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『セドナ・メッセージ』 [読書日記]

セドナ・メッセージ

セドナ・メッセージ

  • 作者: 一指 李承憲
  • 出版社/メーカー: 三五館
  • 発売日: 2011/09/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
***世界で一番のセドナ案内、誕生!***
米国アリゾナ州の「セドナ」に関心のある人には最適な本が登場。日米韓で同時刊行! 
セドナを隈なく知る平和運動家であり、スピリチュアルリーダーが語り尽した聖地の真のポイントと、自分自身を調えるための精神の発見法が、見事に書かれています。
今週は仕事の上で今年最大のヤマ場となるであろう出来事があった。年明けからターゲットを7月23~25日と定め、それに向かって準備を進めてきたが、直前の1週間にうちに別の仕事で3件ほど小さなヤマ場があり、本番に向けた最後の仕上げが滞りがちだったのは認めざるを得ない。そうなっていくことを予め想定し、早めに手を打ってはいた。休日出勤も今月は二度した。

感覚としては、24時間✕7日を最大限有効活用し、これ以上の時間はどう頑張っても捻出できないという2週間だった。睡眠時間は4~5時間。熱帯夜が続いて寝苦しかったこともあるが、緊張状態にあったからか目覚まし時計よりも先に目が覚めるという日が続いた。そして、起きている時間のほとんどを、仕事のために費やした。

―――ふと、現実逃避したくなった。

先週土曜日、それまで借りていた本を返却するため、僕は近所のコミセン図書室に出かけた。こういう状態に自分が陥っている時、よく助けてもらっているのが小説だ。だが、この日は新着本の棚にあったスピリチュアル系の本のタイトルにたちまち目を奪われた。

そうだ、またセドナに行ってみたいな―――。

挿入されているカラーの口絵は、ベル・ロックやカテドラル・ロックといったセドナの代表的なボルテックス、赤茶けた大地を緑のブッシュが所々覆っている特徴的な乾燥地帯に峡谷を形作り、秋の紅葉も見られるオーククリーク・キャニオンなど、魅力的な写真が掲載されている。

僕は9年前の夏、アリゾナ州南部を巡る約2週間のドライブ旅行に出かけ、セドナにも2晩ほど滞在した。その時の旅の主目的は州南部の鉄道に乗ってみることで、この時はセドナから20マイルほど離れたクラークデールという町を起点とするヴェルデ・キャニオン鉄道の、夕方出発の4時間ツアーに参加するため、セドナのモーテルを宿にしたのだった。

⇒ヴェルデ・キャニオン鉄道の旅行記は下記URLで紹介しています。
 http://www.sanchai.net/VerdeCanyonRR.htm

だから、セドナという町にすごい思い入れがあって訪ねたというわけではなかったが、実際に行ってみると、2泊しかしないのがもったいないと思わせるほど僕らを惹きつけた町だった。セドナを拠点に活動するアーティストは多く、ヒーリング系の音楽も沢山創られている。米国どころか世界的にも有数なパワースポットで、そういうのが好きな人にはたまらないだろう。日常生活の中で疲弊して、たまには現実社会から遠ざかって充電の時間が欲しいと感じた時、セドナは格好の癒しの地となるに違いない。

9年も経つと子供たちも成長し、観光列車に興味を示すような年齢でもなくなってくる。次にセドナに行けるとしたら、妻と2人で行けたらなぁと思っている。

さて、そうして潜在的にセドナへの憧れを抱いていた僕を一瞬にして虜にしたこの本、確かにセドナの観光スポットの解説として読む分には面白かったし、それが自宅でくつろぐわずかな時間の中での心の癒しにはなったが、元々スピリチュアル系にさほど造詣が深いわけでもないため、読んでいるうちにだんだんイライラ感も募ってきた。

スピリチュアルリーダーと自称するこの著者が韓国人であることなど関係ない。全世界に弟子がいて、彼の主宰する瞑想ツアーへの参加者が3万人にも上るというのだから、それなりに影響力もあるのだろう。大川隆法や池田大作の著作がやたら多いのとよく似ている気がする。ただ、読んでいていかにも「自分はこの地球の意志によって選ばれた人」といわんばかりのアピールが本文に込められていて、セドナに憧れる以前に怖さも感じた。セドナに長く滞在してボルテックスのパワーを感じながら瞑想にふけるような経験をしたことがない僕が言うのもなんだが、世の中の多くの人はセドナに行きたくとも行けないのだから、セドナを上手く利用した瞑想のあり方ではなく、普段の生活の中での自分の取り戻し方、内なるパワーの引き出し方を知りたい気がする。

セドナがそういうパワースポットであるとして、そこで瞑想することが自分の内なるパワーを引き出したり、疲れた心と体を整えたりするのに役立つのだとしたら、そこを拠点にしてスピリチュアルリーダーと称することは、ご本人にすごい力があるとアピールするというより、セドナの力を自分の力であるかの如く利用しているだけのようにも読めてしまう。もしそこを訪れた人々の間で、その前と後で大きな変化があったとするならば、それはセドナのお陰であって、スピリチュアルリーダーのお陰ではない。いったん瞑想のしかたを学んだら、行ける人は自分でセドナに行って、自分なりのやり方で瞑想にふけるのでいい。

むしろ必要とされるのは、セドナのパワーに容易にアクセスできないような人々に、日常生活の中での瞑想のしかた、自分の取り戻し方、内なる力の引き出し方を指導してくれるようなリーダーなのではないだろうか。

カラー口絵を見れば癒されるし、セドナ周辺のパワースポットの解説自体は興味深い。ただ、本書は観光ガイドとして読む分には物足りないところもあったし、セドナに住んでいて何度もボルテックスに足を運んで自分なりの瞑想のベストポイントを見つけ出せるほど時間に余裕がある人が、自分のおススメのポイントをマニアックに解説しているようにも読めてしまう。行きたくてもなかなかセドナに行けないような読者からすると、ついていけないところがある。

しかし、セドナには何かがあるというメッセージだけは、ビンビンに伝わってくる1冊ではある。

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履歴書

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by 履歴書 (2013-10-13 11:11) 

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