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『ともにしあわせになるしあわせ』 [読書日記]

ともにしあわせになるしあわせ――フェリシモで生まれた暮らしと世の中を変える仕事

ともにしあわせになるしあわせ――フェリシモで生まれた暮らしと世の中を変える仕事

  • 作者: 矢崎 和彦
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2013/07/23
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
本気で「しあわせ」のために働く。アイデア光る商品で女性たちの心をつかみ、利益を上げつつ全力で社会貢献。愛される会社「フェリシモ」の考え方と働き方、そして数々の物語。
この本、中身を確認せずにアマゾンで注文して購入した。わざわざ購入したのは、手元に置いておきたかったからである。僕がインド駐在時代に関わったあのプロジェクトがどのように紹介されているのか、そして、そのプロジェクトがフェリシモの社長の目から見てどのように映っているのかを知りたいと思ったし、そういうプロジェクトにお父さんが関わっているんだよと、子供たちに見せてやりたかった。

アイデア光る商品で女性たちの心をつかみ、利益を上げつつ全力で社会貢献する、フェリシモという会社の考え方と働き方、そして社員たちのアイデアから生まれた数々のプロジェクト―――本書ではフェリシモの魅力的なプロジェクトの数々と、それを発案し、実現に向けて走り回った社員が実名で紹介されている。著者は現在のフェリシモの社長である。版元が英治出版であるということは、ある程度本の出版で採算が取れると出版社サイドで踏んだのだろう。とはいえ、本書は社長の名刺代わりにも丁度よく、フェリシモという会社のことがよくわかる。

そうした本なので、一般読者にとってはフェリシモという会社が非常に魅力的なものと映るだろう。矢崎社長は社員ひとりひとりとよくコミュニケーションをとっておられる様子が行間から伝わってくる。どこかの球団の監督みたく、選手とのコミュニケーションすらまともにできないのとは大違いだ。

そこで、本書で紹介されているフェリシモの様々なプロジェクトを挙げてみることにする―――。

「フェリシモの森基金」 述べ400万人の生活者と取り組んだ森づくり
阪神・淡路大震災「もっと、ずっと、きっと」 毎月100円義援金の物語
「ハッピートイズ」プロジェクト 世界に飛びたった笑顔の親善大使たち
「9.11 Tシャツ」 どちらの側の子どもたちにも罪はない
「生活雑貨大賞」 生活者のアイデアをたくさんの「しあわせ」に
「フェリシモ文学賞」 生活者一人ひとりに表現する機会を
「良書復刊プロジェクト」 お客さまとともに文化を守る
「男女ペア下着」 素材や生活に性別はありません
「サンタクロース大賞」 世の中をハッピーにする人を称えよう
「神戸学校」 心の復興のために始めた公開講座
「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト」 個性を活かして自立を支援
「グラミン・フェリシモ」 デザインの力で途上国に仕事をつくる
「ミュニデ」 実用性とかわいらしさの共存
「幸福のチョコレート」 大統領の愛するチョコレート
「女優レッスン」 誰もが人生という名の物語の主役
「シュークラブ」と「信頼市場」 食を通じたしあわせ社会づくりへの挑戦
「500色の色えんぴつ」 夢があるから常識を超えられる
東日本大震災支援活動 得意なことを活かして息の長い支援を
「東北のお母さんプロジェクト」 働く場を失った女性に仕事をつくる
「とうほくIPPOプロジェクト」 未来をつくるプロジェクトを支援

――― あれ? これで全部?

僕も立ち上げに関わり、今もボランティアでお手伝いをさせてもらってるあのプロジェクトがない。社内でこのプロジェクトの枠組みを考案し、今も担当しておられる方は、上で社長が挙げた別のプロジェクトの考案者としてしっかり紹介されている。

それで満足しちゃったんだろうか? それとも、社長にとっては、あのプロジェクトは眼中にないということなのだろうか? これだけ多くのプロジェクトを本書の中で紹介しておきながら、あのプロジェクトには言及すらされていないというのは、どういうことなのだろうか? それとも、別の場でそのプロジェクトをその立ち上げの経緯も含めて紹介するような計画でもあって、あえて本書で取り上げるプロジェクトのラインナップから外されたのだろうか?

なんか納得いかないなぁ。この本を読んだら、同社はバングラデシュとはパイプが太いけれど、インドは西ベンガルの「ゾウの森プロジェクト」以外では何の接点もないのかと思えてしまう。

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