあったわけだが、本書を読んでいなかったら意識もしてなかったに違いない。
![月刊 Dragons (ドラゴンズ) 2014年 05月号 [雑誌] 月刊 Dragons (ドラゴンズ) 2014年 05月号 [雑誌]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/519D8X8afRL._SL160_.jpg)
年度が替わってからの月ドラの編集には不満な点が多い。これまでも決して褒められた編集内容ではなかったと思うが、4月号からはますますひどくなった。また、月ドラでフィーチャーされた選手が低迷するというのも皮肉な結果になっている。
5月号の表紙は開幕投手も務めた大野雄大投手だった。開幕1ヵ月にして依然勝てない大野。直近の登板試合でも四球連発でいきなり初回に5失点。ヤクルトの連敗ストップに見事に貢献し、二軍落ちが通告された。同じくルーキー又吉克樹投手も、皮肉なことに本誌で取り上げられた直後、二軍で再調整することになった。こちらはむしろ登板過多が原因で調子を落としているのが気になった。
活躍している選手を重点的に取り上げる編集をもっと心掛けて欲しいものだと思う。イケメンだからといって二軍選手を取り上げたら、選手に甘えが生じるのではないかと気になる。チアドラも2~4ページも取り上げられているが、ナゴヤドームでしか会えないチアガールをフィーチャーされても、東京のファンはいかんともしがたいし、揃いも揃って茶髪で、ナゴヤってそんな子ばかりいるのかとちょっとがっかりさせられたりもする。
野球観戦のガイドとして携行できるような重厚感もある内容になってほしいというのが僕の希望である。
森絵都の作品などほとんど読まないし、最近は『カラフル』を高校生の長男が学校で借りてくるぐらいだから、森作品の主要読者は高校生や大学生だと言ってよい。ジャンルとしてはファンタジー小説にあたる。タイトルからは高校の陸上部を想像していたが、むしろ異なる背景を背負って集められた性別、年齢層、いずれもバラバラのランニングクラブのメンバーが、一緒にフルマラソン完走を目指すという話になっている。
駅伝でなく普通のマラソン大会であっても、チームで目標とする大会を決めて一緒に練習を積んで出場する楽しさを改めて感じることができる、読んでいてなかなか楽しい小説だ。
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内容紹介近所のコミセン図書室に出かけ、僕が『播磨灘物語』を借りたのに対し、一緒に連れてきた小学生の次男がマンガだからという理由で借りたもの。次男が図書館で借りる本は、帰宅後は積読状態で2週間放置されることが多い。簡単に読み終われるからいつでも読めると思っているからか、帰宅してもすぐに読むのにとりかかれない。逆に、家族の誰かがそれを読んでいることが多い。
母は、人生の重荷を下したかのように、ゆっくりとゆっくりとボケていきました―――。62歳、無名の“ハゲちゃびん"漫画家が、施設に暮らす認知症の母との「可笑しく」も「切ない」日々を綴った感動のコミックエッセイ! 40歳で故郷長崎にUターンした漫画家(62歳)が、親の老いを見つめてきた日々の、笑えて、温かくて、どこか切ない家族の物語。主人公は、認知症と診断され施設に暮らす現在89歳の母。母が見せる「人生の重荷を下ろしたとびっきりの笑顔」や、著者のはげた頭を見て名前を思い出すエピソード、時折つぶやく亡き父との思い出話などを描いたコミックエッセイです。
「忘れること、ボケることは、悪いことばかりじゃないんだ。母を見ていてそう思った」
この本の場合、次男が持って帰ってきた後に最初に読み始めたのは妻であった。ふだん実用書以外の本にあまり手を出さない我が妻が、夕食後この本を読み始め、1時間ほど熱中して読んでいた。我が家は妻の実家から至近距離にあり、5年前までは祖母も健在であったが、その生前の祖母の姿と本書に出てくる認知症の老母を重ね合わせて読んでいたのだろう。読みながら号泣していた。
ローカル紙で連載していたものが単行本化したようだ。本にならなかったらこの認知症の親の介護の日々を淡々と描いた4コマ/8コマ・マンガと出会うことはなかったかもしれない。
そう思っていたのだが、なんと我が家で購読している東京新聞では、今年度より、毎週月曜日の連載でこの「ペコロス」の4コマ・マンガが2編掲載されているのに気付いた。意外と身近なところにあったわけだが、本書を読んでいなかったら意識もしてなかったに違いない。
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![月刊 Dragons (ドラゴンズ) 2014年 05月号 [雑誌] 月刊 Dragons (ドラゴンズ) 2014年 05月号 [雑誌]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/519D8X8afRL._SL160_.jpg)
月刊 Dragons (ドラゴンズ) 2014年 05月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 中日新聞社
- 発売日: 2014/04/22
- メディア: 雑誌
年度が替わってからの月ドラの編集には不満な点が多い。これまでも決して褒められた編集内容ではなかったと思うが、4月号からはますますひどくなった。また、月ドラでフィーチャーされた選手が低迷するというのも皮肉な結果になっている。
5月号の表紙は開幕投手も務めた大野雄大投手だった。開幕1ヵ月にして依然勝てない大野。直近の登板試合でも四球連発でいきなり初回に5失点。ヤクルトの連敗ストップに見事に貢献し、二軍落ちが通告された。同じくルーキー又吉克樹投手も、皮肉なことに本誌で取り上げられた直後、二軍で再調整することになった。こちらはむしろ登板過多が原因で調子を落としているのが気になった。
活躍している選手を重点的に取り上げる編集をもっと心掛けて欲しいものだと思う。イケメンだからといって二軍選手を取り上げたら、選手に甘えが生じるのではないかと気になる。チアドラも2~4ページも取り上げられているが、ナゴヤドームでしか会えないチアガールをフィーチャーされても、東京のファンはいかんともしがたいし、揃いも揃って茶髪で、ナゴヤってそんな子ばかりいるのかとちょっとがっかりさせられたりもする。
野球観戦のガイドとして携行できるような重厚感もある内容になってほしいというのが僕の希望である。
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内容(「BOOK」データベースより)ページ数の割にはあっという間に読んでしまえる小説である。これも、近所のコミセン図書室で『播磨灘物語』の付け合わせのような形で借りて読むことにした。
9年前、家族を事故で失った環は、大学を中退し孤独な日々を送っていた。ある日、仲良くなった紺野さんからもらった自転車に導かれ、異世界に紛れ込んでしまう。そこには亡くなったはずの一家が暮らしていた。やがて事情により自転車を手放すことになった環は、家族に会いたい一心で“あちらの世界”までの道のりを自らの足で走り抜く決意をするが…。哀しみを乗り越え懸命に生きる姿を丁寧に描いた、感涙の青春ストーリー。
森絵都の作品などほとんど読まないし、最近は『カラフル』を高校生の長男が学校で借りてくるぐらいだから、森作品の主要読者は高校生や大学生だと言ってよい。ジャンルとしてはファンタジー小説にあたる。タイトルからは高校の陸上部を想像していたが、むしろ異なる背景を背負って集められた性別、年齢層、いずれもバラバラのランニングクラブのメンバーが、一緒にフルマラソン完走を目指すという話になっている。
駅伝でなく普通のマラソン大会であっても、チームで目標とする大会を決めて一緒に練習を積んで出場する楽しさを改めて感じることができる、読んでいてなかなか楽しい小説だ。
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