『スピーキング英語辞典』 [英語一期一会]

生きた言葉を身につけるスピーキング英語辞典〈2〉ワンランク上の英語表現法 (ベストセラーシリーズ・ワニの本)
- 作者: 松本 道弘
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 1993/12
- メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)自宅の書棚にあった古い本をご紹介する。購入したのは1993年12月、今から20年も前の本である。
約500の言えそうで言えない表現を満載。使用するのは簡単な単語でも、表現としては奥が深い…。そんな言葉ばかりを集めた、画期的な“読む辞典”。
このブログであまり英語を話題に取り上げることは少ないが、僕は学生時代にそれなりに英語の勉強をした。お蔭で奨学金までいただいて米国留学までしたし、そこに至る過程では神田の大手書店に販売ブースを常設している語学テープのお店でデモンストレーターのバイトをやって、勤務時間中テープを流しっぱなしにして、フレーズを覚えるようなこともやった。今でいう『スピードラーニング』の自己アレンジだ。
英語を覚えるための書籍を何冊も購入し、試してみたりもした。たいていの本は最後まで読み切れずに終わってしまったが、それは多くの場合単語の語法を扱っていて、辞書のような感覚での活用になるので、最初から最後まで読み進めるというよりは、必要な時に調べるというタイプの活用の仕方が多かったからだと思う。
そうした中でも特にお世話になったのが、松本道弘さんの一連の著作である。「松本道弘」といったら、当初は英語によるディベート(討論)に関する本が特に有名だが、この方は1980年代には特に多作で、ディベート以外にも、「GiveとGet」、「スピーキング英語」、「TIMEを読む/FENを聴く」の3つのシリーズは面白くて、何冊か購入して自宅の蔵書としていた。
93年に購入した『スピーキング英語辞典』は、81年に初版がワニブックスから出た『英単語スピーキング』の続編である。今手元に『英単語スピーキング』がないのでご紹介するのが難しいが、日本語の独特な表現を辞書形式で挙げ、それを英語でどう言うかというのを列挙している。基本は1対1対応となっているが、英文については類似表現を数点挙げていて、元々口語表現だから各例文を何度か音読すればそれなりに口慣らしになるし、それで表現を覚えて外国人相手に用いれば、『スピードラーニング』に近い効果が期待できる。
大学1年生の時、住んでいた目白の駅前の書店で『英単語スピーキング』を見つけた時の衝撃は今でも忘れることはできない。その続編だから、『スピーキング英語辞典』も刊行からけっこう早い時期に購入した筈なのだが、その頃は今の会社に就職もしており、口語表現をもっと覚えようというインセンティブもあまりなく、続編は惰性で購入したので、いつどこの書店で購入したのかが全く思い出せない。
では、本書にはどんな表現が収録されているのだろうか―――。
➀朝めし前さ。
②はっきりさせよう。
③景気はどう?
④しらけるなぁ。
⑤久しぶりだね。
⑥お帰りなさい。
⑦気を悪くしないで。
⑧バレたか。
⑨じゃあ、また。
⑩がんばれよ。
以上の表現を気の利いた口語表現にすると、こんな感じらしい。
➀It's no big deal.
②Get it straight.
③How's busiess?
④What a kill-joy!
⑤It's been a while.
⑥You're home.
⑦No offence.
⑧You caught me.
⑨Talk to you again.
⑩Give it all you've got. / Good luck!
著者によれば、本書はこんな問題意識から編集されたらしい―――。
ほんの十数年前とくらべてみても、日本人の日常への英語文化の浸透ぶりには目を見張るものがある。
身のまわりにはアルファベットが氾濫し、外国人と接する機会も飛躍的に増えた。
そんな時代の中で、”斬れる英語”への欲求は高まる一方である。
英語を「点」でしかとらえられない従来の和英辞典では、そのニーズに応えることはできなくなるだろう。
生きた口語表現は「線」だからである。
斬れる日常英語をギッシリつめこんだ「使って喋れる辞書」、
そして、ただ引くだけではなく「楽しく読める辞書」
―――そのコンセプトをもとに作ったのが本書である。
簡単な英単語で、いえそうでいえない日本語の言いまわしばかりを集めてある。
すでにある程度の会話ができる方にも、これから口語英語を学ぼうという方々にとっても、
きっと満足いただける内容であると確信している。
購入してから20年が経過するが、いまだに手放すのが惜しい。さすがに20年も経つと例文は古くなった気はするものの、多くの表現は今でも十分通用すると思う。高校の英作文で苦戦を強いられているうちの長男とかに使わせてやってもいいくらいだ。今流行りの『スピードラーニング』の代わりに、本書の収録例文を何度も音読やったら、単に聞き流しをするだけの教材よりも舌ならしの効果がありそうだという気がする。
残念ながら僕も歳をとって500以上の例文を丸暗記などとてもできないが、こういうのを電子辞書化してくれたらかなり嬉しいかもしれない。あるいは、スマホのアプリか携帯電話の内蔵辞書に収録されていて、一問一答形式で覚えられるようにしたら、通勤通学の電車の中で、手持無沙汰な時の英語の勉強として最適だと思うのだが、いかがだろうか。
今後松本道弘先生の著書をブログで紹介することも多くはないと思うので、学生時代にお世話になった先生の本を何冊か紹介しておきたい。
タグ:英語
私は大杉 正明先生のラジオ英会話が大好きでした!
英語上達には、良い師匠が欠かせませんね。
by うしこ (2013-11-10 11:35)
うしこさん、コメントありがとうございます。
英語を勉強した時期の違いを少しだけ感じさせられますね。
私がラジオ講座で英語を勉強したのは高校生時代に聴いていた「百万人の英語」でして、國弘正雄先生やハイディ矢野先生のご担当の週が特に好きでした。
國弘正雄先生からは「只管朗読・只管筆者」(ひたすら音読し、ひたすら書くこと)、ハイディ矢野先生からは「ゲラゲラ・メソッド」をはじめとした、日本語の発音で英語をネイティブっぽくしゃべれる方法を学びました。
by Sanchai (2013-11-10 13:07)