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『東京は郊外から消えていく』 [読書日記]

東京は郊外から消えていく!  首都圏高齢化・未婚化・空き家地図 (光文社新書)

東京は郊外から消えていく! 首都圏高齢化・未婚化・空き家地図 (光文社新書)

  • 作者: 三浦 展
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/08/17
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
かつて団塊世代が東京圏にあふれ、郊外に大量の住宅が建てられた。それが今や、人口減少社会へと転じ、ゆくゆくは40%が空き家になるという予測も出ている。そうなれば、東京の随所にもゴーストタウンが現れるだろう。長年ローンを払い続けて手に入れたマイホームも、資産価値のない「クズ物件」となってしまう。日本の都市は、他にもさまざまな問題をはらんでいる。居場所のない中高年、結婚しない若者、単身世帯の増加…。とくに首都圏では、それらが大量に発生する。これから郊外はどうなる?住むべき街とは?不動産を最大限に活用するには?独自の意識調査などをもとに、これからの東京の都市、郊外のあり方を提言する。
三浦展の著書はこれまでにも『下流社会』や『団塊世代の戦後史』を購入して読んだことがあるが、以後書店立ち読みで済ませることが多かった。データの羅列が多く、それで総頁数の1/3程度が占められていて、わざわざ買って読む気になれなくなったのだ。特に200頁程度の新書でそれをやられると、コスパが良くないと思ってしまう。

それでも敢えて購入してみたのは、自分が住んでいる街が今後どうなっていくと捉えられているのか、それが他の首都圏各地域と比べてどうなのかを、立ち読み程度ではなく、もう少しじっくりと知りたかったであり、後でも読み返してみたかったからである。データを並べて無味乾燥な解説・解釈が淡々と述べられるというスタイルは相変わらずだが、期待値を下げて読み始めたからか、思いの外いい本だと思えた。図表にはご丁寧にその図表から何が言えるのかが短いフレーズで書かれた見出しが付けられていて図表の見やすさは感じられるし、新書としては珍しいカラー口絵まで数頁にわたって挿入されている。相変わらず、図表の多さは目につくが(苦笑)。

これからは少ない若者を巡って地域間での受入競争が激化するという結論は、まあ前から言われていたことではあるけれど、明示した文献を読んだのは初めてだ。(というか、そもそもこの手の本を最近あまり読んでいないということもある。)僕は「中央線近郊」で地域活動にもっと貢献する道を目指したいと思います。自分が住んでいる街を、子供にとっても子を持つ親にとっても、単身/独身世帯にとっても、外国人にとっても魅力的なものにして、そこで暮らす人々の構成を、年齢的なところも含めて多様化させていくことが、より長期にわたってその街の活力を持続させていく方法なのだというのが本書からの学びだ。

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