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桜咲く季節に味わう挫折感 [ご挨拶]


巷ではお花見真っ盛りだった今週、週末に急性アレルギー症状が出て寝込んだだけでなく、自分としてはかなり重大な決断をした。職場でもお花見の企画はなされていたものの、僕自身はこの決断で失うものも大きく、敗北感、挫折感にも襲われて、酒を飲んでのどんちゃん騒ぎに加わる気持ちにはなれずにいる。

既に、一部の友人知人にはメール、SNSでお知らせしたが、3月31日を以て、大学院の博士課程を自主退学することにした。27日(水)に退学届を提出した。既に指導教官にはその意向を伝え、一応の慰留はされたが、最終的には僕の判断を尊重するとのお答えをいただいた。

理由はひと言では語れない。いちばん大きかったのは、僕が今の職場で抱え込んでいる諸々の仕事が近々片付いて自分の研究に復帰できるような目処が全く立たないことである。かといって休学期間を延ばしたところで、今度はうちの子供たちの教育費が2年後からジワジワ効いてくる。いたずらに先延ばししても問題解決にならない、僕はそう考えた。

2007年7月にインド赴任する際、前任者が3年10ヵ月いたから自分もそれくらいいられるだろうと期待し、そこである程度まで博論を書き上げるつもりで研究テーマも決めて博士課程に入った。それが、職場でいろいろあったり、わずか3年で帰国辞令をもらったりと、こちらの描いていたシナリオ通りに進まなかった。帰国して働きはじめた今の職場でも、自分の研究テーマと仕事でやらなければならないこととの折り合いがうまくつけられず、悪循環がずっと続いていた。

今から振り返ると、最初の3年間でイッキにことを進められなかったのがすべてだったと思う。指導教官には大変ご迷惑をかけたし、それ以上に、ここまでに投資した時間とお金を完全にフイにしてしまうこの決断で、家族にいちばん迷惑をかけたと悔いている。

ただ、僕が抱え込んでいる様々な「やるべきこと」を棚卸ししてみると、やはりここで再構成していったん『断・捨・離』の対象とすべきものは捨てないといけない。

―――そう理屈ではわかっているけれど、それによって失うものの大きさに、簡単には気持ちが切り替えられないのが今の心境である。冒頭でも述べた通り、敗北感や挫折感、罪悪感がものすごく大きい。

今後は、今の会社組織の中での自分の行く末を見ながら、自分にできることを少しずつ考えていきたいと思っている。 博論を完全に諦めたわけではなく、研究テーマを見直した上で、大学院という枠に縛られず、書ける論文はコツコツ書いていきたい。その方が、またどこかの大学院で博士課程に再挑戦する際には在籍期間中にやるべきことをなるべく減らせるだろう。

退学届を提出した27日(水)から、子供たちを僕の故郷に行かせている。お陰で、久し振りに妻と2人、ゆっくりと語らう時間もとれた。この決断の重さ、失うものの大きさを最もよく知るのは、容易に研究が進まないのを傍らで見ていた妻だと思う。2人の時間を長くとれたのは、自分にとってはとてもありがたかった。

タグ:研究 大学院
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