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『太陽の塔』 [読書日記]

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

  • 作者: 森見 登美彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 文庫
出版社/著者からの内容紹介
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
―――のっけから申し訳ないが、多分もうしばらくの間、森見作品は読まないと思う。

『太陽の塔』という、いかにも1960年代生まれの読者が喜びそうな主題を持ってきた割に、
中味は今どきの考え過ぎる大学生の妄想話が中心。
京都に土地勘がないので場面がイメージしにくかったこともあるが、
難しいセリフ回しをわざと多用しているので、読むのが苦痛だった。

なぜこんな作品が支持されるのか、全く理解できなかった。
なぜ、主人公の「私」は、恋人の誕生日に、「電動式の招き猫」などわざわざプレゼントで贈るのか。
なぜ恋人の水尾さんが、あれほどまでに「太陽の塔」に魅せられるのか。
そしてなぜ野郎どもはクリスマスイブに四条河原町に繰り出し、「ええじゃないか」運動を起こそうとするのか。
「邪眼」を持つという植村嬢は、結局どういう位置づけだったのか。
結末の意味も理解できなかった。

確かに、学生時代であれば、僕らだってやたらと考え事をして、妄想を膨らませていたと思う。
しかし、今や時間の価値が格段に高まり、目的達成を最短距離で最少費用で果たしたいと思う、
しがない40代のオヤジでしかないのが今の僕である。

僕の年齢ではこの手のファンタジー小説は理解するのが難しいのかもしれない。
こうした小説の価値が評価できないかもしれない。
もはや僕はこの手の小説を読んで楽しめる年齢ではないということなのだろう。
森見登美彦さん、ごめんなさいね。

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