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『国語のできる子どもを育てる』3 [読書日記]

4月にこの本の紹介をしようと考え、二度ほど前置きで実体験を述べた記事を書かせてもらったが、新しいネタを食い散らかしては中途半端で放ったらかしにしてしまう僕の悪いクセが出てしまい、記事が中断してしまっていた。このブログのカテゴリーは「読書日記」なので、本日の記事も本の紹介というよりはむしろ日記だ。ご容赦いただけたらと思う。

国語のできる子どもを育てる (講談社現代新書)

国語のできる子どもを育てる (講談社現代新書)

  • 作者: 工藤 順一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/09/20
  • メディア: 新書

先週末、次男の通う小学校の学校公開というのがあったので、小4の彼のクラスの国語の授業を見学させてもらった。「作文」をやっているというので興味があったからだ。

新学年になってから約3ヵ月、担任の先生は作文に力を入れて下さっているらしく、生徒ひとりひとりが「作文ノート」というのを作り、思い思いのテーマで短い物語を書いている。教室の後ろの壁には、「本が出来上がるまで」というポスターが掲げられ、1冊の小説を作家が書き上げて、それが編集者とのやり取りを経ながら本に仕上がっていくまでの概略が説明されている。生徒たちは、自分が作家になったつもりで、いろいろなお話を創作させられる。いろいろ調べ物をして、文章にまとめ、それをクラスの他の友達の前で読み聞かせて付箋にコメントを書いてもらい、さらに文章をブラッシュアップしていく。

この日の授業では、参観に来ていた父兄に自分の作品を読んでもらい、さらにコメントを書いてもらうという作業が行なわれた。担任の先生は僕が本を書いた経験があるのをご存知なので、「今日は本物の作家さんが来られているので、自分の作文を読んでもらって下さい」と生徒たちをけしかけた。お陰で、僕のところには生徒が4、5人並んでしまい、短時間で子供の作文を読んで理解に努め、その上で子供の作品を褒めるポイントを見つけ、さらに作文を少しだけ良くするための気付きを促すコメントをする、しかも子供が読みやすい字で、という大変な試練を味わうことになった。

そうして何人かの生徒の作文を読ませてもらいながら、感じたことがいくつかある。

1.女の子の書く作文は、日常生活に近いものを題材に選ぶことが多く、描写はしっかりしている。男の子の作文は、空想や思いつきをそのまま文章化しているので状況描写を具体的にイメージするのがすごく難しい。しかも、自分の空想に酔ってしまい、話が面白く発展していくのはいいが、序盤で書いた内容を完全に無視してしまい、通して読むと序盤と終盤の話が整合しなくなる傾向がある。「最初に出てきたあれはどうなっちゃったの?」と問いかけると、彼らもすぐ「あ、そうだった」と気づく。

2.男子も女子も、文を書き進めるうちに、誰の視点で書いているのかがわからなくなってしまうことがあるようだ。そこは先生も何度も注意をされていたところである。実際、普段の我が子の話を聞いていても、主語を省略して喋っているうちにいつの間にか主客逆転する事態に陥ることが多く、僕はその都度、「それは誰がやったの?」という質問をして、軌道修正を図る。うちの子供に特有の現象なのかと思っていたが、他の子の作文を読んでみると、やっぱり同じ傾向が見られる。

3.句点(。)はある程度は意識されているが、読点(、)の意識は男女ともに低いし、段落の切り方についてもほとんど意識されていない。小4の1学期ではまだそこまでは到達していないのかもしれない。音読をやってみればどこで息継ぎするかもっと考えてみることができるだろう。実際、授業の最後にはクラスの1人が代表で自分の作文を朗読していた。今回は時間切れで我が子の作文まで読むことはできなかったが、もし自宅で読んでみてと子供に言われたら、本人にも朗読させてみたいと思う。(読点や段落切りは、普段から本を読むようにしていればある程度は見て覚えることができるのではないだろうか。)

人に読んでもらえる作文を書く練習をこうして国語の時間にやっていただいていることには、大変感謝している。そういう先生の姿勢を見ながら、僕らも親として家庭で子供たちに何をさせたらいいのかを考えていきたい。

ところで、うちの会社では中高生を対象に、エッセイコンテストというのを毎年実施しており、今年度の実施要領が先週発表された。締切は9月中旬ということだし、400字詰め原稿用紙で3、4枚程度の作文なので、ダメもとでもいいのでうちの長男と娘にも書かせてみようかと思っている。

かく言う父親が子供たちに「やれ」と言うばかりでは申し訳がないので、僕も今年の夏は論文を1本書こうと思っている。10月の学会発表用の論文で、8月末までには提出しなければならない。

今回も、本の紹介というよりも、作文にまつわる我が家のエピソードを中心にご紹介してしまった。申し訳ありません。次こそは必ず本の紹介をしたいと思います。
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