『ロスジェネの逆襲』 [池井戸潤]
内容(「BOOK」データベースより)「バブル入行組」シリーズの池井戸作品第三作。正義のためなら所属組織にもたてををつく、「やられたら倍返し」の半沢が主人公の小説である。ただ、前作を読んでから随分日が経っているため、半沢がなぜ銀行系の証券会社に出向していたのかが思い出せなかった。前作読み直しておけばよかった(苦笑)
ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。胸のすくエンタテイメント企業小説。
「全ての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。」(p.251)っていうのは、今の僕自身の状況を考えたら、容易に首肯できなかったけれど。あまりに必要にされ過ぎるのも、迷惑だったりして…。活躍するには、それなりの部下の配置があって、チームとして動けることが必要だ。半沢には少なくとも森山君がいたことが大きいと思う。
池井戸作品は常に痛快だ。主人公が窮地に陥るのはどの作品も同じだが、最後は必ず正義が勝つ。企業小説だが、わかりやすいストーリーである。勢いを感じる。一気に読んでしまった。お薦めである。
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