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『出版で夢をつかむ方法』 [読書日記]

出版で夢をつかむ方法

出版で夢をつかむ方法

  • 作者: 吉江 勝
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2010/06/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
出版は文豪のような才能や学者のような明晰な頭脳、またはスポーツ選手や芸能人のような人気者でなくても、ある方法さえ知っていれば誰でも可能だったのです。むしろ現代は一握りの優秀な賢人よりフツーの人のほうが圧倒的に出版しやすい時代になったとさえいえると思います。この方法を知る前までは、まるでうだつのあがらなかった会社経営者、公認会計士、営業マン、会社員、各種カウンセラー等が「ブック・ブランド・マーケティング」を始めたとたん、きっかけをつかみ豊かで幸せな成功を引き寄せています。ですから、あなたにもきっとできます。
僕は縁あって1月に本を出させていただいたが、実は書きたいテーマが1つあって、そちらの方ではもう1年ぐらい書こうかどうしようか考え続けている。どうやったら出版社の編集者は振り向いて下さるのか、多くの方がどのように出版にこぎ着けるのか、改めて知りたいと思い、図書館でそれらしいタイトルの本を借りてみることにした。

「ブック・ブランド・マーケティング」という考え方に基づき、名刺代わりに著書を差し出すことで、自分の営業に繋げると言う発想なので、要は経営コンサルタントが自分の売りをアピールするのに商業出版を活用できると言いたいのだ。従って、ビジネス書を書く気があるなら全体的には参考にはなる本だと思う。

僕は別にビジネス書を書きたいわけではないし、こういう目的で書かれた本が店頭に並んでいた場合に、安易にタイトルに惹かれて買ってしまわないよう気をつけないといけないんだなというのがわかった気がする。5年以上前の初期のブログ記事を読んでいると、僕は部下の扱いに相当困っていて、仕事ができない部下をどう動かすかというような本を何冊か買って読んでいたのがよくわかるが、これらもきっと、コンサルタントなる人々が自分の営業のために書かれたものだったに違いない。そう考えると、ちょっと腹立たしいものを感じたりもする。僕は、「経営コンサルタント」という職業について、元々良からぬ先入観を持っている。

部分的には本書は有用だ。例えば、企画書の書式。出版社に、「こんな本を書けますが、御社はご興味ありませんか」といって送る2頁ほどの企画書に何を盛り込んだらいいのかは、参考にはなった。ただ、繰り返すが僕が書きたいのはビジネス書じゃない。先に述べた悩める1テーマについては、自分なりに企画書を作って某A出版社の編集者に持って行ったことがあるが、「企画書よりも原稿持って来い、原稿を書くだけの労を厭わなかった人を門前払いにはしない、少なくとも原稿は読ませてもらう」と言われたことがある。そういう経験をした人間としては、著者の述べているような編集者を振り向かせる方法には、容易にうなずけないところもある(笑)。

もう1つその通りだと思ったのは、2冊目、3冊目という話があった場合に、自分の専門領域とは無関係のテーマに手を出すなという警告だ。元々守備範囲が広いという人もいるかもしれないが、少なくとも僕自身にとっては、あまり自分の専門ともかぶらないような本の出版企画には関わるなという諫言だとして受け取った。

最後に繰り返しになるが、経営コンサルタントが書いたビジネス書は、「誰でも本が出せる」と考えている人の名刺代わりに書かれた本が多いので、そのコンサルタントを自分の会社に招いてセミナー講師やコンサルティングをお願いしたりするわけでないのなら、立ち読みで済ませてしまうのが無難だろう。「誰でも本が出せる」と言われてしまうと、書店のビジネス書の棚はそういう輩の著書でいっぱいだということだ。それが、パラパラと頁をめくって30分程度かければ内容が大づかみでわかってしまうような本なら、一般読者がカネを払って買うようなものでもないと思ってしまう。

タグ:出版 吉江勝
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