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『FabLife(ファブライフ)』 [仕事の小ネタ]

FabLife ―デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」 (Make: Japan Books)

FabLife ―デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」 (Make: Japan Books)

  • 作者: 田中 浩也
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2012/06/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
本書は、工業機械の小型化、デジタル化(デジタルファブリケーション)と、ネットワークでつながる個人が生んだムーブメント「工業の個人化(パーソナルファブリケーション)」について、ファブラボジャパンの発起人がはじめて綴る書籍です。MITメディアラボの人気授業「(ほぼ)なんでもつくる方法」体験記、世界各地のファブラボの活動など、ムーブメントの最前線を紹介。エンジニア、デザイナー、アーティスト、ハッカーなど多様な人々が支持し、成長を続けるこのムーブメントについて、知りたい、参加したいと考えるすべての読者におすすめします。
実を言うと、この本は随分前に一度図書館で借りて読んだ。たぶん今後もお世話になると思ったので、中古で1冊購入することにした。でも、なんとなく再読のタイミングを掴めないでいるうちに師走を迎え、折角読んであったのにブログでちゃんと紹介せずにこれ以上いたずらに時間を浪費するのも惜しいので、そろそろ紹介することにしたい。

本書は、ここ2ヶ月の間に僕が興味を持ち始めた「ファブラボ」というデジタル工房について集中的に書かれた本だ。ものづくりの復権、デザイナーや建築家が持つ潜在性という観点からは既に何冊か紹介させてもらったが、ファブラボそのものについて書かれた本は国内でもまだ珍しい。それくらい新しい現象といえるかもしれない。ファブラボと呼ばれる施設は日本国内にもまだ数ヵ所にしかないし、アジア全域を見渡してみてもさらに少ない。マサチューセッツ工科大(MIT)がアフリカを中心に支援しているところはあるものの、全世界で見ても欧米に集中しているという印象だ。

ファブラボ・ジャパンのネットワークで制作したファブラボ紹介ビデオというのがあったので、それをご覧下さい。



本書は、日本におけるファブラボ活動の第一人者である著者が、MITのものづくり講座を6ヵ月間受講した体験記や、ファブラボの起源とその展開、ファブラボを構成する工作機械、ファブラボでどのようなものを作ることができるのか、今後の可能性などについて語ったものである。3Dプリンターが開発されてきたことで、自分が作ってみたいものを構成するパーツも殆ど自室で作れるようになってきたので、ほぼ何でも製作できるようになってきたのである。

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《3Dプリンターもいろいろあるそうで…》

この本を読んで、勿論僕はファブラボの途上国展開も考えたのだが、それともう1つ、こういうものづくりの実践に、できるだけ早い時期からうちの子供たちでも参加してくれないものかと思った。高1のうちの長男は、今もガンプラ製作を趣味としているが、単に既存のパーツを組み立てるだけではなく、好みのパーツを自分で設計・製作できるようになっていって欲しいし、さらに言えば、単に造形をやるだけでなく、メカニックの方にも興味を持って、実際に動く模型を製作できるようになっていってくれたらと期待している。

そういう意味では、国内でももっとファブラボが開設され、うちの近所にも出来ないものかなと楽しみにしている。

ただ、こんな意見もある。これはこの週末に帰省した際に弟から聞いた話である。弟はいわゆるエンジニアで、3Dプリンターも購入して実際に使っている。当然「ファブラボ」についても既に知っており、文系人間の僕がファブラボ、ファブラボと言い始めたことには驚いたと言っていた。僕の眼から見たら、途上国でなかなか手に入らないスペアパーツを現場で3Dプリンターを使って製作したり、その原材料として砂漠の砂や使用済みPETボトル等を利用したりできれば、途上国で僕らが直面する問題の解決にも相当つながりそうだと安易に感じるのだが、弟に言わせると、3Dプリンターで制作されるものは、精度や強度がまだまだ足りないのだという。

高校生や大学生が自分だけのためのちょっとした装置を製作して自分で使うというレベルなら大いに勧めるが、精密機械の部品のオーダーメイドとか、商業生産とかにはまだ向かない。3Dプリンターの性能にはまだまだピンからキリまであるというのが、弟の見解だった。


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