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『僕はこうして、苦しい働き方から抜け出した。』 [読書日記]

僕はこうして、苦しい働き方から抜け出した。

僕はこうして、苦しい働き方から抜け出した。

  • 作者: 小倉広
  • 出版社/メーカー: WAVE出版
  • 発売日: 2012/07/24
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
「怒り」「イライラ」「不安」「自己嫌悪」…。転職しても、独立しても、苦しさは消えない。仕事を変えるな、自分を変えろ。「今いる場所」で輝くシンプルな方法。
「仕事を換えるな、自分を変えろ」と言っているわりに、自分はリクルートを辞めてしまった人が書いている。

著者が会社勤めや会社経営の中で失敗し、そこで気付いたことまでが書かれている。人は失敗から学べる動物なのだから、失敗するのはいいが、これだけ失敗談を載せられるとちょっと疲れる。「人生を180度変えるような出来事」が何度も起きていることも驚きだ。180度変えることが二度あったら、元に戻ることになってしまわないか…などとツッコミを入れたくなったりもする。

ほぼ全てが著者の失敗体験なのだが、失敗を時系列で並べてみてほしかった。その方が、社会人経験を積んでいくにつれてどのような思考に陥り、そのような失敗をやりがちなのか、もっとリアルに理解できたし、受け入れられもしたと思う。

ただ、「逆境に陥った時、こんな言葉を思い出しました」というような書き方で、気付きのほとんどは人から言われたことや誰かの本に書かれていたことなので、他人の受け売りのようにも感じるし、また著者の交友関係の広さとか読書量の多さをひけらかしているようにも思えてしまう。このような流れで悩みが解決することが多いということなら、本書を読んでいたことがいつかふと思い出して窮地を脱するという人も出てくるのかもしれない。著者のロジックから言って、それはあり得ることだと思う。

ただ、気付いたら気付いたで、著者がその後どのような行動をとり、結果がどうだったのかまでは意外とあまり書かれていない。つまり、考え方を変えろという以外に、具体的にここをこうしたという行動実践の具体例の提示がないため、効果の実証がされていない。そんなところにも物足りなさを感じる。

こんなに失敗を重ねてきた人が、経営コンサルタントをやっていること、そして著書を沢山書いていることのイメージギャップを整理しきれないでこの記事を書いている。正直なところ、いろいろなショックに耐えられるだけのレジリエンス―はね返す力を持っている人ならいいが、はね返す力を持たない人にとっては、強者の自慢話にしか聞こえないところにつらさを感じる。

1つ1つの言葉には重みも深みもある。なるほどと頷かされたエピソードもないことはない。あまりいい評価をしていないように思われるかもしれないが、1400円という価格と照らし合わせた時、本書は買いたい人は買ってもいいのではないかと思える。一応、内容は確認の上でご判断いただければ幸いです。


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