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『継続する心』 [ベースボール]

WBC第二次ラウンド、昨日の日本-台湾の試合は凄かった。午後11時を回っても未だ試合が続いているという感覚は新鮮だった。相変わらず打線の繋がりが悪くて勝ち味が遅いのが気になるが、日本は土壇場で追い付き、延長戦に入ってなんとか勝ち越した。ネット上では一次ラウンドで韓国が負けて喜んでいるコメントが目立つが、冷静に考えたらそれだけ他チームが強かったということで、勝ち上がってきた台湾でもオランダでも、日本が対戦して簡単に勝てるチームではない、足元をすくわれる可能性が相当高いと思っていた。

それだけに、逆転勝ちの結果にはホッとした。9回表二死1塁から、二盗を敢行した鳥谷(阪神)の勇気に驚嘆し、そして、その鳥谷を生還させるタイムリーを放った井端(中日)、もう神の領域だ。井端を代表に選考した首脳陣を評価したい。その井端が1月の自主トレ期間中に鍛えた高橋周平もオープン戦で結果を残しているし、井端が日本代表からドラゴンズに戻って来ても、きっとペナント奪回に貢献してくれるに違いない。

今年もジャイアンツは強そうだが、そうそう簡単に優勝を諦められない理由がある。ここ10年ほどの間、ドラゴンズファンにとっての悲願は、山本昌を日本シリーズ勝利投手にすることだ。この間のドラゴンズが弱かったわけではないが、せっかくセリーグ制覇して日本シリーズに進出しても、肝腎の山本昌が故障や不調でシリーズの登板機会がなく、逆に山本昌がリーグ戦で勝ち星を積み重ねている年にはチームがリーグ優勝できなかったりした。うまくタイミングが合わないのだ。山本昌が現役生活を送れるのはあと1年か2年か、時間との闘いになってきている。山本昌は春季キャンプも順調に過ごし、開幕に照準を合わせてきている。野手陣の世代交代が確実に進むであろう今季こそが、山本昌にとってのラストチャンスかもしれないのだ。

継続する心

継続する心

  • 作者: 山本昌
  • 出版社/メーカー: 青志社
  • 発売日: 2013/01/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
これを実践したから器用でもない47歳の著者がプロ野球で30年間も投げ続けられてこれた。誰にでもできるメンタル成功習慣。
ところで、先月号の『月刊ドラゴンズ』を読んでいたら、山本昌の本が出たらしい。ドラゴンズ関連の本なら無条件で購入しているが、版元が聞き慣れないマイナーなところだからか、東京の書店で探してもなかなか見つけることができない。そこで、たまたま仕事で名古屋に出張する機会があった今週7日(木)、仕事を終えた後の名古屋駅のキオスクを物色し、首尾よく本書を発見し、帰りの新幹線の中で読み始めた。

山本昌にまつわるエピソードは、いろいろなところで語られている。特に、『月刊ドラゴンズ』では半年ほど前から山本昌の半生をつづったライフヒストリーを連載している。それを山本昌本人が語ったのがこの1冊で、現役生活30年目のシーズンを迎えるのを契機に出版されたものである。山本昌本人が書き下ろしたのかどうかはわからないが、使用されている口絵の写真が同じカメラマンが同じ場所で撮ったものが多いし、記述についてもダブるところが多いのは気になった。

長年山本昌の投球を見続けているが、本人曰く、投球フォームはかなり変化してきていると思うが、僕達から見てもその体型は若い頃とあまり変わらない気がする。本書を読んでいると、長く野球を続けたければ走り込むことを厭うなというのがそこに込められたメッセージとしてあると思う。走り込みが足りないと、肩や肘を壊すと警告している。理論的に自身の体の動きを分析して投球フォームを作り上げてきたベテランだけに、その言葉の重さを後輩の選手たちは噛み締めるべきだ。あの松坂大輔投手がメジャーリーグに行ってからぶくぶく太って、挙句の果てに右肘を痛めたのを見るにつけ、走り込みの重要さは痛感させられる。

40代後半になっても現役生活を続けるのは確かにすごいことだ。だが、少し前にゴン中山が第一線を退くと発表した時にも感じたが、もうここまで第一線で活躍し続けるような選手はチームどころかそのスポーツ全体にとっての財産なのだから、現役続行に固執するよりも、その経験を広く後輩選手と共有して欲しいし、チームの枠を越えてその種目の振興のために貢献して欲しいと思う気持ちもある。40代でも現役続行を希望するプロ野球選手が多くなってきたので、なおのことそう感じる。

本人にやれるという自信があるから現役を続けているのだと思うが、それだけ長く現役生活を送ってきたがゆえの公共性、野球界にとっての共有財産であるとの自覚は持っていて欲しいと思う。

本書を読んでいて、常に自身の体力と投球技術の向上を指向しつつも、その存在の公共性を強く意識している山本昌の姿勢を強く感じることができ、何だか嬉しい気持ちになった。

本書を皮切りに、3月にも山本昌の著書が発刊されるらしい。さらに4月には、ドラゴンズのもう1人の40代のオジサン選手・山崎武との共著でもう1冊出る予定がある。短期間にそれだけ出ると同じような話が続くのではないかと気にもなるが、応援したい気持ちには変わりはない。

WBCに出て来ている各国の代表チームの中には、40代の選手もチラホラいる。山本昌のスクリューボールが、メジャーリーガーが主軸を務める各国代表チームを翻弄する姿を見てみたいという気持ちも少しばかりある。実現不可能な夢に過ぎないが…。


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