『ルフィの仲間力』 [仕事の小ネタ]
ルフィの仲間力 『ONE PIECE』流、周りの人を味方に変える法
- 作者: 安田雪
- 出版社/メーカー: アスコム
- 発売日: 2011/09/20
- メディア: 単行本
以前、『競争の社会的構造』（ロナルド・バート著）を本ブログでご紹介した際、著者のお弟子さんでこの本を日本語に訳した方が自分の言葉で書かれたネットワーク社会学の著書を読んでみたいという感想を述べたことがあった。その後幾つかの図書館で予約して、安田雪さんの著書を数冊借りてきて読みはじめたところで、最も早く、最も気軽に読めた1冊ということで、本日は、著者のお得意なマンガ『ONE PIECE』を題材にしたネットワーク論の著書をご紹介したい。
最初に断っておきたいのは、僕自身は『ONE PIECE』をアニメであっても原作のマンガであっても見たことは一度もない。主人公がルフィというのだというのもつい最近まで知らなかった。うちの子供達の中でも『ONE PIECE』にハマったという奴がいないので、ほとんど接点らしい接点がない。それが理解を妨げたところは正直言ってあるが、著者お得意のネットワーク論から見て強いグループを作るためのヒントとなる事例を、これだけ細かくシリーズ既刊本の各号各章から拾ってこれるというのはすごいことで、著者ご自身の『ONE PIECE』ファンとしての熱烈振りがビンビン伝わってくる。
著者の本を同時に何冊か読んでいると、この人は各章の最後にこの章で学んだことについて要約を必ず入れており、お陰でどれも理解しやすい本に仕上がっているように思う。僕はルフィと麦わらの一味について何の知識も持ち合わせていないので、あの場面でルフィが言ったあのセリフがどうだとか、あの行動がどうだとか、そういう具体的な話はなかなかできないし理解も困難だが、まとめとして『ONE PIECE』から何が言えるのかというまとめの記述を抜き出しておきたい。
【仲間関係に欠かせないもの】
◆自分の夢を持つ
◆自分の意見を言う
◆自分に信念を持つ
◆仲間の数ではなく、仲間の質を大事にする
◆仲間には、自分の感情を解き放つ
◆仲間の助けには、全力で応える
◆なりたい大人、理想のボス像を探す
◆家族や会社の縛りから抜け出す
◆自由と夢は諦めない
（p.61）
【仲間を集める方法】
◆自分たちに欠けているものを仲間にする
◆夢を共有できる人を仲間にする
◆夢を持って、自ら旗を掲げる
◆他者を大事にできる人を仲間にする
◆損得勘定で仲間を選ばない
◆外見や階級に偏見を持たない
◆相手の立場に臆さない
◆偶然会った人を大事にする
◆自分からは手を出さない
◆過去の因縁をいつまでも気にしない
◆目の前にいる人を大事にする
◆第三者を介して、仲直りする
（p.89）
【仲間と助け合う方法】
◆自分の弱さを仲間に見せる
◆仲間の弱さや短所をバカにしない
◆自分の短所は仲間が補い、仲間の短所は自分が補う
◆困ったときは、素直に助けを求める
◆一緒に過ごす時間を増やす
◆言葉によるコミュニケーションを活発にする
◆相手の名前を呼ぶ
◆仲間のためにできることを常に探し続ける
◆お互いに間違いを指摘し、間違いは素直に認める
◆ライバルを仲間だと思う
◆役割によって、リーダーを変える
◆必ず活躍できる場を用意する
（p.125）
【仲間と信頼関係を作る方法】
◆無償の愛を受けた経験を思い出す
◆信頼を得るために、仕事を任す
◆自分から手を挙げる
◆最後までやり遂げる
◆自分の思いを託し、託された思いに応える
◆ルールや規則といった強制力に頼らない
◆仲間の人格や価値観には干渉しない
◆見返りを求めない
◆大きな目標に向かって、みなで困難を乗り越える
◆成功体験を共有する
◆宴会を心から楽しんで、「もう一度、みんなで」と思う
（p.151）
【仲間と共に成長する方法】
◆仲間であり続けるために、自分も成長する
◆仲間全体でバランスよく成長し続けることが大事
◆自分の長所を伸ばし、長所で仲間を助ける
◆自分のためではなく、仲間のために努力する
◆自分の短所はあまり気にしない
◆失敗を他人や社会のせいにしない
◆失敗の原因は自分に落とし込む
◆責任感を強く持つ
◆言葉で仲間を励まし、感謝と褒めの言葉も忘れない
◆上下の立場に関係なく、応援・激励の声をかける
◆仲間の外に仲間のネットワークを広げる
（p.181）
ワンピース。古今東西の読み物の中で、
いちばん面白いと言ってもいいと思います。
by don (2013-05-18 13:02)
娘がまさにハマっております。
こんな仲間が出来るなら、それは本当にすごいことですよね。
by うしこ (2013-05-19 09:52)