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『きみの町で』 [重松清]

きみの町で

きみの町で

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 朝日出版社
  • 発売日: 2013/05/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
あの町と、この町、あの時と、いまは、つながっている。初めて人生の「なぜ?」と出会ったとき――きみなら、どうする?一緒に立ち止まって考え、並んで歩いてゆく、8つの小さな物語。失ったもの、忘れないこと、生きること。この世界を、ずんずん歩いてゆくために。累計20万部、生きることをまっすぐに考える絵本「こども哲学」から生まれた物語と、新作「あの町で」を収録。
久し振りに、重松作品をご紹介する。今年に入ってから、新しい作品がいくつか出している重松さんだが、最近、想定読者をより低年齢層に絞って書かれているような気がする。本書もそうだし、『また次の春へ』や最近出た文庫本『星のかけら』もそうだ。そして、どうしてもそうなるだろうなと思うのは、3.11後の日本社会を描こうという取組みだ。『また次の春へ』は1冊まるごとそれをモチーフにした作品集だが、本日ご紹介する『きみの町で』にも、「あの町で」と題した4編の短編作品が収録されている。

本書は、「こども哲学」という子供向けの絵本に連載された作品が収録された短編集である。「こども哲学」なる絵本があること自体を知らなかった。シンボリックなのは、冒頭の「よいこととわるいことって、なに?」という作品だ。電車内での座席を巡る子供の葛藤の話だ。これを読む直前、僕はうちの末っ子が見ていたNHKのテレビアニメ『団地ともお』で、同じような電車内で座席を譲るか譲らないか、譲るとしたらどういう場合か、譲らないとしたらどういう場合か、といった検討が小学校の道徳の授業で行なわれるシーンで出てきたのをたまたま目にした。何が正しいのか、その正しさは普遍的なものなのか、考えさせる格好の事例として、電車の車内の出来事というのはなかなかシンボリックだ。

イラストレーターとコラボしてカラーの挿絵があるという重松作品は珍しく、しかも登場する主人公のほとんどが小5~高校生であるため、収録作品をうまく指定すれば我が家の3人の子どもは全員がこの本を読めるような気がする。『団地ともお』を見ていた小4の末っ子であっても、この短編をもとにして考えることができそうだ。(ただ、親が期待したようには子は読む本を選ばないというのも事実なんだけど…)

自分1人で読むのなら、1~2時間程度であっという間に読んでしまうことができる。ただそれだけではもったいないので、いつか家族の誰かが手にして、書かれている内容について話し合う機会が作れるかもしれない。そうした意味でも、この本は我が家の蔵書として常備しておいてもいいのかもしれない。

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