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『花のさくら通り』 [読書日記]

花のさくら通り

花のさくら通り

  • 作者: 荻原 浩
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/06/26
  • メディア: 単行本
内容紹介
さびれた商店街の活性化、請け負います!不況にあえぐユニバーサル広告社。次なるクライアントは閑古鳥が鳴く「さくら通り商店会」だった。最初はポスター制作だけのはずが、いつしかタッグを組んで商店街の活性化を目指すことに・・・・・・。
10月に入って以降、週末は自宅を空けることが多いため、コミセン図書室で借りた本が返却できずに困っている。市立図書館のように閉館時間はドロップボックスで返却できるような仕組みがあれば便利だが、コミセンの場合は開館時間の間しか返却ができないため、そもそも東京を留守にしている週末はおろか、平日の朝と夜も利用できないのである。9月中に借りていた本は返却もできずに3週間も期限オーバーし、10月28日(日)になって閉館時刻ギリギリでなだれ込んで、なんとか返却を果たせた。

ただ、そうして返却はしたものの、いったん図書室に行けば新着本の棚を物色してしまうのは僕の性。そもそも僕は小説の類はコミセン図書室でしか借りないから、一種の精神安定剤として、手元に何かしら小説を置いておきたくて、図書室に行けば何か小説を借りるようにはしている。閉館までの限られた時間の中で、何を借りようかと見まわし、桜色の際立った装丁の荻原浩の新作にすぐに目が吸いつけられた。

こうして新たに借りた長編小説だが、読みはじめてみると長い。とにかく長い。494頁もあって、イッキ読みというわけにはとうていいかなかった。僕にしては非常に珍しいが、読み切るのに1週間近くかかった。電車の中などは使わず、もっぱら就寝前の睡眠誘発剤、起床直後の目覚ましとして、限られた時間の中で読んだ。この間は夜22時就寝、3時起床のパターンを、週末も含めてかなり徹底して維持していたため、読んでいる時間が本当になかったのである。展開を振り返ってみてもそれほど複雑なお話だったとは思えないが、それでも長くて読み進めるのに予想以上の時間がかかった。特に、序盤のぐずぐずしていたところはもどかしかった。しかし、後半は寸暇を惜しんで読んだ感じだ。

この種のストーリーにはハズレがなく、心地よい読後感が味わえた作品だった。ユニバーサル広告社を描いた荻原作品はこれが三作目で、一種のシリーズになっているらしいが、各々が独立した話になっていて、本書を読んでもこれがシリーズもので前2作を読んでないと何のことかわからないという疎外感はまったくない。

これまでに読んだ荻原作品は少ない。『あの日へドライブ』と『明日の記憶』だけである。その少ない経験の中で判断するのは時期尚早かもしれないが、作品中に僕らが仕事をしていく上でのヒントらしきものが垣間見えることがあり、単なる小説以上の学びが得られることがあるので好きだ。本作品でも、高齢世帯が増えたニュータウンでの出前出店がそうそう簡単にはうまくいかないというで商店街の店主たちが頭をひねるところや、意見がバラバラだった店主たちをまとめるのにユニバーサル広告社あの杉山君が使ったファシリテーションとか、勉強になるところが幾つかあった。

どの作品も分厚いので、読み始めるのには勇気も要るが、これからも時々読んでみたい。

タグ:荻原浩
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コメント 1

株式投資

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 株式投資 (2012-11-27 14:48) 

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