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『1日で読める平家物語』 [読書日記]

視聴率低迷を毎週毎週マスコミに叩かれている今年のNHK大河ドラマ『平清盛』―――。

僕は結構興味深く見させてもらっている。数年前に『実は平家が好き』という本を読んで以来、平氏中心で平家物語の時代を描いてみて欲しいなという密かな願いがあったからである。このところの大河ドラマでは、折角江戸や戦国の世を描いた作品でも女性が歴史のフィクサーのような扱われ方で、天下人からも一目置かれ、日本全国いろいろな場所に自由に動き回るという、あり得ないストーリーが多かった。だからどうしても大河から足が遠ざかってしまい、日曜午後8時のチャンネル争いでは、子供達が見たがる『イッテQ』に敗れてきた。しかし、今年は天皇家や貴族も登場するもののストーリーとしては骨太で、僕の趣向にも合っているし、子供達も学校で歴史を習うような年齢になってきたことから、『平清盛』を見ることに抵抗感もさほどない。

視聴率については、気にしなくていいと思う。むしろ、公共放送なんだから、視聴率に振り回されていてはとても作れない作品を制作して欲しいと思う。このところ民放のドラマが視聴率低迷でクール途中で放送打ち切りになるというケースが目立つが、その穴埋めに韓国のドラマの放映権を安く買ってきて使ったりしたら、人件費の高い日本の俳優はますます活躍の場がなくなる。韓国の歴史ドラマを見るのも悪くはないが、日本の歴史にも光を当てるドラマをちゃんと制作して欲しい。民放でやるにもせいぜい正月特別番組ぐらいなので、NHKには連続ドラマとして正々堂々と制作していって欲しい。

さて、ドラマ『平清盛』だが、今週から保元の乱に突入する。平氏中心で描く平安末期の歴史の最初の目玉であり、戦が描かれる回はそれなりに視聴率も上がるんじゃないかと思う。

大河ドラマにあやかり、多くの清盛本が出版された昨年から今年にかけて、1冊ぐらい読んでみようかと思ってコミセン図書室で手に取ったのが、本日紹介する下記の1冊である。

1日で読める平家物語

1日で読める平家物語

  • 作者: 吉野 敬介
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2011/12/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
痛快「つっこみ」平家物語!物語の名場面や登場人物の心情をリアルに描写し全192話すべてのストーリーが1話完結型でわかる最良の入門書。


1日で読める分量ではないので、タイトルは誇張だと思うが、非常に読みやすく書かれている。聞けば著者は予備校の古文のカリスマ講師だという。こういう所々突っ込み解説を入れながらの古文鑑賞は、なかなか面白い。高校生や大学生あたりが平家物語を読んでみようと思ったら、この本ぐらいがいいのではないかと思う。

平家物語の最初のヤマ場は鹿ヶ谷の陰謀なので、保元・平治の乱以後から話は始まる。でも、本書にはしっかり保元・平治の乱の経緯についての解説もあるので、大河ドラマの今を理解するのにも参考になった。ドラマの方では、鹿ヶ谷の陰謀で登場する後白河法皇や藤原成親が既に登場しているので、鹿ヶ谷の陰謀とその顛末をドラマ進行に先取りして知っておくのにも役立ったと思う。

ただ、何しろ平家物語の大半は源平合戦と平家滅亡までの経緯が描かれているので、大河ドラマとは微妙に時代がずれている。大河ドラマの副読本として最適かというと、ちょっと違うかもしれない。今年の大河が終わった後、その後平家はどうなっていったのかを見てみようと思ったら、もう一度本書に立ち戻るのがよいだろう。

大河ドラマの方に話を戻すと、全体としては面白いのだが、よく指摘されているように、わかりにくさはあると思う。後白河天皇即位の経緯も、大納言藤原頼長の凋落の経緯も、描き方が唐突だったし、なぜ鳥羽法皇と崇徳上皇の親子を仲直りさせようと尽力していた清盛が、法皇を見舞いに訪れた上皇を「もう遅い」と門前払いにした理由もわかりにくかったし、先週は伯父・平忠正がいきなり上皇方に参陣した経緯もわかりにくかった。ドラマはドラマでいいと思うが、気変わりや急展開が多過ぎて、オジサンの頭ではついて行けないところがあるのは事実である。

折角だから、最後に『実は平家が好き』もご紹介しておく。ずっと「源氏=善、平家=悪」というイメージを抱いていたが、言われてみれば確かにそうだと、平家を見直すよいきっかけになった。

実は平家が好き。―目からウロコの「源平」、その真実 (ダ・ヴィンチ特別編集 (8))

実は平家が好き。―目からウロコの「源平」、その真実 (ダ・ヴィンチ特別編集 (8))

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2005/06
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
滅亡!!壇ノ浦!…でもそないに悪いこと、したやろか?敵将の子である源頼朝・義経兄弟の命まで助け、その彼らに滅ぼされた平家一族vs兄弟で殺しあい滅亡した源氏の後裔たち。海外を見ていた平氏vs土地にこだわった源氏。アーティスト平氏vsソルジャー源氏…勝ち組・源氏政権によって歪められてきた、薄幸にして華麗なる一族「平家」、その真実の姿。

タグ:歴史 平清盛
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