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『インフォーマル組織力』 [読書日記]

インフォーマル組織力 -組織を動かすリーダーの論理-

インフォーマル組織力 -組織を動かすリーダーの論理-

  • 作者: ジョン・R. カッツェンバック、ジア・カーン
  • 出版社/メーカー: 税務経理協会
  • 発売日: 2011/10/28
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
本書は、リーダーシップ、組織文化、組織パフォーマンスに精通しているジョン・カッツェンバックと、インフォーマル組織研究のパイオニアであるジア・カンによる、最高のパフォーマンスを上げる組織の作り方を解説する。
最近、ブログの記事更新が滞りすぎですねぇ。いろいろ理由はあるが、結局忙しすぎるのだ。ただ、悪くない忙しさではある。今の職場に来て5ヵ月目突入したところだが、毎日緊張を強いられるシーンはあるし、新しいことを調べていかなければならないのでしんどいものの、少なくとも前にいた部署よりはいい。毎日取りあえずここまではやったという小さな達成感を感じながら夜職場を後にできる。朝は8時出勤で、夜は平均すると20時台だと思うが、月曜から金曜までずっと23時過ぎまで残業を続け、ついでの土曜も出勤したということもあった。

何で忙しいのか。その理由の何パーセントかは、我が社全体のナレッジマネジメントの強化に関わっているからである。前の部署にいた頃から、別の問題意識があってこの手の組織経営の本は何冊か読んではいたが、それが思わぬ形で役に立っている。少なくとも、1から覚えるようなテーマではないから、意外と早く議論にキャッチアップできた。また、そうした蓄積の中からつまみ食いして、社員向けセミナーで自分が講師を務める際にスライドに反映させている。

さて、本書はまさに僕が講義で引用している『コミットメント経営』の著者であるカッツェンバックが共同執筆している本の邦訳であったので前から気になっていて、ゆえに読んでみることにしたものだ。『コミットメント経営』から同じ事例を相当に引っ張ってきているため、正直あまり目新しい本ではなかった。『コミットメント経営』では金銭的報酬以外の手段で組織のパフォーマンスを上げることについて強調されていたが、『インフォーマル組織力』はこれにネットワーク組織論も組み合わせて、フォーマル組織とインフォーマルな社内ネットワークの両方が必要だという主張をしている。「第一にインフォーマルは組織にうまく利用できること、第二にインフォーマルはそれ単体では完全なソリューションではないことから、マネジャーはフォーマルとインフォーマルの両方をうまく使う方法を確立する必要がある」(p.8)と著者は考えます。そして最も重要なのは、この2つの最適なバランスは会社や事業内容、経営環境によって大幅に変わってくるということである。

これはごくまっとうな主張である。会社には「~部~課~グループ」といった所属部署を規定するフォーマルな縦割り組織だけでなく、部署の垣根を越えたネットワークが存在する。同じ興味や専門性を持つCOP(コミュニティ・オブ・プラクティス)のようなものもあれば、同期社員のネットワーク、勤務地別のOBネットワーク等、属性によって様々なネットワークが存在する。政策的に形成支援されているネットワークもあれば、放っておいても形成されるようなネットワークもある。別に本書で言われなくても、フォーマルとインフォーマルを組み合わせている会社組織はそう珍しいものではない。

その点ではちょっとがっかりした内容だった。変に「です・ます」調の文章にしなければもっと読みやすかったのかもしれない。他社の事例を並べられても、「じゃあ我が社ではどうなの?」という疑問は払拭できなかった。

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